千年巡礼

石田ノドカ

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第2章 『新たなる脅威』

10.最終演目

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 時を同じくして、遠く離れた監視所。

『スー…………ハー…………――――ギヒヒッ』

 活気あふれる街中に、一つ、異質な影があった。

『監視所の諸君! さぁさ背かず御覧じろ! 巡礼に先駆け、目にも鮮やかな紅の祭典が始まるってなァ!』

 声高らか、堂々たる宣言に、周囲にいた妖らの注目が一気に集まる。
 なんだ、どうした、と慌てる中、近衛兵らは迷うことなく獲物を番えた。妖魔だと分かったからだ。

 異質も異質。
 言葉を話す妖魔など聞いたことがないと、一瞬間思考するも、すぐにそれら雑念を取り払うと、再び攻撃の姿勢を取る。

 ――それが、運の尽きだった。

『最終演目、始まり始まりぃ』

 ねっとりとした声音で言いつつ、纏わりつくような笑みを浮かべた妖魔は――
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