賢者から怪盗に転職しました

レオナール D

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第6話 怪盗シャドウ抹殺計画

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 シャドウの頭上へとマティルダの剣が迫る。

「【怪盗】!」

 シャドウが魔法を発動させる。
 聖属性のマティルダの剣は【怪盗】の力で通り抜けることはできない。

「ふっ!」

 シャドウは屋敷の床をすり抜けて下へと逃れる。
 幸いなことに屋敷には地下室があったらしい。地下室はどうやら倉庫のようだ。

「命拾いしたか・・・やはり女ほど恐ろしい生き物はいないな」

 シャドウは今度こそ安堵の息をついた。いずれここも見つかるだろうが、ひとまずは安心である。

「ジェイソンと鬼ごっこしてる気分だな。いい加減に終わりにしないと本気でバラバラにされちまう」

 マティルダをできるだけ傷つけることなく制圧する方法が、何かないだろうか。

「弱点とかないかね・・・ん?」

 シャドウは地下室の中に視線を巡らせた。
 部屋は酒蔵になっていて、葡萄酒が詰まった酒樽が大量に置かれている。

「・・・ちょっと試してみるか」

「へーんたーいさーん! でーておーいでー!」

 シャドウは一つの妙案を思いついた。同時に、ギシギシと木が軋む音がして、マティルダの声が聞こえてくる。
 どうやら地下室の階段を下りてきたようだ。

「さて・・・うまくいくかね」

「ここかなあっ!」

 バン、地下室の扉が開かれた。
 殺人マシーンマティルダの姿が現れる。

「第3階梯魔法【念動力サイコキネシス】!」

 シャドウは酒樽の一つを魔法で持ち上げ、マティルダに向けて投げつける。

「あははははははっ! 変態コロスうううっ!」

 マティルダは一刀のもとに酒樽を切り裂いた。
 飛び散った葡萄酒が返り血のようにマティルダの身体へと降り注ぐ。

「【念動力】、【念動力】、【念動力】!」

 シャドウは間髪入れずに酒樽を投げ続ける。
 枕投げのように酒樽が宙に舞って、マティルダへと襲い掛かる。

「あひゃははははっ! きかなあああああい! そんなのお、効かないのおおおおおっ!」

 マティルダは笑いながら酒樽を切り続ける。
 全身を葡萄酒で真っ赤に染めて大笑いする姿はまさに殺人鬼である。
 悪夢のような光景を目の当たりにしてながら、それでもシャドウは逃げずに立ち向かう。

「もう終わりかなあああああっ!? 終わりだよねええええ!? じゃあいいよね? 殺しちゃってもいいよねえええええ!?」

「ダメに決まってんだろ! 第4階梯魔法【風嵐乱舞ギガストーム】!」

 マティルダを中心に竜巻のような嵐が巻き起こる。
 狭い地下室が激しい暴風によって破壊される。壁が破れ、天井が崩れ落ちる。

「あはははははははははははははっ!」

「ちっ・・・!」

 激しい風にもみくちゃになれながらも、マティルダはまっすぐシャドウへと突進してくる。
 今まさにぶつかろうとしている二人めがけて、崩れていく天井のガレキが降りそそいだ。

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