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大陸放浪編
水面の都〜嵐~
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私は魔法陣を描いた紙を強風で吹き飛ばされないように土魔法で半分埋めるように固定した。そこにナイフで人差し指に傷を付け数滴血液を垂らす。
「何処より参ぜよ、来訪者。我が血を代償に我が呼び声に応えたまえ。我が名はマヤ・クラキ。いざ現れん」
そこに金色の体毛に鬣が白金の獅子が現れた。しかし、それは獅子にも関わらず背中には蝙蝠のような飛膜の翼がついている。既に雨が吹き付け始めた。
「行きましょう、ルークさん!」
「おうよ」
二人でルネスタに騎乗すると、その翼を羽ばたかせ飛翔した。ルネスタは強風にあおられながらも懸命に嵐の中心である海の方向に進んでいく。その時背後でルークが呟いた。
「猛然たる風よ。そなたははためく優しき風なり。我らを雨から守りたまえ」
すると目も開けているのが難しい暴風だったのがそよ風へと変化した。
「ルークさん、今……」
「おい、振り返るな。前見てろ。後でこんなもんじゃねぇ、すっげぇ魔法見せてやるから。驚いてこいつから落っこちるなよ?」
やがて私たちは海上に到達すると、目の前に大きく発達した積乱雲が城のように立ちはだかっていた。雲の中は時折ピカリと雷が閃く。雨が降り注ぐ中へとルネスタは飛行していく。私は覚悟してその中へと突入した。
「あれ? 雨が……」
まるで傘でもさしているかのように雨が私たちを避けていく。目の前は豪雨であるが、一滴も私たちに降り注ぐことは無い。
「ルークさん、これもあなたが?!」
「だぁかぁらぁ、前見てろって言ってるだろ。そろそろ嵐の中心だ。おれの魔法、目に焼き付けな」
ルークは剣を両手で持ち、胸元でかざした。そして祈るように目を瞑り、唱えた。
「嵐を呼ぶ遥かなる雲よ。そなたはどこから来て、どこへ行くのか。その雷で天を切り裂き、雨を地に降らせ、風が千里を駆ける。その力をここに集約し、我が身に宿れ。我が名はルーク・ハワード、水と風の祝福を受けし者」
すると雲がぎゅるりと捻じり撚るようにしてルークの持つ剣に吸い込まれていく。
(違う)
私は見直すと剣からその膨大な自然の猛威をその一身に引き受けているのだ。ルークが歯を食いしばって震えそうになる剣を握りしめる。徐々に雲が切れ、空が明るくなっていく。
「ルークさん、頑張ってください!」
私は必死でルークに声をかけると、ルークが苦しそうな表情の中でにやりと笑った。
するりと最後の雲の切れ端がルークの剣に滑り込み、それがルークの身体の中に吸収されると、ルークの身体からがっくりと力が抜けて私にもたれかかって来た。
私は慌ててルークを支えた。
「へへっ……、どうだ? すごかっただろ……?」
「ありがとうございます、ルークさん。すごかったです。貴方を信じて良かった」
「ははっ。まぁ、当然……だな。おれに……惚れんなよ?」
「それは心配には及びません」
ぐったりとしたルークを連れて私はルネスタを駆けさせた。
「何処より参ぜよ、来訪者。我が血を代償に我が呼び声に応えたまえ。我が名はマヤ・クラキ。いざ現れん」
そこに金色の体毛に鬣が白金の獅子が現れた。しかし、それは獅子にも関わらず背中には蝙蝠のような飛膜の翼がついている。既に雨が吹き付け始めた。
「行きましょう、ルークさん!」
「おうよ」
二人でルネスタに騎乗すると、その翼を羽ばたかせ飛翔した。ルネスタは強風にあおられながらも懸命に嵐の中心である海の方向に進んでいく。その時背後でルークが呟いた。
「猛然たる風よ。そなたははためく優しき風なり。我らを雨から守りたまえ」
すると目も開けているのが難しい暴風だったのがそよ風へと変化した。
「ルークさん、今……」
「おい、振り返るな。前見てろ。後でこんなもんじゃねぇ、すっげぇ魔法見せてやるから。驚いてこいつから落っこちるなよ?」
やがて私たちは海上に到達すると、目の前に大きく発達した積乱雲が城のように立ちはだかっていた。雲の中は時折ピカリと雷が閃く。雨が降り注ぐ中へとルネスタは飛行していく。私は覚悟してその中へと突入した。
「あれ? 雨が……」
まるで傘でもさしているかのように雨が私たちを避けていく。目の前は豪雨であるが、一滴も私たちに降り注ぐことは無い。
「ルークさん、これもあなたが?!」
「だぁかぁらぁ、前見てろって言ってるだろ。そろそろ嵐の中心だ。おれの魔法、目に焼き付けな」
ルークは剣を両手で持ち、胸元でかざした。そして祈るように目を瞑り、唱えた。
「嵐を呼ぶ遥かなる雲よ。そなたはどこから来て、どこへ行くのか。その雷で天を切り裂き、雨を地に降らせ、風が千里を駆ける。その力をここに集約し、我が身に宿れ。我が名はルーク・ハワード、水と風の祝福を受けし者」
すると雲がぎゅるりと捻じり撚るようにしてルークの持つ剣に吸い込まれていく。
(違う)
私は見直すと剣からその膨大な自然の猛威をその一身に引き受けているのだ。ルークが歯を食いしばって震えそうになる剣を握りしめる。徐々に雲が切れ、空が明るくなっていく。
「ルークさん、頑張ってください!」
私は必死でルークに声をかけると、ルークが苦しそうな表情の中でにやりと笑った。
するりと最後の雲の切れ端がルークの剣に滑り込み、それがルークの身体の中に吸収されると、ルークの身体からがっくりと力が抜けて私にもたれかかって来た。
私は慌ててルークを支えた。
「へへっ……、どうだ? すごかっただろ……?」
「ありがとうございます、ルークさん。すごかったです。貴方を信じて良かった」
「ははっ。まぁ、当然……だな。おれに……惚れんなよ?」
「それは心配には及びません」
ぐったりとしたルークを連れて私はルネスタを駆けさせた。
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