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4章 黒の王女様
20話
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ドカッ!ドカーン!
彼方は、迷いなく塀を破壊し、思った通り、どこかしらから警報がなり始めたのだ。
私は、慌てることもなく彼女の行動を全て見届ける気持ちで彼女を見続ける。
「来ないの?」
「え……あの……私は…………それより警報なってますけど…どうするんですか?」
「警報のことなら大丈夫よ。この塀を抜けたらすぐ外に繋がる道にたどり着けるから。もちろん数人しか知らない場所だけれど…。」
『数人しか知らない場所』って言った?外へ通じる道は、ひとつだけじゃないの?それとも、あの男が知らない場所ってこと?考えれば考えるほど疑問が頭に浮かんでくる。
「で、どうする?来ないの?」
「いや……私、外に行きたい理由がないんで………その………私は行きません。」
「そう……じゃあ、いっしょに来てよ。理由がないんでしょ?だったら、私が来てって言ってるから、でいいでしょ?」
彼方は、琉乃愛の返事を聞かず、琉乃愛の手を引いて一緒に塀を抜けたのだ。
「あ…」
どうしよう…このまま戻るにも戻れなくなっちゃた。
私は、手を引かれたまま、後ろを振りむく。
「先輩…何故、楽園を抜けたいんですか?」
私は、だんだん不安になり、先輩に聞く。
先輩は、前を向いて歩きながら、私の問に答える。
先輩は最初から計画的に楽園を出ることを図っていたように見える。
思った通りと言わんばかりに、返事も返ってきたのだ。
きっかけあっての行動らしい。
聞けば、最初は、普通に外で暮らしてみたいという些細な欲望から始まって、それが、3年後になってようやく、今、こんなことになってるらしいのだ。
「でも、なんで、普通に外で暮らしたいんですか?」
「だって、楽園にいるほとんどの人は、3歳ぐらいからここにいるんだよ……。そりゃあ、外に出て普通の暮らしをしてみたいと思うじゃん。」
「だったら、あと1年ここにいれば、楽園を出ることできるじゃないですか…。」
「それじゃダメなの。あの家に帰れば、ステラと一生付き合っていかないと行けないじゃない………。そんなの嫌よ…。」
彼女の顔がくもったのがわかる。
私は、何も言うことが出来なかった。
自分が無神経な質問をしたんだと確信できるほど雰囲気が変わったからだ。
「着いたわよ」
私は、下げていた顔をあげて見ると、そこには、ゲートではなく人が通れるほどの先が見えない穴ができていたのだ。
「この穴、先が見えないんですけど………」
「ええ、知ってるわ。この穴は、何年か前に高等部の人達が楽園を出るために自作した穴らしいんだけど、その人達がここを通って外に出れたんだって。だから、ここを通っても少なからず、死ぬことはないってことよ。」
信じきれないけど後戻りは出来ないからここを通るしかない…か。
「じゃあ、先に行くわね。」
彼女は、穴にそそくさと入ったのだ。
私も、彼女に続いて入った。
中は、真っ暗でウォータースライダーを滑ってるような感覚だった。
周りは真っ暗すぎて出口に差し込む光など全く見えなかった。
「……!」
今、入る時に感じた何かをすり抜ける感じがしたのだ。と思ったと同時に視界が開けてそこに広がっているのは見知らぬところだった。
「本当に外に出ちゃった……あ!先輩!」
彼女は、私に呼ばれて振り向くが、彼女の顔には、幸せそうな顔が浮かんでいたのだ。
「やっと着いた……外に……」
彼女は、見知らぬところなのに、両手を広げ空気を吸うようにしていた。
「これからどうします?このままここにいると捕まっちゃいますよ?服も制服だし…。それに、この制服って国で似たようなの1校もないので、すぐ身バレしちゃいます………。」
「んーどうしようか………じゃあ、どっかで服調達しないとね」
彼女は、よく考えてくれてるが、楽園は、簡単に私たちを見つけ出せるだろう。この私だって、今まで見つかったこと無かったが、ステラが発揮して、すぐ駆けつけられたのだから。
「あ!生徒手帳!今すぐ生徒手帳を捨てなさいっ!」
「は、はい!」
私は、慌てて生徒手帳を捨てるが、これがなんになるのかよく分からない。
「話は、走りながらするから、よく聞いて。」
彼女は、いきなり走って、話をきりだす。
話によると、生徒手帳は、表向きは、学園の生徒と証明する手帳だけど、裏では、万が一のことを考えて、生徒手帳の校章にGPSが取り付けられている。だから、楽園の外に出たとしても、GPSでバレて捕まるところだったということだ。
あんまり知りえないことなのに彼女が知ってるのは何故なのか知りたいけれど、今は、それどころじゃないのだ。早く服を着替えて身を隠したいのにどこに向かえばいいか、今、どこにいるのかが全く分からないのだ。せめて、地図さえ立ててくれたらわかるのに……。
民家が見えてきたが、生徒手帳を捨てた地域に潜む訳にはいかないよね……。考えれば考えるほど次から次に考え事が多くなってくる。
「先輩、ここ、どこだか分かります?」
「どこだか分からないのだけれど、あそこに駅が見えるわ。行ってみる価値はあるんじゃないかな。」
少しは、希望が見えてきたけど電車に乗るとしたら、どうやって乗ればいいんだろう。お金もないのに……。
ようやく駅に着き現在位置を確認する。
〈電車に乗って…………伊里の泉で降りて………〉
いきなり、頭に声が流れた気がしたけれど気のせいかな…。一応彼女に尋ねてみることにする。
「先輩、今、何か言いました?」
「いや、何にも?」
「え、でも、電車に乗って伊里の泉ってところで降りてって……聞こえたんですけど……」
「気のせいじゃない?………もしかして………いや、それはないか……とりあえず、行ってみる?その伊里の泉ってとこまで」
「はい……でも電車乗るにはお金が必要ですけど持ってます?」
「ええ……持ってるわ。ツテを辿って、貰ってきたんだ。」
彼女は、沢山の小銭が入った袋を手に切符を買いに行く。
ちょうどその時、電車が駅に着いたのだ。
彼方は、迷いなく塀を破壊し、思った通り、どこかしらから警報がなり始めたのだ。
私は、慌てることもなく彼女の行動を全て見届ける気持ちで彼女を見続ける。
「来ないの?」
「え……あの……私は…………それより警報なってますけど…どうするんですか?」
「警報のことなら大丈夫よ。この塀を抜けたらすぐ外に繋がる道にたどり着けるから。もちろん数人しか知らない場所だけれど…。」
『数人しか知らない場所』って言った?外へ通じる道は、ひとつだけじゃないの?それとも、あの男が知らない場所ってこと?考えれば考えるほど疑問が頭に浮かんでくる。
「で、どうする?来ないの?」
「いや……私、外に行きたい理由がないんで………その………私は行きません。」
「そう……じゃあ、いっしょに来てよ。理由がないんでしょ?だったら、私が来てって言ってるから、でいいでしょ?」
彼方は、琉乃愛の返事を聞かず、琉乃愛の手を引いて一緒に塀を抜けたのだ。
「あ…」
どうしよう…このまま戻るにも戻れなくなっちゃた。
私は、手を引かれたまま、後ろを振りむく。
「先輩…何故、楽園を抜けたいんですか?」
私は、だんだん不安になり、先輩に聞く。
先輩は、前を向いて歩きながら、私の問に答える。
先輩は最初から計画的に楽園を出ることを図っていたように見える。
思った通りと言わんばかりに、返事も返ってきたのだ。
きっかけあっての行動らしい。
聞けば、最初は、普通に外で暮らしてみたいという些細な欲望から始まって、それが、3年後になってようやく、今、こんなことになってるらしいのだ。
「でも、なんで、普通に外で暮らしたいんですか?」
「だって、楽園にいるほとんどの人は、3歳ぐらいからここにいるんだよ……。そりゃあ、外に出て普通の暮らしをしてみたいと思うじゃん。」
「だったら、あと1年ここにいれば、楽園を出ることできるじゃないですか…。」
「それじゃダメなの。あの家に帰れば、ステラと一生付き合っていかないと行けないじゃない………。そんなの嫌よ…。」
彼女の顔がくもったのがわかる。
私は、何も言うことが出来なかった。
自分が無神経な質問をしたんだと確信できるほど雰囲気が変わったからだ。
「着いたわよ」
私は、下げていた顔をあげて見ると、そこには、ゲートではなく人が通れるほどの先が見えない穴ができていたのだ。
「この穴、先が見えないんですけど………」
「ええ、知ってるわ。この穴は、何年か前に高等部の人達が楽園を出るために自作した穴らしいんだけど、その人達がここを通って外に出れたんだって。だから、ここを通っても少なからず、死ぬことはないってことよ。」
信じきれないけど後戻りは出来ないからここを通るしかない…か。
「じゃあ、先に行くわね。」
彼女は、穴にそそくさと入ったのだ。
私も、彼女に続いて入った。
中は、真っ暗でウォータースライダーを滑ってるような感覚だった。
周りは真っ暗すぎて出口に差し込む光など全く見えなかった。
「……!」
今、入る時に感じた何かをすり抜ける感じがしたのだ。と思ったと同時に視界が開けてそこに広がっているのは見知らぬところだった。
「本当に外に出ちゃった……あ!先輩!」
彼女は、私に呼ばれて振り向くが、彼女の顔には、幸せそうな顔が浮かんでいたのだ。
「やっと着いた……外に……」
彼女は、見知らぬところなのに、両手を広げ空気を吸うようにしていた。
「これからどうします?このままここにいると捕まっちゃいますよ?服も制服だし…。それに、この制服って国で似たようなの1校もないので、すぐ身バレしちゃいます………。」
「んーどうしようか………じゃあ、どっかで服調達しないとね」
彼女は、よく考えてくれてるが、楽園は、簡単に私たちを見つけ出せるだろう。この私だって、今まで見つかったこと無かったが、ステラが発揮して、すぐ駆けつけられたのだから。
「あ!生徒手帳!今すぐ生徒手帳を捨てなさいっ!」
「は、はい!」
私は、慌てて生徒手帳を捨てるが、これがなんになるのかよく分からない。
「話は、走りながらするから、よく聞いて。」
彼女は、いきなり走って、話をきりだす。
話によると、生徒手帳は、表向きは、学園の生徒と証明する手帳だけど、裏では、万が一のことを考えて、生徒手帳の校章にGPSが取り付けられている。だから、楽園の外に出たとしても、GPSでバレて捕まるところだったということだ。
あんまり知りえないことなのに彼女が知ってるのは何故なのか知りたいけれど、今は、それどころじゃないのだ。早く服を着替えて身を隠したいのにどこに向かえばいいか、今、どこにいるのかが全く分からないのだ。せめて、地図さえ立ててくれたらわかるのに……。
民家が見えてきたが、生徒手帳を捨てた地域に潜む訳にはいかないよね……。考えれば考えるほど次から次に考え事が多くなってくる。
「先輩、ここ、どこだか分かります?」
「どこだか分からないのだけれど、あそこに駅が見えるわ。行ってみる価値はあるんじゃないかな。」
少しは、希望が見えてきたけど電車に乗るとしたら、どうやって乗ればいいんだろう。お金もないのに……。
ようやく駅に着き現在位置を確認する。
〈電車に乗って…………伊里の泉で降りて………〉
いきなり、頭に声が流れた気がしたけれど気のせいかな…。一応彼女に尋ねてみることにする。
「先輩、今、何か言いました?」
「いや、何にも?」
「え、でも、電車に乗って伊里の泉ってところで降りてって……聞こえたんですけど……」
「気のせいじゃない?………もしかして………いや、それはないか……とりあえず、行ってみる?その伊里の泉ってとこまで」
「はい……でも電車乗るにはお金が必要ですけど持ってます?」
「ええ……持ってるわ。ツテを辿って、貰ってきたんだ。」
彼女は、沢山の小銭が入った袋を手に切符を買いに行く。
ちょうどその時、電車が駅に着いたのだ。
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