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33話 マスタースキル(別視点)
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◇ハヤミリア・フェイバンド 王国の第一王女 22歳
先月の5月末に22歳の誕生日を迎えました。
その時に婚期の遅れを心配するお手紙を両陛下より受け取りましたが、今はそれどころではありません。
複数のEランクの帝国貴族を打倒し、ある程度はフェイバンド王国の土台を作れたと思っていいでしょう。
しかし、今の所の帝国での評価は”弱くはないDランクの迷宮”という程度。
これを”帝国が打倒できない迷宮”という所まで押し上げねばなりません。
そのために必要なモノ、それが『同盟』です。
Dランク以上の帝国貴族の迷宮は、みなそれぞれ同盟を組んでいます。派閥か、ランクかで分かれて組んでいるとはいえ、複数の迷宮を一人で相手取るのは現実的ではありません。
なので同盟を申し込んではいるのですが、今のところ受けてくれるお相手はおりません。
「みんな意気地がないよねー」
「仕方ないわ『アオちゃん』、わざわざ巨大な帝国を相手取りたいという人は居ないもの」
「えー『ハヤミー』なら勝てるのにー」
「ふふっ、ありがとうアオちゃん」
わたくしの隣で陽気に喋るのは【六区の迷宮】の固有魔物である『イスラフィール』という天使です。
既に『名づけ』し『アオイ』という名前をあたえております。
純白の翼に水色の髪、そして綺麗な碧い瞳。それに因んで付けさせていただきました。
わたくしの迷宮には結構な高レベルの冒険者が訪れます。その誰もが帝国の冒険者な訳ですが、当然倒せば大量のDPを習得できます。
もちろん倒せたのは数えるほどで、ほとんど場合は撃退になっています。
これは『転移結晶』という名の、ダンジョンから即座に脱出できるアイテムの影響ですね。
水晶系の素材を使って作成されるそれは、決して安くはありませんが、高レベルになると死に戻る時のレベルの低下が激しいらしいですからね。高レベル冒険者には必須と言われるアイテムです。
ですが、数える程度の冒険者を倒しただけでもAランクの固有魔物を呼び、ネームド化できる程度にはDPが増えました。
更にはイスラフィールを召喚したことで、召喚できる割引の魔物の種類も増えました。具体的に言えば下位の天使の召喚が可能になったのです。
回復役を呼べるようになったのは大きく、わたくしのダンジョンは更に攻略の難しいダンジョンになりました。
Dランク故に九階層あり、現在の攻略最前線は六階層。そこを『ケルベロス』が守っている形です。
七階層には『転移魔方陣』を置かなくてはなりませんからね。絶対死守でお願いしております。ケルベロスの他に回復役としてBランク天使の『プリンシパリティ』とその部下としてDランク天使の『エンジェル』を数体配置しております。
三階層までは探査に時間がかかる程度の簡単な階層になっています。ウルフ達が奇襲してくるだけの階層ですね。
そんな訳でダンジョンの守りと人気はある程度は安定しまして、後の問題は『迷宮決闘』の『同盟戦』となった訳です。
同盟と戦うなら、こちらも同盟を組みたいのですが、やはり了承の返事はもらえません。
獣王国や共和国の方のダンジョンにも申請してみましたが、どちらも今の同盟で十分と言う回答です。
そんな時に複数の平民の方に出していた内の一つから返信がありました。
まともに戦えそうな平民の方は少なかったので、望み薄でしたが、なんとかお返事をいただけましたね。
「内容は…、なるほど、戦力は出してもいいですが、命は掛けられないと。当然の回答ですね」
「んー、でもー、勝利報酬については欲張りすぎゃなーい?」
「いえ、いくら矢面に立つのがわたくしとは言え。やはりわたくしに協力するという結果は変わりませんからね。その分の報酬を要求されているだけでしょう」
「後はどのくらい戦力をだしてくれるかだねー」
「わかっている戦力だけでも十分よ。EランクやDランクの魔物の数が多いダンジョンと言う情報はあるもの」
「ハヤミーの宝具のチカラ、すごいもんねー。うちのダンジョンだとあんまり数が確保できないから難しいけどー」
「ええ、だからこそ、数多くの魔物がいるというダンジョンを選んで申請しましたからね」
わたくしの賜った宝具『三味線』は内容としては素晴らしい宝具でした。
◇
分類:宝具
名前:三味線
効果:音楽を聴いた自軍の能力値が一段階上がる。歌を聴いた自軍の攻撃力が一定時間毎に上昇する。
音楽が聞こえなくなると効果が終了する。
◇
演奏し、歌を歌えば自軍の魔物達全員の強化が可能になるという宝具です。
欠点としてはわたくし自身も最前線に行き、更には演奏と歌を歌う必要があったため、少々危険でしたが、ほとんどの迷宮決闘を攻撃側でやらせていただけた事で、ステータスの差で押し切ることができました。
そして度重なる勝利で手に入れた大量のDPで、ダンジョンマスター限定のスキル『マスタースキル』を習得しました。
マスタースキルは既存のスキルには無いダンジョン特有のスキルだそうです。
【六区の迷宮】のマスタースキルの一覧がこちらです。
◇
マスタースキル
【200,000DP】音楽領域:自軍に音を伝える。
【320,000DP】音楽劇場:迷宮内に音楽を流す。
【550,000DP】終末の音色:音色を纏う。
◇
効果内容が抽象的、それでいて最低でも20万DPほどかかる高さ。
しかし、この一文だけでも、わたくしの宝具との相性はバツグン。
わたくしは貯め込んだDPを注ぎマスタースキルを習得しました。
◇
【200,000DP】音楽領域:自軍に音を伝える。
効果➀:使用者の発した音を自軍と認識している対象に伝える。
効果②:指定した眷属の聞いた音を聞くことが出来る。
◇
習得してダンジョンコアで効果の内容を見なければ、わからない。というのは考え物ですが、副次効果が付いているのは嬉しい誤算でした。
このスキルを習得したからこそ、同盟を組み、数を出してもらえれば戦えると踏んだわけです。
問題は同盟相手がどれほどの数を貸しくれるかどうか……
出来ればEランクでもいいので500体はほしいところです。
先月の5月末に22歳の誕生日を迎えました。
その時に婚期の遅れを心配するお手紙を両陛下より受け取りましたが、今はそれどころではありません。
複数のEランクの帝国貴族を打倒し、ある程度はフェイバンド王国の土台を作れたと思っていいでしょう。
しかし、今の所の帝国での評価は”弱くはないDランクの迷宮”という程度。
これを”帝国が打倒できない迷宮”という所まで押し上げねばなりません。
そのために必要なモノ、それが『同盟』です。
Dランク以上の帝国貴族の迷宮は、みなそれぞれ同盟を組んでいます。派閥か、ランクかで分かれて組んでいるとはいえ、複数の迷宮を一人で相手取るのは現実的ではありません。
なので同盟を申し込んではいるのですが、今のところ受けてくれるお相手はおりません。
「みんな意気地がないよねー」
「仕方ないわ『アオちゃん』、わざわざ巨大な帝国を相手取りたいという人は居ないもの」
「えー『ハヤミー』なら勝てるのにー」
「ふふっ、ありがとうアオちゃん」
わたくしの隣で陽気に喋るのは【六区の迷宮】の固有魔物である『イスラフィール』という天使です。
既に『名づけ』し『アオイ』という名前をあたえております。
純白の翼に水色の髪、そして綺麗な碧い瞳。それに因んで付けさせていただきました。
わたくしの迷宮には結構な高レベルの冒険者が訪れます。その誰もが帝国の冒険者な訳ですが、当然倒せば大量のDPを習得できます。
もちろん倒せたのは数えるほどで、ほとんど場合は撃退になっています。
これは『転移結晶』という名の、ダンジョンから即座に脱出できるアイテムの影響ですね。
水晶系の素材を使って作成されるそれは、決して安くはありませんが、高レベルになると死に戻る時のレベルの低下が激しいらしいですからね。高レベル冒険者には必須と言われるアイテムです。
ですが、数える程度の冒険者を倒しただけでもAランクの固有魔物を呼び、ネームド化できる程度にはDPが増えました。
更にはイスラフィールを召喚したことで、召喚できる割引の魔物の種類も増えました。具体的に言えば下位の天使の召喚が可能になったのです。
回復役を呼べるようになったのは大きく、わたくしのダンジョンは更に攻略の難しいダンジョンになりました。
Dランク故に九階層あり、現在の攻略最前線は六階層。そこを『ケルベロス』が守っている形です。
七階層には『転移魔方陣』を置かなくてはなりませんからね。絶対死守でお願いしております。ケルベロスの他に回復役としてBランク天使の『プリンシパリティ』とその部下としてDランク天使の『エンジェル』を数体配置しております。
三階層までは探査に時間がかかる程度の簡単な階層になっています。ウルフ達が奇襲してくるだけの階層ですね。
そんな訳でダンジョンの守りと人気はある程度は安定しまして、後の問題は『迷宮決闘』の『同盟戦』となった訳です。
同盟と戦うなら、こちらも同盟を組みたいのですが、やはり了承の返事はもらえません。
獣王国や共和国の方のダンジョンにも申請してみましたが、どちらも今の同盟で十分と言う回答です。
そんな時に複数の平民の方に出していた内の一つから返信がありました。
まともに戦えそうな平民の方は少なかったので、望み薄でしたが、なんとかお返事をいただけましたね。
「内容は…、なるほど、戦力は出してもいいですが、命は掛けられないと。当然の回答ですね」
「んー、でもー、勝利報酬については欲張りすぎゃなーい?」
「いえ、いくら矢面に立つのがわたくしとは言え。やはりわたくしに協力するという結果は変わりませんからね。その分の報酬を要求されているだけでしょう」
「後はどのくらい戦力をだしてくれるかだねー」
「わかっている戦力だけでも十分よ。EランクやDランクの魔物の数が多いダンジョンと言う情報はあるもの」
「ハヤミーの宝具のチカラ、すごいもんねー。うちのダンジョンだとあんまり数が確保できないから難しいけどー」
「ええ、だからこそ、数多くの魔物がいるというダンジョンを選んで申請しましたからね」
わたくしの賜った宝具『三味線』は内容としては素晴らしい宝具でした。
◇
分類:宝具
名前:三味線
効果:音楽を聴いた自軍の能力値が一段階上がる。歌を聴いた自軍の攻撃力が一定時間毎に上昇する。
音楽が聞こえなくなると効果が終了する。
◇
演奏し、歌を歌えば自軍の魔物達全員の強化が可能になるという宝具です。
欠点としてはわたくし自身も最前線に行き、更には演奏と歌を歌う必要があったため、少々危険でしたが、ほとんどの迷宮決闘を攻撃側でやらせていただけた事で、ステータスの差で押し切ることができました。
そして度重なる勝利で手に入れた大量のDPで、ダンジョンマスター限定のスキル『マスタースキル』を習得しました。
マスタースキルは既存のスキルには無いダンジョン特有のスキルだそうです。
【六区の迷宮】のマスタースキルの一覧がこちらです。
◇
マスタースキル
【200,000DP】音楽領域:自軍に音を伝える。
【320,000DP】音楽劇場:迷宮内に音楽を流す。
【550,000DP】終末の音色:音色を纏う。
◇
効果内容が抽象的、それでいて最低でも20万DPほどかかる高さ。
しかし、この一文だけでも、わたくしの宝具との相性はバツグン。
わたくしは貯め込んだDPを注ぎマスタースキルを習得しました。
◇
【200,000DP】音楽領域:自軍に音を伝える。
効果➀:使用者の発した音を自軍と認識している対象に伝える。
効果②:指定した眷属の聞いた音を聞くことが出来る。
◇
習得してダンジョンコアで効果の内容を見なければ、わからない。というのは考え物ですが、副次効果が付いているのは嬉しい誤算でした。
このスキルを習得したからこそ、同盟を組み、数を出してもらえれば戦えると踏んだわけです。
問題は同盟相手がどれほどの数を貸しくれるかどうか……
出来ればEランクでもいいので500体はほしいところです。
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