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4章 黒の王女様
21話
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プシュー
私たちには時間が迫っていたので急いで電車に乗り込んだ。
電車の中には、私たちを見て驚く様子をした人達がいる。
それはそうだろう。何せ急いで駆け込んだのだから。驚くのも無理はない。
あるひとりの女性が私たちに尋ねる。
「大丈夫?」
「だ───」
私は、先輩に話を遮られる。
「大丈夫です。少し妹とはしゃいでいたら転けてしまっただけなので。」
彼方がそういい笑顔を見せ掛けたことで、周りの人達は、琉乃愛達に注目するのをやめたのだ。
「それにしても…伊里の泉ってどこだろう」
私は、声を少し落として周りに聞こえないようにした。
「さあ…私も聞いたことがないわ…」
2人は、首を傾げて、また黙り込む。
[終点です。お降りの方は足元に気をつけてお降り下さい。]
「ん…もう終点?あ!伊里の泉!降り忘れたかも!」
「先輩!起きてください!終点ですよ!」
「え!終点って言った?」
私達は、いつの間にか2人並んで電車内の椅子で寝てしまっていたのだ。
アナウンスは私達を起こしてくれたけど、今、わかっていることは、ここが終点だ、ってことだけ……。
私は、思わず、電車の窓にへばりつき、周りをよく見渡す。
すると、ひとつの看板が見えた。
そこには、「伊里の泉駅」と記されていた。
「そうか、ここが伊里の泉!先輩やりましたよ!着きました!」
「ええ。そう見たいね…。」
どうやら、終点が伊里の泉駅だったようだ。
2人は、アナウンスに促され、駅を降りる。駅には、誰もいなくて、ぽつんと取り残されたような気分になった。
「で、ここで何をすればいいの?」
「さあ?」
またもや首を傾げる。
私達は、その場で突っ立ってる訳には行かないので、歩き始めることにした。
歩き始めても何もないことには薄々気づいていた。
駅の周りに何も無い時点で、この街に何かあると期待はしていなかった。
それにしても、頭に流れてきた声の主は誰なんだろう………でも、懐かしみのあるこの感じ…どこかで聞いたことがあるようなと思いつつ琉乃愛が頭を抱え込む。
〈……て、来て……………これ………を…………み…………て、来………て………………〉
「うっ!……」
私は、頭に電流を流されているような痛みを感じ半分気を失い倒れ込む。
「ね!大丈夫!?」
先輩は、私が倒れる瞬間を見ていたのか地面に倒れ込む時に私の体を受け止めたのだ。
「頭に…情報が……流れてきて……それで……」
琉乃愛は、急に立ち上がり、私たちが来ていた海岸の堤防から先をまっすぐ見つめる。
見つめる先には、私たちを癒すような夕暮色の空に夕日色の海が広大に広がっている。
この景色、頭に流れてきた情報と一致している。確かこの堤防の右手側を向くと、遠くの方に「海の家」があったようなと思いつつ、体を堤防の右手側に向ける。
あ…あった!
私は、体が行くままに動く。
まるで誰かに誘われてるような感じを漂わせながら…………………。
彼方は、何かを知って動いている琉乃愛を見ながら、信じてついて行くことにする。
2人は、さっきまでいた堤防を後に、海の家までたどり着くことが出来たのだ。
『これを見て、来て』そう頭に流れてきたのは、ペンダントと誰かの声だった。
ペンダントは、在処まで鮮明に教えてくれた。
だから、今、海の家にいるのだ。ここにペンダントが隠されているから。
私は、海の家に足を踏み入れ、周りを見渡す。海の家には、人はおらず、カウンターらしき机と段差があるところに客が居座る場所がある。
そして、ペンダントが隠されているところは、カウンターに置いてあるオルゴールの中。
私は、オルゴールに近づき、ゆっくり箱を開く。箱を開けた瞬間、懐かしいような聞いたことがあるような、そんな感じがした。箱の中には、情報通りペンダントが入っていた。
ペンダントは、エメラルドグリーン色の鉱石がついており、開閉式となっている。
私は、好奇心のあまり、ペンダントを開けてしまったのだ。
中には、1枚の薄い紙切れと赤ちゃんの古い写真が入っていたのだ。
紙切れは、ペンダントのおかげでくすんでおらず、文字がはっきりと見える。
文字を見ると、「××町 ○○番地」どこかの所在だろうか、そう思われることが書いてあっただけだった。
私は、ペンダントを首にかけ、紙切れを手に、先輩と海の家を出たのだ。
おそらく、この場所に全てがある──。
それにしてもこの写真見覚えがあるような…そう思い写真を見つめようとすると、先輩が顔の前に手出し、首を横に振った。
「人様の写真を勝手に見てはいけないわよ」
私は、写真を閉じ、ペンダントの中に写真を入れる。自分でも人の写真を勝手に見てはいけないとわかっていたからだ。
そうこうしているうちに、2人は目的の場所に着いた。
私の前に立ちはだかった家は、家と言うより、大きな屋敷だった。
私たちは、屋敷の前で右へ左へ行ったり来たりを繰り返していた。なぜなら、屋敷のインターホンを押すか押さないかで迷っていたからだ。
「新入り、君が押してきなよ」
「え!私ですか?それと、私、新入りって名前じゃないですけど………私は、鹿島琉乃愛って名前です………」
「じゃあ琉乃愛ちゃん、君が情報をもらってここまで来たんだから君がインターホンを押してくるのよ。」
私は、しぶしぶ先輩の言うことを聞いて、屋敷のインターホンを押す。
ピンポーン
屋敷から周りによく聞こえるインターホンの音。
そういえばこの屋敷って人の家だよね……?そう思い周りを見渡すと、自分の真上ら辺の柱に表札が掲げられていた。
表札には、「神宮寺」と書かれている。どこかで聞いたことがあるような………。
琉乃愛は、表札を見て記憶を辿る。思い当たることがあるのだろう。
ガラガラ
琉乃愛が記憶を辿り始めた頃に、いきなり屋敷の門のドアが開いたのだ。
私は、開いたドアを見ると、そこには、着物を着た若い女の人がたっていた。
女の人は、私たちに一礼して、口を開き始める。
「待っていました。どうぞこちらへ。」
私たちは、女の人に誘導されるがまま門をくぐり屋敷の中へと着いていく。
私たちには時間が迫っていたので急いで電車に乗り込んだ。
電車の中には、私たちを見て驚く様子をした人達がいる。
それはそうだろう。何せ急いで駆け込んだのだから。驚くのも無理はない。
あるひとりの女性が私たちに尋ねる。
「大丈夫?」
「だ───」
私は、先輩に話を遮られる。
「大丈夫です。少し妹とはしゃいでいたら転けてしまっただけなので。」
彼方がそういい笑顔を見せ掛けたことで、周りの人達は、琉乃愛達に注目するのをやめたのだ。
「それにしても…伊里の泉ってどこだろう」
私は、声を少し落として周りに聞こえないようにした。
「さあ…私も聞いたことがないわ…」
2人は、首を傾げて、また黙り込む。
[終点です。お降りの方は足元に気をつけてお降り下さい。]
「ん…もう終点?あ!伊里の泉!降り忘れたかも!」
「先輩!起きてください!終点ですよ!」
「え!終点って言った?」
私達は、いつの間にか2人並んで電車内の椅子で寝てしまっていたのだ。
アナウンスは私達を起こしてくれたけど、今、わかっていることは、ここが終点だ、ってことだけ……。
私は、思わず、電車の窓にへばりつき、周りをよく見渡す。
すると、ひとつの看板が見えた。
そこには、「伊里の泉駅」と記されていた。
「そうか、ここが伊里の泉!先輩やりましたよ!着きました!」
「ええ。そう見たいね…。」
どうやら、終点が伊里の泉駅だったようだ。
2人は、アナウンスに促され、駅を降りる。駅には、誰もいなくて、ぽつんと取り残されたような気分になった。
「で、ここで何をすればいいの?」
「さあ?」
またもや首を傾げる。
私達は、その場で突っ立ってる訳には行かないので、歩き始めることにした。
歩き始めても何もないことには薄々気づいていた。
駅の周りに何も無い時点で、この街に何かあると期待はしていなかった。
それにしても、頭に流れてきた声の主は誰なんだろう………でも、懐かしみのあるこの感じ…どこかで聞いたことがあるようなと思いつつ琉乃愛が頭を抱え込む。
〈……て、来て……………これ………を…………み…………て、来………て………………〉
「うっ!……」
私は、頭に電流を流されているような痛みを感じ半分気を失い倒れ込む。
「ね!大丈夫!?」
先輩は、私が倒れる瞬間を見ていたのか地面に倒れ込む時に私の体を受け止めたのだ。
「頭に…情報が……流れてきて……それで……」
琉乃愛は、急に立ち上がり、私たちが来ていた海岸の堤防から先をまっすぐ見つめる。
見つめる先には、私たちを癒すような夕暮色の空に夕日色の海が広大に広がっている。
この景色、頭に流れてきた情報と一致している。確かこの堤防の右手側を向くと、遠くの方に「海の家」があったようなと思いつつ、体を堤防の右手側に向ける。
あ…あった!
私は、体が行くままに動く。
まるで誰かに誘われてるような感じを漂わせながら…………………。
彼方は、何かを知って動いている琉乃愛を見ながら、信じてついて行くことにする。
2人は、さっきまでいた堤防を後に、海の家までたどり着くことが出来たのだ。
『これを見て、来て』そう頭に流れてきたのは、ペンダントと誰かの声だった。
ペンダントは、在処まで鮮明に教えてくれた。
だから、今、海の家にいるのだ。ここにペンダントが隠されているから。
私は、海の家に足を踏み入れ、周りを見渡す。海の家には、人はおらず、カウンターらしき机と段差があるところに客が居座る場所がある。
そして、ペンダントが隠されているところは、カウンターに置いてあるオルゴールの中。
私は、オルゴールに近づき、ゆっくり箱を開く。箱を開けた瞬間、懐かしいような聞いたことがあるような、そんな感じがした。箱の中には、情報通りペンダントが入っていた。
ペンダントは、エメラルドグリーン色の鉱石がついており、開閉式となっている。
私は、好奇心のあまり、ペンダントを開けてしまったのだ。
中には、1枚の薄い紙切れと赤ちゃんの古い写真が入っていたのだ。
紙切れは、ペンダントのおかげでくすんでおらず、文字がはっきりと見える。
文字を見ると、「××町 ○○番地」どこかの所在だろうか、そう思われることが書いてあっただけだった。
私は、ペンダントを首にかけ、紙切れを手に、先輩と海の家を出たのだ。
おそらく、この場所に全てがある──。
それにしてもこの写真見覚えがあるような…そう思い写真を見つめようとすると、先輩が顔の前に手出し、首を横に振った。
「人様の写真を勝手に見てはいけないわよ」
私は、写真を閉じ、ペンダントの中に写真を入れる。自分でも人の写真を勝手に見てはいけないとわかっていたからだ。
そうこうしているうちに、2人は目的の場所に着いた。
私の前に立ちはだかった家は、家と言うより、大きな屋敷だった。
私たちは、屋敷の前で右へ左へ行ったり来たりを繰り返していた。なぜなら、屋敷のインターホンを押すか押さないかで迷っていたからだ。
「新入り、君が押してきなよ」
「え!私ですか?それと、私、新入りって名前じゃないですけど………私は、鹿島琉乃愛って名前です………」
「じゃあ琉乃愛ちゃん、君が情報をもらってここまで来たんだから君がインターホンを押してくるのよ。」
私は、しぶしぶ先輩の言うことを聞いて、屋敷のインターホンを押す。
ピンポーン
屋敷から周りによく聞こえるインターホンの音。
そういえばこの屋敷って人の家だよね……?そう思い周りを見渡すと、自分の真上ら辺の柱に表札が掲げられていた。
表札には、「神宮寺」と書かれている。どこかで聞いたことがあるような………。
琉乃愛は、表札を見て記憶を辿る。思い当たることがあるのだろう。
ガラガラ
琉乃愛が記憶を辿り始めた頃に、いきなり屋敷の門のドアが開いたのだ。
私は、開いたドアを見ると、そこには、着物を着た若い女の人がたっていた。
女の人は、私たちに一礼して、口を開き始める。
「待っていました。どうぞこちらへ。」
私たちは、女の人に誘導されるがまま門をくぐり屋敷の中へと着いていく。
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