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第1章 黒猫の友人
国王の実験室2
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混乱の続く街を抜け、煙を上げる城の元へ。
トゥクルと燈、そして優は散り散りに別れ城を囲むようにして進んでいく。
刻の案内が的確に四人を目的地へと導いた。
「優はそのまま進んで。燈、もうすぐ人間と接触する」
「全員殺さないように!」
間髪入れずに優は言った。
数少ない黒猫団の掟の一つであり、祖父と優が交わした唯一の約束だと刻と燈は聞いたことがある。
それを語る優の照れくさそうな顔を二人は今でも忘れられない。
「トゥクル、ナビゲートいる?」
「やばくなったらお願い」
「了解」
個々の速度で移動する四人を刻は目を閉じて追う。
深い呼吸の回数が増え、徐々に体温が上がり始める。
削られていく体力に刻は硬い地面に腰を下ろした。
トゥクルは広場に集った国民の元へ、優は街を抜け城へと向かい、燈は既に城の内部へ進入していた。
「刻、全然気配がしないぞ」
「燈の真下に気配があるから、地下に潜ったのかも。前に落ちた穴あるでしょ」
鮮やかだった壁の絵も、煌びやかだった天井の照明も全て崩れさった城の中。
階段だったであろう場所には崩れた瓦礫が積まれ通常なら登れる状態ではなかった。
しかし燈は身軽にも瓦礫を飛び越え一階上の踊り場に足をつける。
「上に生存者はないようだ」
生臭い匂いが鼻をついた。
長く続く廊下の先、赤黒く染まった絨毯が城の惨状を生々しく語っていた。
死体は何処へ消えたのか、その疑問の答えはまだ出ないがそれでも燈は奥へと足を進めた。
「血の匂いはするが人がいない。どう思う?」
「どうって・・・死体を持っていかれたとか?」
「持っていく意味ないでしょ」
以前辿った道を経て優は城の内部へ踏み込んだ。
燈のように跳躍力がない優は刻の指示通り地下へと繋がる道を探る。
ちょうど崩れた壁の先、本来は光の当たることのなかったあの階段が目に入った。
「その下にいる」
刻の声がそう言った。
無線の向こうにいる刻の声は緊張の色を見せていた。
地下へ下りると無線の電波は確実に届かない。
そして万人の思考を繋ぐ能力さえも優には届いてはくれないのだ。
優は刻の意図を汲んだ。
「じゃあみんな」
「さよなら」
「また会えたら」
登り階段を駆け下りて、灯りの消えた闇の中で石畳みを踏みしめる。
耳元では不快な音が入り乱れ、無線が無意味な物になったことを示していた。
そっとピアスに手を翳し外からの音を遮断した。
螺旋状に下った先で優は小さな物音を聞いた。
子供のように小さな足が水の張った床を走る音のようにも取れる音。
そして下るにつれてその音は複数の足音へと変わっていった。
「誰か来た」
高い声が地下に響いた。
「何か変な感じがする」
「能力が拒絶されてる感じ」
木の扉一枚を隔てた部屋の中。
「そこにいるのは誰?」
そう彼らは問いかけた。
トゥクルと燈、そして優は散り散りに別れ城を囲むようにして進んでいく。
刻の案内が的確に四人を目的地へと導いた。
「優はそのまま進んで。燈、もうすぐ人間と接触する」
「全員殺さないように!」
間髪入れずに優は言った。
数少ない黒猫団の掟の一つであり、祖父と優が交わした唯一の約束だと刻と燈は聞いたことがある。
それを語る優の照れくさそうな顔を二人は今でも忘れられない。
「トゥクル、ナビゲートいる?」
「やばくなったらお願い」
「了解」
個々の速度で移動する四人を刻は目を閉じて追う。
深い呼吸の回数が増え、徐々に体温が上がり始める。
削られていく体力に刻は硬い地面に腰を下ろした。
トゥクルは広場に集った国民の元へ、優は街を抜け城へと向かい、燈は既に城の内部へ進入していた。
「刻、全然気配がしないぞ」
「燈の真下に気配があるから、地下に潜ったのかも。前に落ちた穴あるでしょ」
鮮やかだった壁の絵も、煌びやかだった天井の照明も全て崩れさった城の中。
階段だったであろう場所には崩れた瓦礫が積まれ通常なら登れる状態ではなかった。
しかし燈は身軽にも瓦礫を飛び越え一階上の踊り場に足をつける。
「上に生存者はないようだ」
生臭い匂いが鼻をついた。
長く続く廊下の先、赤黒く染まった絨毯が城の惨状を生々しく語っていた。
死体は何処へ消えたのか、その疑問の答えはまだ出ないがそれでも燈は奥へと足を進めた。
「血の匂いはするが人がいない。どう思う?」
「どうって・・・死体を持っていかれたとか?」
「持っていく意味ないでしょ」
以前辿った道を経て優は城の内部へ踏み込んだ。
燈のように跳躍力がない優は刻の指示通り地下へと繋がる道を探る。
ちょうど崩れた壁の先、本来は光の当たることのなかったあの階段が目に入った。
「その下にいる」
刻の声がそう言った。
無線の向こうにいる刻の声は緊張の色を見せていた。
地下へ下りると無線の電波は確実に届かない。
そして万人の思考を繋ぐ能力さえも優には届いてはくれないのだ。
優は刻の意図を汲んだ。
「じゃあみんな」
「さよなら」
「また会えたら」
登り階段を駆け下りて、灯りの消えた闇の中で石畳みを踏みしめる。
耳元では不快な音が入り乱れ、無線が無意味な物になったことを示していた。
そっとピアスに手を翳し外からの音を遮断した。
螺旋状に下った先で優は小さな物音を聞いた。
子供のように小さな足が水の張った床を走る音のようにも取れる音。
そして下るにつれてその音は複数の足音へと変わっていった。
「誰か来た」
高い声が地下に響いた。
「何か変な感じがする」
「能力が拒絶されてる感じ」
木の扉一枚を隔てた部屋の中。
「そこにいるのは誰?」
そう彼らは問いかけた。
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