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本編
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しおりを挟む「つまり、私はこの世界に残った不浄の地を人が住めるように浄化していけばいいってことですか?」
なんて風にいきなり話が最終確認にまで飛んでいるのをわかりやすく私がまとめてみよう。
まず、この世界には魔王という存在はもういない。なぜもうとつくのかといえば、かつて魔王と呼ばれていた存在はもうこの世界の勇者によって討伐されたからだ。
そりゃあ、私のようなハイスペックチートな人がいるなら他にもそんな人がいるに決まっているじゃないか! という訳だ。
ちなみにアルフレッド様も私と同じくハイスペックチート側だ。
そして魔王を討伐した勇者は誰かと言われればーーーー私だったりする。ま、表では違う人が勇者様だという事にされていて、実は私が真なる勇者ということは本っ当にごく一部の者しか知らないのだが。そりゃ裏社会にいるものが表で目立ったら元もないし。
話が逸れかけたが……、こうして色々な成り行きで私の手によって魔王がいなくなり世界に平和が訪れました。なんで簡単にいく訳がなかった。
確かに魔王はいない。けど魔物はまだいるのだ。
なぜかというとこの世界の魔王はただ魔族の中で一番強いものがなる魔のまとめ役で、普通に人間たちの王様と同じ役割をこなして魔族がいる国でいるだけ。
つまり魔王を討伐したってなんの意味もないのだ。
あとここで誤解を招いている可能性があるから言わせてもらうが、魔王を務めていた者は死んではいない。魔王という役職がなくなっただけと説明すればいいだろうか?
なんと驚いたことに魔の国は私の前世住んでいた日本と同じ民主主義国家となったのであった。
まぁ、現在元魔王は楽しそうに過ごしているし、魔の国もいつも通り動けているらしいからいいんじゃない? と私は思っている。
けどここで問題が一つ。
私たちが問題だと思っていた魔族はーー現在和解済みーー実際はなんともなく、むしろ魔族の方々も手をこまねいている魔物の存在だ。
魔族と魔物の違いは簡単で、考える事ができるかできないか。つまり思考能力の有無だ。
前者の魔族はたとえどんな姿をしていれど人と同じように考えて過ごしている害のない存在。
後者の魔物は食って寝るしか考えてない衝動のままに生きる害のある存在。
そんな魔物が生息している地域は人間はおろか魔族も住むことができない汚れた不浄の地となってしまう。
そんな不浄の地を浄化する術をこの世界に住む人々は持っていない。
だから異世界から人を呼び浄化してもらおう! ということで呼ばれたのが聖女様だった、という訳だ。
我ながらわかりやすくまとめられたと思っている。
「そうだ」
王様が答えると、聖女様の目が不安げに揺れた。
「私なんかがそんな事できるんでしょうか?」
まぁ、いきなりこんな世界を浄化してください~なんて言われたらそうなるでしょうね。
でもここは聖女様に頑張ってもらわないといけないのだ。
私が乙女ゲー展開を見る為に。
おおっとつい本音と建前が逆に……気にしないでもらいたい。
ーーーーーーーーーーー
たまたま目について開いてみれば書きかけのものがあったので、かなり短いですが供養としてあげさせてもらいました。
最後の投稿が2015年なので2年前という事になります。あまり自分ではわからないのですが、もしかしたら昔と今の文体は違うかもしれません。……考え深いものです。
またこの作品に関しても、余裕ができればリメイクしてあげ直したいなぁ……と考えています。一体いつになったらできるのやら。
現在二本連載モノを抱えていて、更に新しいモノをふと思いついてしまって筆が乗ってしまっているので、まだ先になる事は確かです。(ちゃっかり新作宣伝をする私よ……)
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