170 / 233
32-9
しおりを挟む
凄い。こんなもんが出来上がるのか。凄いしか出て来ねぇ。楽曲の方は、しつこいようだがミックスが平凡だ。だけど、映像がその迫力でそれを補って、かなり良く聴こえる。この両面が一体化したものが、ヴィジュアル系なのか。
「夕、綺麗だったな」
「は?」
感心してた俺の思考は、宵闇の一言で吹っ飛んだ。
何なんだお前は。こいつはこれを編集で散々見てるし、編集した張本人の一人だから改めて凄いとかは思わないのか。
っていうか! 散々映像全部見てて、何を改めて「夕、綺麗」なんだか。飽きないのか。しかも後半の俺、ヴィジュアル系としてあるまじきぐちゃぐちゃっぷりだぞ。
「綺麗だったよ?」
「はあー? ぐっちゃぐちゃだったじゃねえか。髪の毛めちゃめちゃ顔にはりついてたし」
「それでも綺麗なんだよな」
いやいやいや、それはただのお前の欲目であって、綺麗だったのは礼華だろ。最初から最後までタカラヅカ真っ青だったわ。
もうこいつ、ほっとこう。
「いい出来だな。曲もすげぇグレードアップして聴こえた」
「だろ? 公開したら反応楽しみだな」
これ、明日の21時公開予定だったな。ツイッターでも、楽しみにしてます、ってリプライをいくつももらってる。
「それよか、これコンテと全然違わねぇか?」
「かなり変えた。演奏シーンが思った以上に良かったから、メインをそっちに持ってったんだ」
「正解だな」
コンテでは、イメージシーンをメインに据えてあったんだけど、俺はこっちの方が好きだ。ベルノワールがどんなバンドなのかがよくわかる。
その分、編集作業は鬼のように大変だったろうな。残ってる部分もあるけど、ほぼゼロからの編集だ。
「おつかれさん。今晩はしっかり寝ろよ」
「そうする。今回はほんと疲れた」
笑う宵闇の目の下には、ちょっとクマがある。面構えとマッチしてて違和感ねぇけど、やっぱ疲れてんな。
手を伸ばしてクマのとこを撫でてやると、嬉しそうに頭を撫で返してきた。
「夕、綺麗だったな」
「は?」
感心してた俺の思考は、宵闇の一言で吹っ飛んだ。
何なんだお前は。こいつはこれを編集で散々見てるし、編集した張本人の一人だから改めて凄いとかは思わないのか。
っていうか! 散々映像全部見てて、何を改めて「夕、綺麗」なんだか。飽きないのか。しかも後半の俺、ヴィジュアル系としてあるまじきぐちゃぐちゃっぷりだぞ。
「綺麗だったよ?」
「はあー? ぐっちゃぐちゃだったじゃねえか。髪の毛めちゃめちゃ顔にはりついてたし」
「それでも綺麗なんだよな」
いやいやいや、それはただのお前の欲目であって、綺麗だったのは礼華だろ。最初から最後までタカラヅカ真っ青だったわ。
もうこいつ、ほっとこう。
「いい出来だな。曲もすげぇグレードアップして聴こえた」
「だろ? 公開したら反応楽しみだな」
これ、明日の21時公開予定だったな。ツイッターでも、楽しみにしてます、ってリプライをいくつももらってる。
「それよか、これコンテと全然違わねぇか?」
「かなり変えた。演奏シーンが思った以上に良かったから、メインをそっちに持ってったんだ」
「正解だな」
コンテでは、イメージシーンをメインに据えてあったんだけど、俺はこっちの方が好きだ。ベルノワールがどんなバンドなのかがよくわかる。
その分、編集作業は鬼のように大変だったろうな。残ってる部分もあるけど、ほぼゼロからの編集だ。
「おつかれさん。今晩はしっかり寝ろよ」
「そうする。今回はほんと疲れた」
笑う宵闇の目の下には、ちょっとクマがある。面構えとマッチしてて違和感ねぇけど、やっぱ疲れてんな。
手を伸ばしてクマのとこを撫でてやると、嬉しそうに頭を撫で返してきた。
0
あなたにおすすめの小説
先生
藤谷 郁
恋愛
薫は28歳の会社員。
町の絵画教室で、穏やかで優しい先生と出会い、恋をした。
ひとまわりも年上の島先生。独身で、恋人もいないと噂されている。
だけど薫は恋愛初心者。
どうすればいいのかわからなくて……
※他サイトに掲載した過去作品を転載(全年齢向けに改稿)
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
幼き改革者、皇孫降臨 〜三歳にして朝廷を震わせる〜
由香
キャラ文芸
瑞栄王朝の皇孫・凌曜は、わずか三歳。
泣かず、騒がず、ただ静かに周囲を見つめる幼子だった。
しかしその「無邪気な疑問」は、後宮の不正を暴き、腐敗した朝廷を揺るがしていく。
皇帝である祖父の絶対的な溺愛と後ろ盾のもと、血を流すことなく失脚者を生み、国の歪みを正していく凌曜。
やがて反改革派の最後の抵抗を越え、彼は“決める者”ではなく、“問い続ける存在”として朝廷に立つ。
これは、剣も権謀も持たぬ幼き改革者が、「なぜ?」という一言で国を変えていく物語。
『【朗報】ボッチの僕、実は世界一の財閥の御曹司だった。〜18年の庶民修行を終えた瞬間、美少女11人が「専属秘書」として溺愛してくる件〜』
まさき
青春
「あんたみたいなボッチ、一生底辺のまま卒業ね」
学園の女王、高飛車な生徒会長、そして冷徹な美少女たち……。
天涯孤独でボッチな僕、佐藤(※苗字のみ使用)は、彼女たちからゴミを見るような目で見られ、虐げられる日々を送っていた。
だが、彼らには決して言えない秘密があった。
それは、僕が世界一の資産を誇る**『世界最強財閥』の唯一の跡継ぎであること。
そして、18歳になるまで一切の援助を受けずに生き抜く【庶民修行】**の最中であること。
そして運命の誕生日、午前0時。
修行終了を告げる通知がスマホに届いた瞬間、僕の世界は一変する。
「おめでとうございます、お坊ちゃま。これより『11人の専属秘書候補』による、真の主従関係を開始いたします」
昨日まで僕を蔑んでいた学園の美少女たちが、手のひらを返して膝をつく。
彼女たちの正体は、財閥が僕のために選りすぐった、愛が重すぎるエリート秘書たちだった――。
「ずっとおそばでお仕えしたかったんです……」
「昨日までの暴言は、修行を完遂させるための演技。今日からは全身全霊で甘やかさせていただきますね?」
24時間体制の過保護な奉仕、競い合うような求愛、そして財力による圧倒的なざまぁ。
ボッチだった僕の日常は、11人の美女たちに全肯定され、溺愛し尽くされる甘すぎる生活へと塗り替えられていく。
手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】
まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と…
「Ninagawa Queen's Hotel」
若きホテル王 蜷川朱鷺
妹 蜷川美鳥
人気美容家 佐井友理奈
「オークワイナリー」
国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介
血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…?
華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母の雪江は、大学教授であり著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―
MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」
「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」
失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。
46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。
ソツのない彼氏とスキのない彼女
吉野 那生
恋愛
特別目立つ訳ではない。
どちらかといえば地味だし、バリキャリという風でもない。
だけど…何故か気になってしまう。
気がつくと、彼女の姿を目で追っている。
***
社内でも知らない者はいないという程、有名な彼。
爽やかな見た目、人懐っこく相手の懐にスルリと入り込む手腕。
そして、華やかな噂。
あまり得意なタイプではない。
どちらかといえば敬遠するタイプなのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる