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第3章 『雪解け』
9.鏖
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妖魔との戦闘を終え、一行は東方の第一監視所へと辿り着いていた。
しかし――
「妙だな……えらく静かだ。それに、門番もいないってのは……」
いつになく神妙な面持ちで、漢那が呟く。
しかして衝動的に駈け出さない辺り、警戒心も忘れてはいない様子だ――が、言い換えれば、警戒していなければならない異様さということでもある。
「僕が前に来た時は、もっと賑やかだった。確かに異様な空気だね」
「来たことがなくとも分かる程、重苦しい空気のようですが」
紗雪が視線を寄越した、傍らのミツキまでもが、黙り、表情も硬くなっている。
監視所で暮らす面々の明るく楽し気な声は、時に外壁の外まで漏れ聞こえる程のこともあるが、それで妖魔からの襲撃を受けないのは、外壁が妖気を遮断する役割も担っているからだ。
視覚・聴覚的にではなく、妖気を辿って妖を襲う妖魔の習性への対策だ。
それでも、門番として、監視所の出入り口には腕の立つ妖を交代で配置し、門扉の前に誰もいないという時間は作らないようにしている。
その門番すら居ないというのは、一目で分かる異常さだ。
十分に警戒しつつ、漢那を先頭に、重く硬い門扉を押し開けた。
――――道理で、静かな筈だ。
「……っ……! ひ、酷い……こんなの……」
息をのみ、目を背ける紗雪。
「こ、こいつぁ……」
「一体、誰が……」
漢那、そしてユウさえも、驚愕し、言葉を失ってしまった。
ミツキ、空に至っては、何か反応を示すことさえ出来ずに立ち尽くしてしまっている。
「こんなのって……」
一同の眼前に広がるのは、視界を覆いつくさんばかりの海――血の海だった。
折られ、千切られ、突き刺され、嬲られ……考え得るだけのあらゆる方法で無残にも殺された妖たちの亡骸が、そこかしこに転がっていた。
前後左右、どこを見ても真っ赤な海。上の方を向いても背の高い壁が、下を向いたら言わずもがな――目を閉じる以外、それを見ないようにする術はないほど、ただひたすらに広がる赤。
音がしないわけだ。
そこにいるはずの、いや居た筈の、全ての命が奪われてしまっているのだから。
「かあ、ちゃ……」
やっとの思いで絞り出した声は頼りなく、誰の耳に届くでもなく溶けて消えた。
「か、ちゃ……か、かあちゃん……かあちゃん…! いや、だ……や、いやだ……ぁ、ぁぁ……あ、ぁぁぁあああ…!!」
空の叫びが木霊した。
耳を劈く程の悲鳴を上げながら、その衝動のままに駈け出した空の背中を、一同はただ見送るばかり。
何か返してやることも、何か動いてやることも、何も出来ない。
「母ちゃん…! 母ちゃぁぁあん…!」
手当たり次第に死体の山を漁り、ここじゃない、ここでもない、と場所を変え探し続ける空。
手伝わなければ――そう思っても、身体が動かない。
こんな惨状の中、トコだけが生き残っている可能性なんて、零に等しいだろうと、ここにいる誰もが思っていたからだ。
これじゃない。
あれじゃない。
手だか足だか頭だか分からないそれらを、手に取っては無造作に放り投げて、次へ、次へ……その度、溢れる涙は勢いを増し、声は枯れ、手元も更に荒々しくなってゆく。
止められるはずもなかった。
止めてはいけない。
この場にいる誰もが、そうも思ったからだ。
「空、くん……?」
声がしたのは、壊れた建物の一画だった。
空はその声を辿って、迷うことなく駆け出した。
そこには、ガタガタを震えながらも、動かない頭だけのものに治癒の妖術をかけ続ける、三つ目の妖――美弥の姿があった。
いつもは汚れ一つない純白の装束も、隅までムラなく真っ赤に染まっている。
「みや、さん……母ちゃんは……? どこにいるの……?」
尋ねられた美弥は、少し宙を仰いで考えた後で、きっぱりと首を横に振った。
考えたくなかった事実に、空は足の力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「美弥さん……一体、何があったんです?」
遅れて入って来たユウの声を聞いて、もう一度辺りを見回してから、美弥はようやく事態を理解したかのように妖術をかける手を止めた。
立ち上がり、また更に周囲を見回す。が、美弥は理解した訳ではなかった。
否――理解はしているのだろうが、感情がそれに付いてこないらしく、普段の何でもない会話をしている時のような声の調子で「なんなんでしょうね~」とふんわり答えた。
「ユウさんは、どう思います~?」
浮ついた様子で言いながら、死体の山から立ち上がった美弥の身体には、臓物が纏わりついている。
それを別段気にする訳でもなく、裾についた埃を払う程度の所作で吹き飛ばす美弥。
壊れてしまっている――瞬時に、そう理解した。
美弥の性格も嗜好も満足には知らないが、少なくとも患者の相手をしている時は、ふざけた態度をとるような者ではなかった筈だ。
光の消えた目、周りの物には目もくれずに歩み寄る様子。
いつからかこんな環境に置かれてしまっていたが故に、精神が摩耗し、感覚が麻痺してしまったらしい。
「みなさん、眠ったまんまで起きてくれないんですよ~」
相変わらずふわふわとした口調で話す美弥。
「ユウはんさ、どうしてこんなところまで?」
「仕事ですけど――いや、僕のことはいいんですよ。美弥さん、ここで何があったのか、覚えていることはありますか?」
「え~? え~っと……どうだったかなぁ。私はいつも通り、監視所の皆さんの治療や診療をしていたんですけどね。そうしましたら、外から何かを叫ぶ声が聞こえて、すぐに警備の者たちが慌ただしくなっていって、それから……う~ん、あんまり覚えていません。結果、見ての通り、みなさん眠ってしまっているんですよ~」
「見ての通り……美弥さんは、どうして『あれ』に癒術を?」
「え~? だって、ようぶさんって妖魔に言われたんですもの。『はやく寝てるやつらを起こしてやれよ』って。癒術師としてここにいる、私のお仕事でしょう? だから、患者さんのことは放っておけませんよ~」
語る目に生気は無い。
話す内容も滅茶苦茶だ。
ただ、
(ようぶ……あいつの仕業なのか)
聞き覚えのある単語に、これだけの被害理由にも納得がいった。
「患者、ですか。美弥さんには、『これ』が眠っているだけの患者に見えているんですね」
「もう、ユウさんってば、あれ、これ、と呼ぶものではありませんよ~? 乱暴な言い方は、めっ、ですからね~」
「……ごめん、美弥さん」
「いえいえ、分かっていただけたのなら――」
と、意識を失い力なく倒れる美弥の身体を受け止める。
「あまり気は進みませんが……」
「ありがとう、雪姉。これ以上は、流石に酷だ」
既に麻痺し、壊れ切ってしまってはいることだろうが、それでも、見なくて済むのなら見ない方が良い。
ユウが紗雪に目配せし、手刀を見舞ってもらったのだった。
抱きとめた美弥を抱え直すと、ユウは建物から出、改めて周囲を見回した。
「どこか、安全な場所を探さないと」
「そうですね。聞きたいことは聞けましたし」
「はっきりと、妖憑って言ってたね」
「ええ。しかし――」
紗雪が視線を寄越したのは、ユウのすぐ傍らに立つ空。
何が言いたいのか、すぐに理解した。
「漢那、ちょっと来てくれ!」
呼びかけると、離れたところで調査をしていた漢那がすぐに駆け寄って来た。
「一旦、別行動だ。ここのことは僕と雪姉がするから、漢那は空を、これらを見なくていいところまで連れ出してあげてくれ」
ユウの言葉を聞いている途中から、漢那は空の変化にも気が付いていた。
言葉を発さず、ただ茫然と立っているだけの様は、皆まで言われずとも、心身がついてきていないのだと分かる。
「すまんな、副長さん。少し席を外す」
「或いは手遅れになってしまっているかもしれないけど……頼んだよ」
「かたじけない。空、此方へ来い。儂と共に、外の空気でも吸いにゆこう」
空は何も口にせず、また頷くこともしなかったが、何度か手招くと、漢那の方へとゆっくり歩み寄った。
ただ固まったままでなかったことは、不幸中の幸いとも、言えないことはなかった。
しかし――
「妙だな……えらく静かだ。それに、門番もいないってのは……」
いつになく神妙な面持ちで、漢那が呟く。
しかして衝動的に駈け出さない辺り、警戒心も忘れてはいない様子だ――が、言い換えれば、警戒していなければならない異様さということでもある。
「僕が前に来た時は、もっと賑やかだった。確かに異様な空気だね」
「来たことがなくとも分かる程、重苦しい空気のようですが」
紗雪が視線を寄越した、傍らのミツキまでもが、黙り、表情も硬くなっている。
監視所で暮らす面々の明るく楽し気な声は、時に外壁の外まで漏れ聞こえる程のこともあるが、それで妖魔からの襲撃を受けないのは、外壁が妖気を遮断する役割も担っているからだ。
視覚・聴覚的にではなく、妖気を辿って妖を襲う妖魔の習性への対策だ。
それでも、門番として、監視所の出入り口には腕の立つ妖を交代で配置し、門扉の前に誰もいないという時間は作らないようにしている。
その門番すら居ないというのは、一目で分かる異常さだ。
十分に警戒しつつ、漢那を先頭に、重く硬い門扉を押し開けた。
――――道理で、静かな筈だ。
「……っ……! ひ、酷い……こんなの……」
息をのみ、目を背ける紗雪。
「こ、こいつぁ……」
「一体、誰が……」
漢那、そしてユウさえも、驚愕し、言葉を失ってしまった。
ミツキ、空に至っては、何か反応を示すことさえ出来ずに立ち尽くしてしまっている。
「こんなのって……」
一同の眼前に広がるのは、視界を覆いつくさんばかりの海――血の海だった。
折られ、千切られ、突き刺され、嬲られ……考え得るだけのあらゆる方法で無残にも殺された妖たちの亡骸が、そこかしこに転がっていた。
前後左右、どこを見ても真っ赤な海。上の方を向いても背の高い壁が、下を向いたら言わずもがな――目を閉じる以外、それを見ないようにする術はないほど、ただひたすらに広がる赤。
音がしないわけだ。
そこにいるはずの、いや居た筈の、全ての命が奪われてしまっているのだから。
「かあ、ちゃ……」
やっとの思いで絞り出した声は頼りなく、誰の耳に届くでもなく溶けて消えた。
「か、ちゃ……か、かあちゃん……かあちゃん…! いや、だ……や、いやだ……ぁ、ぁぁ……あ、ぁぁぁあああ…!!」
空の叫びが木霊した。
耳を劈く程の悲鳴を上げながら、その衝動のままに駈け出した空の背中を、一同はただ見送るばかり。
何か返してやることも、何か動いてやることも、何も出来ない。
「母ちゃん…! 母ちゃぁぁあん…!」
手当たり次第に死体の山を漁り、ここじゃない、ここでもない、と場所を変え探し続ける空。
手伝わなければ――そう思っても、身体が動かない。
こんな惨状の中、トコだけが生き残っている可能性なんて、零に等しいだろうと、ここにいる誰もが思っていたからだ。
これじゃない。
あれじゃない。
手だか足だか頭だか分からないそれらを、手に取っては無造作に放り投げて、次へ、次へ……その度、溢れる涙は勢いを増し、声は枯れ、手元も更に荒々しくなってゆく。
止められるはずもなかった。
止めてはいけない。
この場にいる誰もが、そうも思ったからだ。
「空、くん……?」
声がしたのは、壊れた建物の一画だった。
空はその声を辿って、迷うことなく駆け出した。
そこには、ガタガタを震えながらも、動かない頭だけのものに治癒の妖術をかけ続ける、三つ目の妖――美弥の姿があった。
いつもは汚れ一つない純白の装束も、隅までムラなく真っ赤に染まっている。
「みや、さん……母ちゃんは……? どこにいるの……?」
尋ねられた美弥は、少し宙を仰いで考えた後で、きっぱりと首を横に振った。
考えたくなかった事実に、空は足の力が抜け、その場にへたり込んでしまう。
「美弥さん……一体、何があったんです?」
遅れて入って来たユウの声を聞いて、もう一度辺りを見回してから、美弥はようやく事態を理解したかのように妖術をかける手を止めた。
立ち上がり、また更に周囲を見回す。が、美弥は理解した訳ではなかった。
否――理解はしているのだろうが、感情がそれに付いてこないらしく、普段の何でもない会話をしている時のような声の調子で「なんなんでしょうね~」とふんわり答えた。
「ユウさんは、どう思います~?」
浮ついた様子で言いながら、死体の山から立ち上がった美弥の身体には、臓物が纏わりついている。
それを別段気にする訳でもなく、裾についた埃を払う程度の所作で吹き飛ばす美弥。
壊れてしまっている――瞬時に、そう理解した。
美弥の性格も嗜好も満足には知らないが、少なくとも患者の相手をしている時は、ふざけた態度をとるような者ではなかった筈だ。
光の消えた目、周りの物には目もくれずに歩み寄る様子。
いつからかこんな環境に置かれてしまっていたが故に、精神が摩耗し、感覚が麻痺してしまったらしい。
「みなさん、眠ったまんまで起きてくれないんですよ~」
相変わらずふわふわとした口調で話す美弥。
「ユウはんさ、どうしてこんなところまで?」
「仕事ですけど――いや、僕のことはいいんですよ。美弥さん、ここで何があったのか、覚えていることはありますか?」
「え~? え~っと……どうだったかなぁ。私はいつも通り、監視所の皆さんの治療や診療をしていたんですけどね。そうしましたら、外から何かを叫ぶ声が聞こえて、すぐに警備の者たちが慌ただしくなっていって、それから……う~ん、あんまり覚えていません。結果、見ての通り、みなさん眠ってしまっているんですよ~」
「見ての通り……美弥さんは、どうして『あれ』に癒術を?」
「え~? だって、ようぶさんって妖魔に言われたんですもの。『はやく寝てるやつらを起こしてやれよ』って。癒術師としてここにいる、私のお仕事でしょう? だから、患者さんのことは放っておけませんよ~」
語る目に生気は無い。
話す内容も滅茶苦茶だ。
ただ、
(ようぶ……あいつの仕業なのか)
聞き覚えのある単語に、これだけの被害理由にも納得がいった。
「患者、ですか。美弥さんには、『これ』が眠っているだけの患者に見えているんですね」
「もう、ユウさんってば、あれ、これ、と呼ぶものではありませんよ~? 乱暴な言い方は、めっ、ですからね~」
「……ごめん、美弥さん」
「いえいえ、分かっていただけたのなら――」
と、意識を失い力なく倒れる美弥の身体を受け止める。
「あまり気は進みませんが……」
「ありがとう、雪姉。これ以上は、流石に酷だ」
既に麻痺し、壊れ切ってしまってはいることだろうが、それでも、見なくて済むのなら見ない方が良い。
ユウが紗雪に目配せし、手刀を見舞ってもらったのだった。
抱きとめた美弥を抱え直すと、ユウは建物から出、改めて周囲を見回した。
「どこか、安全な場所を探さないと」
「そうですね。聞きたいことは聞けましたし」
「はっきりと、妖憑って言ってたね」
「ええ。しかし――」
紗雪が視線を寄越したのは、ユウのすぐ傍らに立つ空。
何が言いたいのか、すぐに理解した。
「漢那、ちょっと来てくれ!」
呼びかけると、離れたところで調査をしていた漢那がすぐに駆け寄って来た。
「一旦、別行動だ。ここのことは僕と雪姉がするから、漢那は空を、これらを見なくていいところまで連れ出してあげてくれ」
ユウの言葉を聞いている途中から、漢那は空の変化にも気が付いていた。
言葉を発さず、ただ茫然と立っているだけの様は、皆まで言われずとも、心身がついてきていないのだと分かる。
「すまんな、副長さん。少し席を外す」
「或いは手遅れになってしまっているかもしれないけど……頼んだよ」
「かたじけない。空、此方へ来い。儂と共に、外の空気でも吸いにゆこう」
空は何も口にせず、また頷くこともしなかったが、何度か手招くと、漢那の方へとゆっくり歩み寄った。
ただ固まったままでなかったことは、不幸中の幸いとも、言えないことはなかった。
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