うまく笑えない君へと捧ぐ

西友

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第二章

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 それから、四年の月日が流れた。

 彰太は今、奈良で一人暮らしをしている。わざわざ関西の会社に入社したときは、両親に「何で?!」と泣かれたものだ。

 会社から帰宅した彰太がテーブルにコンビニ袋を置いたタイミングで、着信音が部屋に響いた。その意外な人物に首をひねりつつ、彰太は通話ボタンを押した。

「もしもし」

『よう、多比良。久しぶり。オレのこと覚えてるか?』

 人懐っこい声音に、彰太は苦笑した。

「葉山だろ? お前みたいな派手なやつ、忘れたくても忘れられないよ」

『なーんかトゲがあるなあ』

「気のせいだよ。それより、何かあったの?」

『いや。お前も、白沢の結婚式に招待されてるか確認しときたくてさ』

 どくん。
 一瞬。身体が跳ねるぐらい、心臓が跳ねた。

「へえ。白沢、結婚するんだ」

 声色に動揺がのっていないだろうか。心配をよそに、葉山は変わらぬ調子で続けた。

『あ、その様子だと招待されてねえな。何だよ。高校の時、お前ら仲良かったじゃん』

「そうかな。どっちにしろ、もう何年も連絡とってないよ。今、おれ奈良で働いてるし」

『おお、マジか。でも、そっか。あーやだな。あいつキャリアの道突っ走ってるから、周りエリートばっかだろうな。知り合いいないの、辛いわ』

「キャリア組か。白沢らしいね」

『つうか。コネだよ、コネ。まあ、ある意味自分の力だけど』

「どういう意味?」

『なんかさ、大手企業の社長の娘とうまいこと付き合って、そんで結構な役職をもらったらしい』

 言葉に詰まりかけたが、彰太は何とか持ち直し、口を開いた。

「その、さ。社長の娘と、いつから付き合ってたのかな」

 踏み込み過ぎた質問だったろうか。けれど葉山は、あっけらかんと答える。細かいことを気にしない性格が、今はとてもありがたい。

『えー? いつだろ。大学からの付き合いだとは聞いたことあるけど。正確には知らねーな』

「……そう。にしても、よく知ってるな。葉山は、白沢とまだ付き合いがあったんだな」

『まあ、白沢とは大学まで同じだったし。それから一年と経ってないからなあ』

「大学が同じなのは知ってたけど、その後も付き合いが続いてたのは驚いた」

『別に連絡を取り合ってるとかじゃねーけどな。にしても、オレの知り合いであいつの結婚式に招待されてる奴、いんのかな。あいつ友達少なそうだしなあ』

「葉山に言われちゃおしまいだよね」

『うるせー。しかもさ、何処で結婚式やると思う? すっげー有名なところでさ』

 結婚式場。日時。葉山から期せずしてもたらされた情報が、耳に焼き付いて離れなかった。
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