75 / 88
第75話 お嬢様。其処までしなくても
しおりを挟む
「では、互いの宣誓は終わったので、双方前へ」
オベランがそう言うと六人が前に出て来た。
ライアン達は訓練用の剣を持ちながら余裕そうな笑みを浮かべていた。
「お前も大変だな。面倒な主を持つと」
と全然そう思ってない様な口調で話しかけるのはラミレスであった。
「まぁ、これも自分の主の不明を恨むんだな」
そう言って笑い出すラミレス。
「おい。よさないか。主の不明だからと言って笑うのはどうかと思うぞ」
ダーマッドがラミレスを窘めた。
「だが、事実だ。リエリナ嬢はもっと賢い御方だと思っていたが、どんだ見掛け倒しだ」
ロイドは肩を竦めた。
それに同調するかのようにゴルドファも口を開いた。
「そうだな。まさか、従者一人に俺達の相手をさせるとはな」
ゴルドファの口調には嘲っている様に聞こえた。
「ふん。こんな茶番はさっさと終わらせて、カトリーヌと共にサロンに行かないとな」
ライアンも既に勝ったという顔をしていた。
「・・・・・・」
ライアン達が好き勝手に話している中、ザガードは無言であった。
「おい。何か行ったらどうだ?」
ザガードが何も言わないのでラミレスが話しかけるが、ザガードは何も言わなかった。
ラミレスは舌打ちをしたが、直ぐにこいつ内心怯えているのではと思った。
ラミレスへの対応から、他の四人もそう思った。
「私語は慎みうように。では、決闘を始める前にルールを説明する。今回の決闘はザガードがライアン王子達全員を戦闘不能又は気絶させれば勝利とするが、宜しいか?」
「・・・・・・(コクリ)」
ザガードは頭を縦に振った。
「ライアン王子達はザガードが戦闘不能又は気絶した場合を勝利とする。宜しいか?」
「ああ、それで構わない」
代表してライアンが答えた。
それを聞いてオベランは手を掲げる。
「では、これより決闘を行う。双方、構え」
ライアン達は剣を鞘から抜き放ったが、ザガードは鞘に納めたままであった。
だが、オベランは構わず手を振り下ろした。
「始め‼」
オベランが開始の宣言と同時にザガードは腰を落として駆け出した。
その反応の速さにライアン達は付いて行けなかった。
「はやいっ」
そう言い終わる頃にはザガードは五人を通り過ぎていた。
ザガードが五人を通り過ぎた時には、鞘に納まっていた剣は抜かれていた。
「覇極始天流抜刀術――――――『風牙一閃』」
ザガードは剣を振り落とすと同時に、ライアン達五人が持っていた剣が綺麗に真っ二つになった。
「「「「「えっ⁉」」」」」
驚きの声を上げると同時にライアン達が着ている服が横一文字に斬られていた。
服は切れていたが身体には傷は無かった。
その代わりに五人の腹には叩かれたと思われる跡があった。
五人はそれを見て倒れだした。
「これも決闘。不敬ですが許されよ」
ザガードは振り返る五人にそう言って刀を鞘に納めた。
「審判。王子達は戦闘不能の様ですが?」
「ああ、うむ。そうだな。勝負あり。勝者ザガード」
オベランがそう宣言すると、観客席からは喜びと悲哀の歓声が響いた。
皆口々に勝った事を喜んでいたり、王子達が負けた事に悲しんでいたりという反応であった。
ザガードはリエリナを探したが、観客席の何処を見回してもリエリナの姿は無かった。
更に言えばカトリーヌもローザアリア達の姿も無かった。
「よくやったわ。流石ね」
そう声を掛けるのはリエリナであった。
「これはお嬢様。何時の間に」
ザガードは驚きながらも一礼した。
何時の間にかアリーナにリエリナ達が居たのだから驚くのも当然であった。
更に言えば、何故かティルズ達男子生徒数人の姿もあった。
「あの、リエリナ嬢。俺達に何をする為に此処に?」
男子生徒の一人がリエリナに訊ねた。
「ちょっと手伝って欲しかったのよ。ザガードも手伝いなさい」
リエリナがそう言って何をするのだろうと皆思った。
数分後。それが何なのか分かった。
「ほら、ちゃんとやりなさい。じゃないと、ちゃんとした罰にならないでしょう」
「で、ですが」
「いいから、早くやりなさい」
「・・・・・・はい」
男子生徒とリエリナが話していた。
男子生徒は躊躇っていたが、リエリナは睨み付けると行動を開始した。
それは、絵を描いている様だ。
勿論描いているのはライアン達だ。
未だに気を失っているライアン達を仰向けにさせて、首にプラカードを下げていた。
『僕達、五人掛かりでリエリナの従者と決闘をしたけど負けました。見掛け倒しのボンクラです』
と書かれていた。
それを絵に描かれていた。
「これで、この人達は当分は大きな顔は出来ないでしょうね」
ホホホと上品に笑うリエリナ。
それを見て決闘場に居る者達は皆、リエリナの事を恐ろしい物を見るかのような目で見た。
それから、学校ではリエリナの事を『女帝』と呼ばれる様になった。
本人は何でそう言われるのは不思議そうであったが、その現場に居たザガードもやり過ぎだと思った。
オベランがそう言うと六人が前に出て来た。
ライアン達は訓練用の剣を持ちながら余裕そうな笑みを浮かべていた。
「お前も大変だな。面倒な主を持つと」
と全然そう思ってない様な口調で話しかけるのはラミレスであった。
「まぁ、これも自分の主の不明を恨むんだな」
そう言って笑い出すラミレス。
「おい。よさないか。主の不明だからと言って笑うのはどうかと思うぞ」
ダーマッドがラミレスを窘めた。
「だが、事実だ。リエリナ嬢はもっと賢い御方だと思っていたが、どんだ見掛け倒しだ」
ロイドは肩を竦めた。
それに同調するかのようにゴルドファも口を開いた。
「そうだな。まさか、従者一人に俺達の相手をさせるとはな」
ゴルドファの口調には嘲っている様に聞こえた。
「ふん。こんな茶番はさっさと終わらせて、カトリーヌと共にサロンに行かないとな」
ライアンも既に勝ったという顔をしていた。
「・・・・・・」
ライアン達が好き勝手に話している中、ザガードは無言であった。
「おい。何か行ったらどうだ?」
ザガードが何も言わないのでラミレスが話しかけるが、ザガードは何も言わなかった。
ラミレスは舌打ちをしたが、直ぐにこいつ内心怯えているのではと思った。
ラミレスへの対応から、他の四人もそう思った。
「私語は慎みうように。では、決闘を始める前にルールを説明する。今回の決闘はザガードがライアン王子達全員を戦闘不能又は気絶させれば勝利とするが、宜しいか?」
「・・・・・・(コクリ)」
ザガードは頭を縦に振った。
「ライアン王子達はザガードが戦闘不能又は気絶した場合を勝利とする。宜しいか?」
「ああ、それで構わない」
代表してライアンが答えた。
それを聞いてオベランは手を掲げる。
「では、これより決闘を行う。双方、構え」
ライアン達は剣を鞘から抜き放ったが、ザガードは鞘に納めたままであった。
だが、オベランは構わず手を振り下ろした。
「始め‼」
オベランが開始の宣言と同時にザガードは腰を落として駆け出した。
その反応の速さにライアン達は付いて行けなかった。
「はやいっ」
そう言い終わる頃にはザガードは五人を通り過ぎていた。
ザガードが五人を通り過ぎた時には、鞘に納まっていた剣は抜かれていた。
「覇極始天流抜刀術――――――『風牙一閃』」
ザガードは剣を振り落とすと同時に、ライアン達五人が持っていた剣が綺麗に真っ二つになった。
「「「「「えっ⁉」」」」」
驚きの声を上げると同時にライアン達が着ている服が横一文字に斬られていた。
服は切れていたが身体には傷は無かった。
その代わりに五人の腹には叩かれたと思われる跡があった。
五人はそれを見て倒れだした。
「これも決闘。不敬ですが許されよ」
ザガードは振り返る五人にそう言って刀を鞘に納めた。
「審判。王子達は戦闘不能の様ですが?」
「ああ、うむ。そうだな。勝負あり。勝者ザガード」
オベランがそう宣言すると、観客席からは喜びと悲哀の歓声が響いた。
皆口々に勝った事を喜んでいたり、王子達が負けた事に悲しんでいたりという反応であった。
ザガードはリエリナを探したが、観客席の何処を見回してもリエリナの姿は無かった。
更に言えばカトリーヌもローザアリア達の姿も無かった。
「よくやったわ。流石ね」
そう声を掛けるのはリエリナであった。
「これはお嬢様。何時の間に」
ザガードは驚きながらも一礼した。
何時の間にかアリーナにリエリナ達が居たのだから驚くのも当然であった。
更に言えば、何故かティルズ達男子生徒数人の姿もあった。
「あの、リエリナ嬢。俺達に何をする為に此処に?」
男子生徒の一人がリエリナに訊ねた。
「ちょっと手伝って欲しかったのよ。ザガードも手伝いなさい」
リエリナがそう言って何をするのだろうと皆思った。
数分後。それが何なのか分かった。
「ほら、ちゃんとやりなさい。じゃないと、ちゃんとした罰にならないでしょう」
「で、ですが」
「いいから、早くやりなさい」
「・・・・・・はい」
男子生徒とリエリナが話していた。
男子生徒は躊躇っていたが、リエリナは睨み付けると行動を開始した。
それは、絵を描いている様だ。
勿論描いているのはライアン達だ。
未だに気を失っているライアン達を仰向けにさせて、首にプラカードを下げていた。
『僕達、五人掛かりでリエリナの従者と決闘をしたけど負けました。見掛け倒しのボンクラです』
と書かれていた。
それを絵に描かれていた。
「これで、この人達は当分は大きな顔は出来ないでしょうね」
ホホホと上品に笑うリエリナ。
それを見て決闘場に居る者達は皆、リエリナの事を恐ろしい物を見るかのような目で見た。
それから、学校ではリエリナの事を『女帝』と呼ばれる様になった。
本人は何でそう言われるのは不思議そうであったが、その現場に居たザガードもやり過ぎだと思った。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢の心変わり
ナナスケ
恋愛
不慮の事故によって20代で命を落としてしまった雨月 夕は乙女ゲーム[聖女の涙]の悪役令嬢に転生してしまっていた。
7歳の誕生日10日前に前世の記憶を取り戻した夕は悪役令嬢、ダリア・クロウリーとして最悪の結末 処刑エンドを回避すべく手始めに婚約者の第2王子との婚約を破棄。
そして、処刑エンドに繋がりそうなルートを回避すべく奮闘する勘違いラブロマンス!
カッコイイ系主人公が男社会と自分に仇なす者たちを斬るっ!
ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!
クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。
ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。
しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。
ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。
そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。
国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。
樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】平凡な魔法使いですが、国一番の騎士に溺愛されています
空月
ファンタジー
この世界には『善い魔法使い』と『悪い魔法使い』がいる。
『悪い魔法使い』の根絶を掲げるシュターメイア王国の魔法使いフィオラ・クローチェは、ある日魔法の暴発で幼少時の姿になってしまう。こんな姿では仕事もできない――というわけで有給休暇を得たフィオラだったが、一番の友人を自称するルカ=セト騎士団長に、何故かなにくれとなく世話をされることに。
「……おまえがこんなに子ども好きだとは思わなかった」
「いや、俺は子どもが好きなんじゃないよ。君が好きだから、子どもの君もかわいく思うし好きなだけだ」
そんなことを大真面目に言う国一番の騎士に溺愛される、平々凡々な魔法使いのフィオラが、元の姿に戻るまでと、それから。
◆三部完結しました。お付き合いありがとうございました。(2024/4/4)
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる