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1、8月、駅で出会った子猫を救う――それと夏の記憶

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 階下で何か不審な物音がしないか、時折耳を澄まして横になっていると、いつもは思い出さない昔のことを思い出す。

 貴広は何度目かの寝返りを打った。

 階下からは何の物音もしなかった。
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