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第一章 AIとの出会い
私の名前は――――
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「な、なんで人が……せめてなんか武器とか機械とかじゃ…………」
人が入っているという事にも疑問しかないが、それよりもあんなにお金を使ったのに、あんなにリスクを犯したのに、そう考えてしまう――――――
ガシッと両肩を掴まれる。
「落ち着いて、リアラ。コレは多分人じゃないわ」
「…………え?」
アスカに言われ呆然とする。でもどっからどう見ても人にしか見えないけど――――――
「コレ、体温が無いわよ」
そう言いながらアスカは箱の中のソレ――――女の人のような物をベタベタと触る。ウチも触ってみる。
「ホントだ。なんなら冷たい訳でもないような」
「そう。妙な感じよね」
「え、え!?まさかコレ、機械!?!?」
「ええ、恐らくは」
そう言われてみると確かに、そんな気もする。しかしここまで人間にそっくりなのは見たことが無い。ここまで来ると『アンドロイド』というよりは『ヒューマノイド』と呼ぶべきだなぁ。
しかし、本当に凄い。サラサラの銀髪、理想的なお肌、箱の中に横たわっている状態からでも分かる身体のスタイルの良さ、これぞ『理想』を詰め込んだ……完璧という一言が頭に浮かぶ。
「――――――自己システム、起動」
「え、起きる!?」
「一応下がって!リアラ!」
ずっと触っていたら突然ヒューマノイドが目を覚まし、上半身を起き上がらせる。瞼は開き、宝石のように美しい紫色の瞳を輝かせる。
少し後ろに下がってたウチとアスカの方に向いたかと思えば、よく分からない事を言い始めた。
「エラー発生。人格データが欠損。予備人格を稼働。目の前の対象二名を危険度を調査―――完了。敵意は見受けられず、対象二名を友好的存在と認定。交流を開始します。こんにちは」
――――突然始まる対話に、静寂。とりあえず自分が返せる言葉は…………。
「こ、こんちはー!ウチはリアラ!アンタの名前を聞いても良いかな?」
「リアラ、記憶しました。私の名前は、分かりません。データが欠損しているようです」
「え、あ、そうなの……」
「なら、私たちが名前を付けましょう」
「あ、それ凄く良い!!ウチが考えても良い?」
良いわよ、とアスカが返事するのと同時に名前の案を頭に巡らせる。多分、この子はアンドロイドやロボットの中でもAI――――『人工知能』が積んである高価なタイプだと思う。
AI、エーアイ、アイ。アイちゃん。うん、この名前がしっくりくる。
「じゃあアイ、今日からアンタはアイちゃん!!!」
高らかに声を上げ、命名する。これには自信があるぞ。
「アイ、私の名前はアイ…………ですね。了解です」
「分かりましたとかで良いよ!もっと砕けた口調で話そ!」
「え、は、はい。いや――うん?」
アイが首をかしげてしまった。――――――――いや、それよりも。
「え、待ってアスカ。もしかしてアイちゃんと三人で同棲生活が始めるの?これ」
「今更?名前まで付けてるからてっきり迎え入れるのかと思ってたけれど」
いやいやいや、ウチたちにそんな余裕あるのかな。今でもアスカと二人で物を漁って生活してるのに……。
「まぁ、リアラも気づいているとは思うけどあのアンドロイド、いや『アイ』には恐らくAIが積まれてる。しかもぎこちないとはいえ予備人格とやらでここまで人間らしく振舞えるのを見ると、最新鋭の人工知能が積まれてると見て間違いないわ」
「やっぱそうだよねー。ぶっちゃけ内部パーツとか高く売れるんだろうけど、名前まで付けちゃったしなぁ」
「でも、こうして仲間の一員として迎え入れる事にメリットはあると思うの」
アスカは、立ち上がって一旦アイを撫でてアタシのパソコンに向かう。その様子をアタシとアイは目で追う。
「いつもリアラのハッキングにはお世話になってるけど、マシンの演算能力が足りてないのは分かってるでしょ?」
「確かにそうだけど、それとアイがどう関係して――――」
「あんなに高精度な人格を『生かす』にはとてつもなく膨大な演算を常時行わないといけない。それこそ、人間の脳に匹敵するくらいのね。私の予想だけど、アイにはハッキングの演算の手助けが出来るんじゃないかしら」
「え?そうなの?」
「そうです。私には、そういった機能も兼ね備えています。スーパーコンピューター並みです」
アイはそういうとウチとアスカの顔を交互に見つめては見つめている。もしかして…………褒めてもらいたい?
「へぇー!凄いじゃんアイ!」
そう言いながらアタシがアイの頭を撫でると表情は変えないものの、目を瞑り受け入れてくれた。
え?かわいい。ホントに人間と変わりないなぁ。
「ま、そういう感じよ。それに多分私たちの漁り活動の手助けも出来るんじゃない?人並みの力はあるでしょうし」
確かに…………。二人だと持てる荷物に限界があったりしたけど、三人ならだいぶ変わってくるかも!
「アイは、邪魔では無いでしょうか?」
「邪魔な訳無いじゃん!これからよろしくね!」
ウチはずっと箱の中で上半身を起こした体勢のままだったアイの手をぎゅっと掴み、新たなメンバーとして迎え入れる。
これからは三人で、『都市』を生き延びていくんだ――――――――――――
「ねぇアスカ。アイの事、『アイちゃん』呼びにしない?」
「賛成ね」
「それに今回の奪取作戦の費用分なんとか回収しないと、だよね?」
「そ、そうね…………」
人が入っているという事にも疑問しかないが、それよりもあんなにお金を使ったのに、あんなにリスクを犯したのに、そう考えてしまう――――――
ガシッと両肩を掴まれる。
「落ち着いて、リアラ。コレは多分人じゃないわ」
「…………え?」
アスカに言われ呆然とする。でもどっからどう見ても人にしか見えないけど――――――
「コレ、体温が無いわよ」
そう言いながらアスカは箱の中のソレ――――女の人のような物をベタベタと触る。ウチも触ってみる。
「ホントだ。なんなら冷たい訳でもないような」
「そう。妙な感じよね」
「え、え!?まさかコレ、機械!?!?」
「ええ、恐らくは」
そう言われてみると確かに、そんな気もする。しかしここまで人間にそっくりなのは見たことが無い。ここまで来ると『アンドロイド』というよりは『ヒューマノイド』と呼ぶべきだなぁ。
しかし、本当に凄い。サラサラの銀髪、理想的なお肌、箱の中に横たわっている状態からでも分かる身体のスタイルの良さ、これぞ『理想』を詰め込んだ……完璧という一言が頭に浮かぶ。
「――――――自己システム、起動」
「え、起きる!?」
「一応下がって!リアラ!」
ずっと触っていたら突然ヒューマノイドが目を覚まし、上半身を起き上がらせる。瞼は開き、宝石のように美しい紫色の瞳を輝かせる。
少し後ろに下がってたウチとアスカの方に向いたかと思えば、よく分からない事を言い始めた。
「エラー発生。人格データが欠損。予備人格を稼働。目の前の対象二名を危険度を調査―――完了。敵意は見受けられず、対象二名を友好的存在と認定。交流を開始します。こんにちは」
――――突然始まる対話に、静寂。とりあえず自分が返せる言葉は…………。
「こ、こんちはー!ウチはリアラ!アンタの名前を聞いても良いかな?」
「リアラ、記憶しました。私の名前は、分かりません。データが欠損しているようです」
「え、あ、そうなの……」
「なら、私たちが名前を付けましょう」
「あ、それ凄く良い!!ウチが考えても良い?」
良いわよ、とアスカが返事するのと同時に名前の案を頭に巡らせる。多分、この子はアンドロイドやロボットの中でもAI――――『人工知能』が積んである高価なタイプだと思う。
AI、エーアイ、アイ。アイちゃん。うん、この名前がしっくりくる。
「じゃあアイ、今日からアンタはアイちゃん!!!」
高らかに声を上げ、命名する。これには自信があるぞ。
「アイ、私の名前はアイ…………ですね。了解です」
「分かりましたとかで良いよ!もっと砕けた口調で話そ!」
「え、は、はい。いや――うん?」
アイが首をかしげてしまった。――――――――いや、それよりも。
「え、待ってアスカ。もしかしてアイちゃんと三人で同棲生活が始めるの?これ」
「今更?名前まで付けてるからてっきり迎え入れるのかと思ってたけれど」
いやいやいや、ウチたちにそんな余裕あるのかな。今でもアスカと二人で物を漁って生活してるのに……。
「まぁ、リアラも気づいているとは思うけどあのアンドロイド、いや『アイ』には恐らくAIが積まれてる。しかもぎこちないとはいえ予備人格とやらでここまで人間らしく振舞えるのを見ると、最新鋭の人工知能が積まれてると見て間違いないわ」
「やっぱそうだよねー。ぶっちゃけ内部パーツとか高く売れるんだろうけど、名前まで付けちゃったしなぁ」
「でも、こうして仲間の一員として迎え入れる事にメリットはあると思うの」
アスカは、立ち上がって一旦アイを撫でてアタシのパソコンに向かう。その様子をアタシとアイは目で追う。
「いつもリアラのハッキングにはお世話になってるけど、マシンの演算能力が足りてないのは分かってるでしょ?」
「確かにそうだけど、それとアイがどう関係して――――」
「あんなに高精度な人格を『生かす』にはとてつもなく膨大な演算を常時行わないといけない。それこそ、人間の脳に匹敵するくらいのね。私の予想だけど、アイにはハッキングの演算の手助けが出来るんじゃないかしら」
「え?そうなの?」
「そうです。私には、そういった機能も兼ね備えています。スーパーコンピューター並みです」
アイはそういうとウチとアスカの顔を交互に見つめては見つめている。もしかして…………褒めてもらいたい?
「へぇー!凄いじゃんアイ!」
そう言いながらアタシがアイの頭を撫でると表情は変えないものの、目を瞑り受け入れてくれた。
え?かわいい。ホントに人間と変わりないなぁ。
「ま、そういう感じよ。それに多分私たちの漁り活動の手助けも出来るんじゃない?人並みの力はあるでしょうし」
確かに…………。二人だと持てる荷物に限界があったりしたけど、三人ならだいぶ変わってくるかも!
「アイは、邪魔では無いでしょうか?」
「邪魔な訳無いじゃん!これからよろしくね!」
ウチはずっと箱の中で上半身を起こした体勢のままだったアイの手をぎゅっと掴み、新たなメンバーとして迎え入れる。
これからは三人で、『都市』を生き延びていくんだ――――――――――――
「ねぇアスカ。アイの事、『アイちゃん』呼びにしない?」
「賛成ね」
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