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第1章 黒猫の友人
協力者
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また議員が一人死んだ。
「我らの英雄死す。だってさ」
今朝の新聞を大きく飾ったその記事は、議会の必死の隠蔽も虚しく、わずか三日と経たずに国中を駆け抜けた。
貴族でもあり、革命家の一族であった彼の死はこれまでに無いほど大々的に取り上げられている。
「こいつは他の議員とは違って、私達みたいに治安維持を重視していたからな」
「それにしてもここまで大々的に取り上げられちゃ、議会も黙っていられないんじゃない?」
文字の羅列を目で追いながら刻は所々くすくすと笑う。
「次は誰なんだろうね」
ゲーム感覚の様な軽い物言いに、優は思わず眉を寄せた。
「不謹慎」
常日頃からヘラヘラとしている人間なのはわかっていたのだが、この時ばかりは口から言葉が自然と出た。
優の言葉に刻は微笑すると新聞をたたみ、ゴミ箱に投げ捨てる。
「こんなことよりもっと大切な事聞きたい?」
刻が意味深げに口を開く。
その一言で素早く話題はすり変わった。
もっと大切なこと。
その言葉に二人の興味は持っていかれる。
刻は意地の悪い顔をすると、一通の手紙を取り出した。
手紙には楼で封がしてあり、明らかに目上の人間が送ったもののようだった。
風変わりな紫の楼には海が広がり、獅子が吠える。
見覚えのある紋章だった。
獅子たる態度で敵を殲滅し、海のように真実を覆い尽くす。
三人が知る中で思い当たる差出人は一人しかいない。
「師匠・・・」
「そう。聖教会が動くってさ」
「我らの英雄死す。だってさ」
今朝の新聞を大きく飾ったその記事は、議会の必死の隠蔽も虚しく、わずか三日と経たずに国中を駆け抜けた。
貴族でもあり、革命家の一族であった彼の死はこれまでに無いほど大々的に取り上げられている。
「こいつは他の議員とは違って、私達みたいに治安維持を重視していたからな」
「それにしてもここまで大々的に取り上げられちゃ、議会も黙っていられないんじゃない?」
文字の羅列を目で追いながら刻は所々くすくすと笑う。
「次は誰なんだろうね」
ゲーム感覚の様な軽い物言いに、優は思わず眉を寄せた。
「不謹慎」
常日頃からヘラヘラとしている人間なのはわかっていたのだが、この時ばかりは口から言葉が自然と出た。
優の言葉に刻は微笑すると新聞をたたみ、ゴミ箱に投げ捨てる。
「こんなことよりもっと大切な事聞きたい?」
刻が意味深げに口を開く。
その一言で素早く話題はすり変わった。
もっと大切なこと。
その言葉に二人の興味は持っていかれる。
刻は意地の悪い顔をすると、一通の手紙を取り出した。
手紙には楼で封がしてあり、明らかに目上の人間が送ったもののようだった。
風変わりな紫の楼には海が広がり、獅子が吠える。
見覚えのある紋章だった。
獅子たる態度で敵を殲滅し、海のように真実を覆い尽くす。
三人が知る中で思い当たる差出人は一人しかいない。
「師匠・・・」
「そう。聖教会が動くってさ」
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