黒猫は闇に泣く

ギイル

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第1章 黒猫の友人

国王

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鐘の後の静寂。
高い天井に木霊す音を追うようにして、響いた靴音に一挙に視線が集まった。
能力者代表にはソラス、人間代表には国王。
広場に集まった者達は敬意を表し一斉にこうべを垂れた。
どっかりと向かい合うようにして腰を下ろした二人は、目を合わせることなく机に置かれた書類を手に取った。
「この度は」
「御託はよい」
ソラスの言葉を遮る形で国王は口を開く。
大の能力者嫌いと知られていた国王だが、どうやら能力者と言葉を交わす事もお気に召さないらしい。
これが国王をトップとする聖協会と議会が歪みあっている一つの原因でもあるといえるだろう。
「今日はわざわざ足を運んでやったのに、この紙の束はなんだ?」
国王の手にあった書類は無造作に床に捨てられた。
人間と能力者双方、緊張の色を見せ始める。
「なんだといわれますと?」
わざとらしく首を傾げるソラス。
国王は明らかな嫌悪な目を向けた。
「この資料を見るかぎり殺されているのは能力者側ではないか」
「しかし」
有無を言わさず国王は立ち上がると、ソラスを見下すように嘲笑する。
「お前からの誘いだから来てみれば。能力者のいざこざをこちら側へ持ってこないでもらいたい」
その言葉に途端会場内が色めき立った。
徐々に騒がしくなる広場。
国王は席を立ちソラスへ背を向ける。
一歩前へ出た能力者達を阻むように聖教会側が立ち塞がった。
能力者が人間に負けるはずが無いと言われていた歴史をひっくり返した聖教会だ。
下手に手出しはできないまま、互いに交流の無い二つの組織は膠着状態を保っている。
国王が足を進めると、それと同時にソラスが議会側を手で制した。
そしてソラスは去る王の背中に向けてこう言った。
「ここで終わればいいですね」
と。
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