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20話 湖畔の迷宮 (別視点)
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◇アーサー・トード 帝国の騎士爵 20歳
俺の名はアーサー、元々は『フェイバンド王国』の騎士だった。
だが、王国は『バリステン帝国』の領土譲渡案を否定し、戦争となった。
巨大な帝国に小国のフェイバンド王国が勝てるわけがない。
俺と同じような気持ちの騎士は多かった。だから王国の鉱山都市が無血で占領されるのも当然の結果だ。
戦ったら多くの血が流れただろう。俺達の判断は正しかったのだ。
その後、重税で多くの死者が出たらしいが、俺達には関係ない。”帝国の騎士”である俺達にはな。
そしてしばらくして、俺はダンジョンマスターに選ばれた。
帝国の王都にも呼ばれ、一般騎士から騎士爵という貴族にもなれた。その時に与えられた『トード』って家名には思うところはあるが、貴族になれたのは俺の行いが正しかった証拠だ。
だがどうやら王国も生き残ったらしい。
なんでも王国の姫様がダンジョンマスターになったって話だ。
ダンジョンマスターになる前はやたらと騎士達の訓練場に顔を出して騎士達に声をかけていた美人なお姫様だ。その美貌と人気で王国の騎士団長になったってのは有名な話だな。
帝国は神に選ばれた存在が数多く存在する。つまり”神に認められた国”であるって大義名分のもと、他国への侵攻を繰り返してた。弱肉強食は世の常、当然の理だ。
だが、フェイバンド王国の姫が神に選ばれてしまった。”神に認められた国”を大義名分にしていた為、王国が我が国も”神に認められた国である”と声明を出したことで停戦状態となった。
領土のほとんどを失いながらも王国は辛うじて生き残ったのだ。
俺は帝国貴族として、王国のダンジョンマスターの討伐または懐柔を命じられた。
だからわざわざ声をかけてやったのに、あの女は俺の誘いを断りやがった。
顔付きが良いから今なら帝国騎士である俺の妻にしてやるって言ったのにフザケタ女だ。
だが、プレオープン期間が終わってあの女はDランクになっちまった。
俺は攻略こそされなかったが、冒険者共が入って来ないからFランクどまりだ。
この状況をどうにかする為に俺は動くことにした。
リストから適当な平民を見繕って俺の糧にしてやることに決めた。
家名もない平民だ、大したことも無い。だがEランクのダンジョンを攻略するのは時間がかかる。だからこその防衛戦だ。流石に不自然ゆえに断られるかと思ったが、やはり平民には考える頭などないのだ。
プレオープンにこそ間に合わなかったが、ようやく<産卵>で配下の魔物の数も増えた。
それに俺の配置したボスは侵入者に一度も負けてない。みな一撃で葬り去り、相手は逃げていくばかりだった。
更には俺の宝具の聖剣もある。これで平民なんぞに負ける訳がない!
◇
「それでは両者、準備はよろしいですか?」
「はい」「はい」
神の使いと名乗る目を閉じた天使の言葉に答える。
「では、決闘開始!」
神の使いの言葉でバトルが開始された。
俺は入り口を眺めると最初の侵入者が現れた。Fランクのホーンラビットだ。俺は思わず笑っちまった。
「ふんっ、やはり平民か、そんな魔物で俺の迷宮がクリアできるものか」
【湖畔の迷宮】はほとんどの階層が湖でできている。
陸地は曲がりくねった一本道だけだ。
その道を通れば俺の魔物である大量のEランク魔物『フロッグ』に襲われる。
こいつらはDランク『マザーフロッグ』の使う<産卵>で生まれた魔物だ。一度の<産卵>で300の卵を産むマザーフロッグだが欠点があった。月に一度しか使用できないのと、卵がなかなか孵らなかったのだ。
おかげで迷宮の魔物の数が増やせず、数多くの侵入者にボス部屋到達を許したが、それでも突破はされなかった。
大ボスと俺のチカラだけでプレオープンはしのぎ切ったのだ。
そうしてプレオープンが終わった頃に卵が孵った。成体の姿のままの大量のフロッグだ。
膨大な戦力を得た俺の迷宮が攻略されることはない!
そう思って画面を見ていると……
次々に入ってくる大量の虫の魔物達。
「な、なんなのだ! あの数は!?」
湖からの攻撃で何匹かのハチは撃墜したが、半透明な壁でフロッグの<水魔法>が遮られている。
更には水面へ顔を出したところを手が槍になっているハチに刺されてやられるフロッグも多い。
「ど、どうやってあれほどの数を…!?」
答えは自分で既に持っているとも気が付かない彼の元へ虫達が到達するのは時間の問題だった。
「クソッ! だが負けるものか! 俺には聖剣と…お前が居る! 行くぞ『ガウェイン』!」
そして【湖畔の迷宮】のダンジョンマスターは打って出ることを選んだのだ。
俺の名はアーサー、元々は『フェイバンド王国』の騎士だった。
だが、王国は『バリステン帝国』の領土譲渡案を否定し、戦争となった。
巨大な帝国に小国のフェイバンド王国が勝てるわけがない。
俺と同じような気持ちの騎士は多かった。だから王国の鉱山都市が無血で占領されるのも当然の結果だ。
戦ったら多くの血が流れただろう。俺達の判断は正しかったのだ。
その後、重税で多くの死者が出たらしいが、俺達には関係ない。”帝国の騎士”である俺達にはな。
そしてしばらくして、俺はダンジョンマスターに選ばれた。
帝国の王都にも呼ばれ、一般騎士から騎士爵という貴族にもなれた。その時に与えられた『トード』って家名には思うところはあるが、貴族になれたのは俺の行いが正しかった証拠だ。
だがどうやら王国も生き残ったらしい。
なんでも王国の姫様がダンジョンマスターになったって話だ。
ダンジョンマスターになる前はやたらと騎士達の訓練場に顔を出して騎士達に声をかけていた美人なお姫様だ。その美貌と人気で王国の騎士団長になったってのは有名な話だな。
帝国は神に選ばれた存在が数多く存在する。つまり”神に認められた国”であるって大義名分のもと、他国への侵攻を繰り返してた。弱肉強食は世の常、当然の理だ。
だが、フェイバンド王国の姫が神に選ばれてしまった。”神に認められた国”を大義名分にしていた為、王国が我が国も”神に認められた国である”と声明を出したことで停戦状態となった。
領土のほとんどを失いながらも王国は辛うじて生き残ったのだ。
俺は帝国貴族として、王国のダンジョンマスターの討伐または懐柔を命じられた。
だからわざわざ声をかけてやったのに、あの女は俺の誘いを断りやがった。
顔付きが良いから今なら帝国騎士である俺の妻にしてやるって言ったのにフザケタ女だ。
だが、プレオープン期間が終わってあの女はDランクになっちまった。
俺は攻略こそされなかったが、冒険者共が入って来ないからFランクどまりだ。
この状況をどうにかする為に俺は動くことにした。
リストから適当な平民を見繕って俺の糧にしてやることに決めた。
家名もない平民だ、大したことも無い。だがEランクのダンジョンを攻略するのは時間がかかる。だからこその防衛戦だ。流石に不自然ゆえに断られるかと思ったが、やはり平民には考える頭などないのだ。
プレオープンにこそ間に合わなかったが、ようやく<産卵>で配下の魔物の数も増えた。
それに俺の配置したボスは侵入者に一度も負けてない。みな一撃で葬り去り、相手は逃げていくばかりだった。
更には俺の宝具の聖剣もある。これで平民なんぞに負ける訳がない!
◇
「それでは両者、準備はよろしいですか?」
「はい」「はい」
神の使いと名乗る目を閉じた天使の言葉に答える。
「では、決闘開始!」
神の使いの言葉でバトルが開始された。
俺は入り口を眺めると最初の侵入者が現れた。Fランクのホーンラビットだ。俺は思わず笑っちまった。
「ふんっ、やはり平民か、そんな魔物で俺の迷宮がクリアできるものか」
【湖畔の迷宮】はほとんどの階層が湖でできている。
陸地は曲がりくねった一本道だけだ。
その道を通れば俺の魔物である大量のEランク魔物『フロッグ』に襲われる。
こいつらはDランク『マザーフロッグ』の使う<産卵>で生まれた魔物だ。一度の<産卵>で300の卵を産むマザーフロッグだが欠点があった。月に一度しか使用できないのと、卵がなかなか孵らなかったのだ。
おかげで迷宮の魔物の数が増やせず、数多くの侵入者にボス部屋到達を許したが、それでも突破はされなかった。
大ボスと俺のチカラだけでプレオープンはしのぎ切ったのだ。
そうしてプレオープンが終わった頃に卵が孵った。成体の姿のままの大量のフロッグだ。
膨大な戦力を得た俺の迷宮が攻略されることはない!
そう思って画面を見ていると……
次々に入ってくる大量の虫の魔物達。
「な、なんなのだ! あの数は!?」
湖からの攻撃で何匹かのハチは撃墜したが、半透明な壁でフロッグの<水魔法>が遮られている。
更には水面へ顔を出したところを手が槍になっているハチに刺されてやられるフロッグも多い。
「ど、どうやってあれほどの数を…!?」
答えは自分で既に持っているとも気が付かない彼の元へ虫達が到達するのは時間の問題だった。
「クソッ! だが負けるものか! 俺には聖剣と…お前が居る! 行くぞ『ガウェイン』!」
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