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しおりを挟む「おい、何で赤なんだ…」
「ん? カッコいいだろ」
「赤だとは思わなかった…」
何をそんなにショックを受けてんだ。
「結構高かったんだよな、これ」
「ライダースって言ったら、黒だと思うだろ」
「はあ? そりゃお前の勝手な思い込みだろ」
これだからヴィジュアル系は。これからの季節、俺のヘビロテ定番アイテムってヤツだぞ。
それなのに、こいつはがっくりと肩を落とす
「言ってくれたら、黒持って来た…」
「赤でいいだろ、別に」
そんなに問題あるか、これ。ないよな。
宵闇は俺の手からライダースジャケットを取ると、豹柄のシャツと黒いTシャツをかわるがわる合わせて見ている。テロテロのシャツは合わないってことか。
「…こっちの豹柄着てくれ」
「はいよ」
残りの2着を畳む宵闇を放っておいて、俺はさっさとスウェットの上下を脱ぎ捨てて着替える。あ、レザーパンツ、クロゼットにかけたままだな。
シャツだけ羽織ってクロゼットを覗きに行く。あれ、ねぇな。
どこ置いたかな。そのまま戻って来て、ベッドの横の椅子に放りっぱなしで重なってる服の山を探る。
「あったあった」
見つけ出して振り向くと、宵闇の目が天井を泳いでる。
…あ、ちょっと俺の露出が過ぎたか? こいつには刺激強かったか。そりゃ悪かった。
すぐにレザーパンツに足を通して、シャツのボタンをとめる。こいつが鼻血でも出しちゃかなわんからな。
「宵闇、シャツの裾は? 出す? 入れる?」
一回、横目でちらっと俺の姿を見て、ちゃんと着たのを確認すると、やっとこっちを向いた。
「出す。で、一回そのライダース羽織ってみてくれ」
「こうか?」
着てみせると、俺の頭からつま先まで何度も見る。そして、仕方なさそうに微笑む。
「ロック色強過ぎる気がするけど、まあ、お前っぽいか」
「ダサいってことか?」
「いや、カッコいいよ。大丈夫」
そう言うと、俺の胸元に手を伸ばしてボタンをはずす。
「これくらいは開けよう。それから、ネックレスとかは」
「持ってねぇ」
俺、アクセサリーも好きじゃねぇんだよな。全然興味ねぇ。ピアスのひとつもあいてないし。
「だと思った。してるの見たことないもんな」
宵闇は、ショップバッグから小さな袋をいくつか取り出す。
それを、順番に俺の顔と見比べる。
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