悪役令嬢に恋した黒狼

正海広竜

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第86話 デートに誘った事が無い事に気付く

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 数日後。

 カルディアからローザアリアのスケジュールの情報が送られてきた。
 そのスケジュールを見て、ザガードが偶然に会ってさり気なく行動を供にするにはどうしたらいいか話し合った。
「この日なんか良いと思うわ」
「お嬢様。その日はパーティー用の服を仕立てる日ですので、恐らく護衛が付くと思います」
「言われてみればそうね」
「わたしはこの日が良いと思うのですが」
「駄目よ。其処は自分の分家と取り巻き達と一緒に茶会をする日だから、ザガード一人居たら変に思われるでしょう」
「じゃあ、わたしはこの日が良いと思うわ。何か買い物をする日でもなく、茶会をする訳でもなく、図書館で本を読むようだし」
「恐れながら、奥様。こういう場合は密かに護衛が付くと思います」
「それに、図書館だったら人目があるから探りを入れるのも難しいと思うわ。母様」
「う~ん。言われてみればそうね」

 頭を悩ませるリエリナ達。
 此処に何故、コウリーンまで加わっているのかと言うと、何処からかローザアリアとザガードがデートをすると聞いて、話に加わって来たの。
 事前にこれはローザアリアの家に探りを入れる為だと言ったのだが。
「でも、これがザードちゃんの初めてのデートなんでしょう。だったら、変な所に行かない様にちゃんと選ばないと駄目じゃない」
 と言うので始末であった。
 
 そう言われるとそうだなと思うリエリナ達。
 という事で、コウリーンを加えて何処でローザアリアと接触するか話し合う事となった。
 その席には当然、ザガードも加わっているのだが。
 三人はザガードそっちのけで話していた。
 普段からあまり騒がしくない三人なのだが姦しいと思うのは、ザガードは自分が男性だからだろうかと思う。
 
 しかし、このまま三人に任せても良い物かと思いザガードもスケジュールが書かれている紙を見る。
(・・・・・・うん? 此処は何だ?)
 スケジュールを端から端まで見ていると、特定の日になると二~三時間ほど何も書かれていない時間帯があった。
 別に決まった日という訳ではなく、ある日にポツンと空白になっている所があった。
 他の所はビッシリとスケジュールが書かれているので、余計に空白な所が目立っていた。
 気になるザガード。
 そして、その空白な所が明日のスケジュールの所にあった。
 ザガードは気になったので、その時間帯に休憩を貰う事にしようと決めた。
 この空白な所が何をしているのか分からないので、とりあえず何をするのか分かってから話した方が良いと思い
リエリナ達には言わなかった。


 そうと決めるとザガードはこっそりと部屋を出て、同僚のベルハルトの下に行く。
 日頃から親しくしているのと、ザガードが知っている中で女性に人気があるからだ。
 彼から教わった方が良いだろうと思った。
 女性を自然にデートに誘う方法を。
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