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しおりを挟む歩きながら返信を済ませる。ほんと、すげぇな。もう俺のファンだって言ってくれる人がいる。今までだったら「顔だけかよ」って軽視したけど、今は素直にありがたいし、大切だと思う。まだよくわからん存在の俺を、ベルノワールのメンバーだって認めてくれてるんだ。ライブで、音源で、がっかりさせないようにしよう。その気持ちを無駄にしないようにしよう。リプライだけじゃなく、いいねを押してくれる人もな。これからの活動で、もっともっと、音も楽しんでもらおう。
宵闇のマンションに着いて、入口のパネルで部屋番号を入力する。
「夕?」
宵闇の声がスピーカー越しに聞こえる。
「ああ、俺」
「上がって来て」
呑気そうな、ゆったりした声。リラックスしてんのかな。バタバタはしてなさそうだ。
「はいよー」
返事をすると、自動ドアが開く。エレベーターで5階まで。部屋番号を見ながら廊下を行くと、あった、宵闇の部屋。ドアノブに手をかけようとした途端、急にドアが開いた。
「わっ」
びっくりして声が出る。
「うわっ」
同時に宵闇も声を上げる。一瞬顔を見合わせて、吹き出す。
「何だよもう! 何で俺が着いたのがわかんだよ」
「違う、わかるかなって思って迎えに行こうと」
「部屋番号わかってんだから、見てきゃわかるよ」
ここ来るの、そういえば酔い潰れた日以来だ。俺、よく部屋番号覚えてたな。
「そっか。まあほら、入ってよ」
「うぃーす。ほい、カレー」
招き入れられて、玄関でスニーカーを脱ぐ。宵闇は俺からカレーを受け取って、LDKに通してくれた。
「カレー美味そう、ありがとな」
「俺も今から飯だったし、ちょうどよかったよ」
テーブルの前に座り、カレーを袋から出す。宵闇はウォーターサーバーで水を汲んで来て、俺の隣に座った。
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