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大陸放浪編
水面の都~再会~
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大運河をゆったりと移動しながら、街並みを眺める。
川岸ギリギリに建てられた建物はクラシカルな建築様式で印象的な丸窓とアーチがあしらわれた優美なものばかりだった。
色も茶色や黄土を混ぜた漆喰や大理石でできているものなど、物珍しさからつい目移りしてしまう。
「おい、大人しく乗っていられないのか。ガキじゃあるまいし」
「だって素晴らしい景観ですもの。私、元の世界にいた頃はほとんど旅行とかしたことなかったので」
「まぁ、綺麗な街だよな。一体何十年ぶりになるかな・・・・・・懐かしいな」
「あら、ルークさんそんな幼い頃に来たことがあるんですか?」
ルークはハッとしたような顔をした。それからローブの上から髪をかき回した。
「ああ、ガキの頃の話だよ。ほら、着いたみたいだぜ」
ゴンドリーエが岸にボートを近づけた。
「こないだの雨で増水してるから気をつけなよ」
ゴンドリーエにルークが無言で金貨を一枚トスして渡した。するとやや不満そうだったゴンドリーエがにやりと笑い道を教えてくれた。
「この小道を真っすぐ行って大通りにぶつかったら左に曲がったらすぐさ」
「ありがとうございました」
ゴンドリーエは軽く手を挙げるとまた来た方へと戻っていった。私たちは言われた通りの道を進んだ。
聖フローレンス王国大使館は黒い鉄の門扉に閉ざされ、フローレンス王国の国旗がはためいている。赤と白と青のストライプの上に二頭のライオンが剣の刺さった盾を挟んで、向かい合っている。
このライオンと剣と盾は私の懐中時計にも刻まれた王国の紋章である。
その前には二人の兵士が王国の制服に身を包み、剣を持って直立不動している。
「フローレンス王国から参りました、マヤ・クラキと申します。リアン・クラーク参事官にお取次ぎ願いますか?」
私はあの懐中時計を示しながら、名乗った。二人の兵士たちにピリリと緊張が走る。
「はっ!少々お待ちください」
一人の兵士が重たい門を開いた。
「どうぞ、お進み下さい」
私たちは門の中に入るとそこにはこの街に溶け込むように作られた古めかしい白い漆喰の建物が立っていた。
扉の前に立ち、ノッカーを叩くと待ち構えていたかのように従僕がドアを開けた。
「マヤ・クラキ様、ルーク様、お待ちしておりました。リアン大使の元へご案内いたします」
私たちは従僕に連れられて二階の執務室へとやってきた。
従僕がノックと共に私たちの到来を告げた。中から返事があり、従僕が扉を静かに開けた。
「マヤ君、よく来てくれたね」
「リアン先輩……ご健勝で何よりです」
リアンは白いワイシャツに緑色の宝石の付いたループタイに黒のスラックス、さらに黒い麻のように透ける素材でできた長い上着を着ていた。
それは長身で痩せたリアンの魅力を撚り際立たせるものだった。
リアンは怜悧な美貌に優しい微笑みを湛えて、私を抱き寄せた。
「り、リアン先輩。あの……私、匂うので……」
リアンの細く長い腕に抱きすくめられて、私は気恥ずかしさでいっぱいになった。
「ああ、失礼した。こちらの流儀に染まってしまってね。マヤ君から潮と太陽の香りがしたよ。それでこちらが青嵐の騎士ルーク殿かな?」
リアンと私がルークに視線を向けると砂でも吐きそうな顔をして立っていた。
「ようこそ、ペネロペ都市国家へ。私はリアン・クラークと申します。ルーク殿の勇名は存じております」
「あー、そいつはどうも。先に言っておくがおれにはハグは結構だぜ」
その答えにリアンは苦笑した。私は視線でルークの言葉遣いを咎めた。
「承知いたしました。マヤ君、長旅で疲れているだろう。客室を用意してある。少し休んでから話を聞かせてもらおう」
「お気遣いいただきありがとうございます」
「ルーク殿もどうぞ、ゆるりと寛ぎください」
「……さっさと出発したいところだが、流石のおれも二週間の船旅は疲れた。休ませてもらう」
川岸ギリギリに建てられた建物はクラシカルな建築様式で印象的な丸窓とアーチがあしらわれた優美なものばかりだった。
色も茶色や黄土を混ぜた漆喰や大理石でできているものなど、物珍しさからつい目移りしてしまう。
「おい、大人しく乗っていられないのか。ガキじゃあるまいし」
「だって素晴らしい景観ですもの。私、元の世界にいた頃はほとんど旅行とかしたことなかったので」
「まぁ、綺麗な街だよな。一体何十年ぶりになるかな・・・・・・懐かしいな」
「あら、ルークさんそんな幼い頃に来たことがあるんですか?」
ルークはハッとしたような顔をした。それからローブの上から髪をかき回した。
「ああ、ガキの頃の話だよ。ほら、着いたみたいだぜ」
ゴンドリーエが岸にボートを近づけた。
「こないだの雨で増水してるから気をつけなよ」
ゴンドリーエにルークが無言で金貨を一枚トスして渡した。するとやや不満そうだったゴンドリーエがにやりと笑い道を教えてくれた。
「この小道を真っすぐ行って大通りにぶつかったら左に曲がったらすぐさ」
「ありがとうございました」
ゴンドリーエは軽く手を挙げるとまた来た方へと戻っていった。私たちは言われた通りの道を進んだ。
聖フローレンス王国大使館は黒い鉄の門扉に閉ざされ、フローレンス王国の国旗がはためいている。赤と白と青のストライプの上に二頭のライオンが剣の刺さった盾を挟んで、向かい合っている。
このライオンと剣と盾は私の懐中時計にも刻まれた王国の紋章である。
その前には二人の兵士が王国の制服に身を包み、剣を持って直立不動している。
「フローレンス王国から参りました、マヤ・クラキと申します。リアン・クラーク参事官にお取次ぎ願いますか?」
私はあの懐中時計を示しながら、名乗った。二人の兵士たちにピリリと緊張が走る。
「はっ!少々お待ちください」
一人の兵士が重たい門を開いた。
「どうぞ、お進み下さい」
私たちは門の中に入るとそこにはこの街に溶け込むように作られた古めかしい白い漆喰の建物が立っていた。
扉の前に立ち、ノッカーを叩くと待ち構えていたかのように従僕がドアを開けた。
「マヤ・クラキ様、ルーク様、お待ちしておりました。リアン大使の元へご案内いたします」
私たちは従僕に連れられて二階の執務室へとやってきた。
従僕がノックと共に私たちの到来を告げた。中から返事があり、従僕が扉を静かに開けた。
「マヤ君、よく来てくれたね」
「リアン先輩……ご健勝で何よりです」
リアンは白いワイシャツに緑色の宝石の付いたループタイに黒のスラックス、さらに黒い麻のように透ける素材でできた長い上着を着ていた。
それは長身で痩せたリアンの魅力を撚り際立たせるものだった。
リアンは怜悧な美貌に優しい微笑みを湛えて、私を抱き寄せた。
「り、リアン先輩。あの……私、匂うので……」
リアンの細く長い腕に抱きすくめられて、私は気恥ずかしさでいっぱいになった。
「ああ、失礼した。こちらの流儀に染まってしまってね。マヤ君から潮と太陽の香りがしたよ。それでこちらが青嵐の騎士ルーク殿かな?」
リアンと私がルークに視線を向けると砂でも吐きそうな顔をして立っていた。
「ようこそ、ペネロペ都市国家へ。私はリアン・クラークと申します。ルーク殿の勇名は存じております」
「あー、そいつはどうも。先に言っておくがおれにはハグは結構だぜ」
その答えにリアンは苦笑した。私は視線でルークの言葉遣いを咎めた。
「承知いたしました。マヤ君、長旅で疲れているだろう。客室を用意してある。少し休んでから話を聞かせてもらおう」
「お気遣いいただきありがとうございます」
「ルーク殿もどうぞ、ゆるりと寛ぎください」
「……さっさと出発したいところだが、流石のおれも二週間の船旅は疲れた。休ませてもらう」
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