今夜のご飯も一緒に食べよう~ある日突然やってきたヒゲの熊男はまさかのスパダリでした~

松本尚生

文字の大きさ
27 / 58
5、優しくって、ひどいひと

セカンド・バージン

しおりを挟む
 初めてじゃ、ない。

 久しぶりではあるけれど、想像できないほど未知じゃない。

「あいつ」以外の人間が初めてだってだけで。

「瞬」

 伸幸が腕を伸ばしていた。瞬はその手を取りふとんに膝をついた。

 ふふっと笑って伸幸は手を引いた。瞬の身体はこてんと伸幸の胸に転がりこんだ。

(あれ……?)

 伸幸は瞬の身体に腕を回し、凹凸を楽しむように背骨のラインを指でたどった。

「ん……っ」

 瞬はその感触に軽くけいれんして身をそらした。

 伸幸の目の前で誘惑するようにふるえる、瞬の突起。

「ホント、かわいいな。感動する」

 伸幸は瞬の誘惑に乗ったように、目の前でふるえる突起にしゃぶりつき、瞬ののどから感きわまった声を出させた。

 同時に、背を下っていった伸幸の指は。

「あっ」

 瞬の秘密の部分にたどりついた。

 伸幸の指は、意外なほど繊細に動いた。

 丁寧に、慎重に、優しく、秘密の部分に入りこみ、粘膜の感触をさぐりながら分け入って。

「う……」

 その感覚に瞬はおもわずうめき声を漏らしてしまった。

「痛い?」

 伸幸は指を止めた。

 瞬は必死に首を振った。

「じゃあ、動かすよ」

 伸幸は再開した。

 ぬるぬるとさぐられるのが気持ちよくて、おかしくなりそうだ。

 しばらく誰にも許していなかったそこは、覚悟したほどの痛みもなく瞬は驚いた。

 苦痛なく快楽にたどりつけた経験は、行為が日常的だった頃もあまりなかったからだ。

 意識が飛ぶ前に瞬は言った。 

「あんた、早くないか」

「なにが」

「……見つけるのがだよ」

「ああ」

 伸幸はのどの奥で軽く笑った。

「……ここ?」

「あ」

 伸幸は情熱的にその指を動かした。

「こうされると、気持ちイイ?」

 瞬は返事をする余裕もない。うなずく代わりに身をよじった。

「瞬……」

「……なに……」

 伸幸はいっときも指を止めることなく、優しく瞬をうながした。

「声……出して……ガマンしないで」

「伸幸……さん……」

 伸幸は少しずつ瞬を押しひらき、ゆるめていった。

 こらえきれなくなった瞬がそれをせがんでしまう寸前に、伸幸はさぐっていた指を引き抜いた。

「痛かったら言って」

「言ったらやめるのかよ」

「……うーん」

 伸幸は腰を少し止めた。

「ムリかな」

「じゃ、聞いてんじゃねえよ」

「ふふ……」

 瞬がいちいち毒づくのは、恥ずかしさを隠すためだ。

 男の自分が、伸幸にあれこれされて、あんあん泣き叫んでしまうなんて、恥ずかしくて耐えられない。

 伸幸は瞬の秘密の部分に押し当てて、ゆるめたそこの入り口を確かめた。

「入れるよ」

 瞬は受諾のしるしに小さくうなずいた。

 瞬の許しを待って、伸幸は身体を深く進めた。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

ちっちゃな婚約者に婚約破棄されたので気が触れた振りをして近衛騎士に告白してみた

BL
第3王子の俺(5歳)を振ったのは同じく5歳の隣国のお姫様。 「だって、お義兄様の方がずっと素敵なんですもの!」 俺は彼女を応援しつつ、ここぞとばかりに片思いの相手、近衛騎士のナハトに告白するのだった……。

転生DKは、オーガさんのお気に入り~姉の婚約者に嫁ぐことになったんだが、こんなに溺愛されるとは聞いてない!~

トモモト ヨシユキ
BL
魔物の国との和議の証に結ばれた公爵家同士の婚約。だが、婚約することになった姉が拒んだため6男のシャル(俺)が代わりに婚約することになった。 突然、オーガ(鬼)の嫁になることがきまった俺は、ショックで前世を思い出す。 有名進学校に通うDKだった俺は、前世の知識と根性で自分の身を守るための剣と魔法の鍛練を始める。 約束の10年後。 俺は、人類最強の魔法剣士になっていた。 どこからでもかかってこいや! と思っていたら、婚約者のオーガ公爵は、全くの塩対応で。 そんなある日、魔王国のバーティーで絡んできた魔物を俺は、こてんぱんにのしてやったんだが、それ以来、旦那様の様子が変? 急に花とか贈ってきたり、デートに誘われたり。 慣れない溺愛にこっちまで調子が狂うし! このまま、俺は、絆されてしまうのか!? カイタ、エブリスタにも掲載しています。

借金のカタに同居したら、毎日甘く溺愛されてます

なの
BL
父親の残した借金を背負い、掛け持ちバイトで食いつなぐ毎日。 そんな俺の前に現れたのは──御曹司の男。 「借金は俺が肩代わりする。その代わり、今日からお前は俺のものだ」 脅すように言ってきたくせに、実際はやたらと優しいし、甘すぎる……! 高級スイーツを買ってきたり、風邪をひけば看病してくれたり、これって本当に借金返済のはずだったよな!? 借金から始まる強制同居は、いつしか恋へと変わっていく──。 冷酷な御曹司 × 借金持ち庶民の同居生活は、溺愛だらけで逃げ場なし!? 短編小説です。サクッと読んでいただけると嬉しいです。

ジャスミン茶は、君のかおり

霧瀬 渓
BL
アルファとオメガにランクのあるオメガバース世界。 大学2年の高位アルファ高遠裕二は、新入生の三ツ橋鷹也を助けた。 裕二の部活後輩となった鷹也は、新歓の数日後、放火でアパートを焼け出されてしまう。 困った鷹也に、裕二が条件付きで同居を申し出てくれた。 その条件は、恋人のフリをして虫除けになることだった。

前世が教師だった少年は辺境で愛される

結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。 ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。 雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。

地味メガネだと思ってた同僚が、眼鏡を外したら国宝級でした~無愛想な美人と、チャラ営業のすれ違い恋愛

中岡 始
BL
誰にも気づかれたくない。 誰の心にも触れたくない。 無表情と無関心を盾に、オフィスの隅で静かに生きる天王寺悠(てんのうじ・ゆう)。 その存在に、誰も興味を持たなかった――彼を除いて。 明るく人懐こい営業マン・梅田隼人(うめだ・はやと)は、 偶然見た「眼鏡を外した天王寺」の姿に、衝撃を受ける。 無機質な顔の奥に隠れていたのは、 誰よりも美しく、誰よりも脆い、ひとりの青年だった。 気づいてしまったから、もう目を逸らせない。 知りたくなったから、もう引き返せない。 すれ違いと無関心、 優しさと孤独、 微かな笑顔と、隠された心。 これは、 触れれば壊れそうな彼に、 それでも手を伸ばしてしまった、 不器用な男たちの恋のはなし。

僕の恋人は、超イケメン!!

BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?

刺されて始まる恋もある

神山おが屑
BL
ストーカーに困るイケメン大学生城田雪人に恋人のフリを頼まれた大学生黒川月兎、そんな雪人とデートの振りして食事に行っていたらストーカーに刺されて病院送り罪悪感からか毎日お見舞いに来る雪人、罪悪感からか毎日大学でも心配してくる雪人、罪悪感からかやたら世話をしてくる雪人、まるで本当の恋人のような距離感に戸惑う月兎そんなふたりの刺されて始まる恋の話。

処理中です...