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第一章 魔術学校編
第17話 星影魔術
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昼からは午前中に行っていなかった生徒の実力試しの時間になった。
あと数人と言ったところで、ミラはまだのようだ。
「僕の出番はまだかい?」
「ミラさんのはいちばん地味だからね……」
(あっ……)
レントは察した。
これは最後だな、と。
「まぁ、僕の魔術は防御に特化してるから仕方ないね。でも僕がトリなのか……」
「がんば」
レントはとりあえず口だけでも応援しておいた。
期待はしていない。
防御特化ではやれることも少ないだろう。
「ふ……ふっ、見ててくれたまえよ。きっと驚くことになるだろう」
どうやら自信はあるようだ。
米粒くらいは期待してもいいかもしれない。
そうして生徒が次々と披露していく中、1人目立った魔術を使う者がいた。
『火魔術火炎弾』
『水魔術水球弾』
右手と左手で別属性の魔術を使って見せたのだ。
そのままその2つの弾は手元で合体し、的に目掛けて飛んでいく。
(しかし、あれではそんなに威力はない?)
そう、見ただけでは魔力もそんなに注いでなく使った魔術も基本的な弾魔術だ。
数ある魔術の中でも別段威力が低い魔術だ。
そのまま的に当たると、勢いよく爆発した。
「えっ!?」
想定外の威力にレントはビックリしていると、やはりと言うべきか的は無事だった。
(そうか、水蒸気爆発か。そういえば水の魔力を纏った時も同じ現象が起きるな……)
「おぉ! 二重魔術の使い手でしたね。アイリ・フレイマリンさん」
「うん! 火と水が使えるんだよ。そして、こう!」
続いてアイリは1つの魔術を放った。
『火水魔術爆流炎焦波』
混属魔術と言われる技術だ。
2つの魔術を使う者がそんなに居ない上、混属魔術も使える者となるとかなり限られた人になる。
放った魔術は周囲10mの範囲に炎と水の波を発生させた。
面白いことにそこから先は突如無くなったかのように消えているのだ。
そのためが炎で温められた風と水で冷やされた風のみがレント達を扇ぐ。
これで終わったのかアンリはこちらに戻ってきてミラに一声掛けた。
「次だって」
「ん? では行こう」
ミラが意気揚々と校庭の中心に立つと、地面に手を着いた。
「では始めます」
「はい、どうぞ」
先生に開始の許可を貰うとミラは魔術を解き放った。
『天魔術地動回天』
その声と共に地面が大きく揺れる。
(天魔術なのに地面に干渉する魔術……?)
地を扱う魔術は魔物のみが使える地魔術のみのはずだ。
ライゴウの地割れは攻撃の結果に過ぎない。
しかし、これでは……
「ふぅ……」
「説明をお願いできますか? ミラさん」
了解したミラはこの魔術について解説を始める。
「これは聞いてたように天魔術だよ。紛うことなきね。でもね、地面だって天の一部なんだ。天を中心に地があるんだ。だったら地面だって使えてもおかしくは無いよ」
いや、それはおかしい。
地面に干渉するのは地魔術の専売特許だ、これは揺るぎない事実なのだ。
レントは試しに地面に魔力を流してみる。
──やはりレントはいくらやっても地面にある影を動かすくらいで、地面など動きそうにもない。
「いいかい? レントくん! これは天の中に地があるから出来ることなんだ。言うならば天という大きな枠組みの中に地があるんだよ」
「ん?てことは天魔術は全ての魔術が使えないとおかしくないか?」
その理論だと天の下、火だって水だって雷も風も影もあるはずだ。
「うぅんと、これは説明が難しいんだけど……。今言った影以外は天の中の地の中にあるんだ」
ということは『天>地>影以外』となるということか。
「天は地を含んでるから少しだけなら使えるんだよ。まぁ、地魔術には足元にも及ばないけどね」
「僕の使う影魔術は相反する属性だからってことか」
そう! とミラは一旦会話を締めると今度は防御魔術をするようだ。
ティル先生は分かっていたようでうんうんと満足げのある表情をしている。
それもそうか、ミラのような子供ができて大人ができないはずは無いしね。
「じゃあ、展開したら攻撃をお願いします」
「わかりました」
そう言うと今度は手を天に掲げて魔術を使う。
『天魔術天動結界』
たちまちミラの周りに光の壁ができ始めた。
その壁はミラの四方だけでなく、天井まで覆ったようで穴は無さそうだ。
「では、いきます」
『精霊魔術霊の共振』
全周囲の壁を作ったミラに対抗し、ティル先生は負けじと全方位攻撃魔術を使ったようだ。
その魔術により全方位への音の攻撃を放つ。
あの壁は音のような見えず触れれない物も防げるのだろうか。
少なくともレントにそれを防ぐ手段は無い。
────ギャギャギャギャギャ
甲高い音が鳴り、ミラの周りを囲う壁がすごい音を立てる。
「僕の防御魔術は物理や魔術全てを防ぐんだよ。もちろん音のようなものもね」
ミラは自信があるようでだいぶ油断していた。
でも大丈夫だろうか。すごい音が鳴っているけど……。
「結構硬そうですね。では威力を上げましょう」
──ギャリギャリギャリギャリ
甲高いというかもはや削り取るような音すら聞こえてくる。
ここまでいくと耳が痛くなり、生徒みんなは耳を塞いでいた。
「あっ……ちょっ!」
ミラは余裕がなくなったようで必死に壁を維持している。
「はい、十分です」
その声は終わりを告げ、魔術は止まる。
ふぅ、と安心したミラは魔術を解除するとこちらに戻ってきた。
「なんか僕の時だけ厳しくなかったかい?」
「そうかな?」
レントはそんなこと思わなかった。
防御魔術では、その力は実際に攻撃を受けてみないと分からないものだ。
「まぁ、そうだね」
少し会話を楽しんでいると、ティル先生が戻ってきてまとめ始めた。
「はい、これで全員ですね。これで明日からの内容を決められます。協力ありがとうございました」
そう締めくくった先生は、時計を確認すると締めにかかる。
「……では、時間のようなので今日はこれで解散します。このまま直帰してもいいですし残って自主練習しても構いません」
その声が終わり次第、生徒達はバラバラになりほとんどが部屋に帰っていった。
「僕も帰るか……」
「レントさんは待ってください」
忘れてなかったか……とレントが残念そうな顔をしていると
「別に叱ろうという訳では無いんですよ、後で必ず来てくださいね」
「……わかりました」
叱られることはないだろうとは思ってはいたが、それとは別で行く気にならないのだ。
「絶対あの魔術だよなぁ、はぁ……」
見せたのは自分なので渋々ではあるが自業自得である。
大人しくレントは教員室へと向かった。
「来ましたね、レントさん」
「大人しく来ました」
はい、よく来ました。とティル先生が席を立つとまだ教員の居る状態で声を張る。
「レントさんが我々の知らない魔術を見せてくれましてね。ぜひ説明をしてもらおうかと!」
やはり、その事だった。
こればかりは仕方ないと諦めることにした。
と、その声につられてやってきたのは隣のクラスの担任であるヴェール先生だ。
「はじめまして、でいいかな。レントくん? 私はヴェール。君のクラスとは隣だから見かけることもあるだろう」
軽く自己紹介をされたので会釈を返すと、興奮冷めきらないようで話を続けた。
「で? 見たことない魔術だって? ここでも使えるかい?」
「あ、はい。範囲を最小にすれば何とか……」
自分の腕くらいのサイズなら問題ないだろう、と判断したレントは先とは違う魔術を披露する。
触れないでくださいね?と前置きをし、
『星影魔術│穹歪針《ヘリアニードル》』
立てた人差し指の上に爪楊枝ほどの針を出現させる。
ヴェール先生は触ろうと手を差し出した。
「危ない!」
レントは急いで魔術を解除して手を引っ込めた。
「何するんですか」
「だ、だって知らない魔術が目の前に」
ハァハァと興奮しているヴェール先生だが、流石にこれに触れるのはオススメしない。
「これに触れたら大変なことになりますよ……。まず、触れるだけで触れたものの空間が歪んでしまいます。その状態になるとたとえ回復魔術を使ったとしても元に戻りませんし、僕も戻せません」
ひぇっ……とヴェール先生やティル先生、その他見ている先生の顔が青くなる。
「言うなればその歪んだ状態が正常にしてしまうんです。そして、これが刺さると触れた時のようにまず歪みます。その後に……」
先生たちの喉がゴクリと音を立てる。
溜めに溜めたレントはその効果を先生たちに教える。
────刺さっている間は地魔術の使用が出来なくなります。
実を言うと刺さったからと言って、歪むだけでそれ以上の効果は人族なら無いものだ。
ただ、歪んだものはそのまま一生治らないのだ。
それらの解説をして解放されたレントは、部屋に戻ることにした。
その戻る最中、廊下でアンリと出会い夕飯の時間だとしり食堂へと向かう。
「なんで呼ばれてたの?」
「いやぁ、ちょっと魔術の話を、ね」
「ふぅん?」
深くは聞かれなくて助かったレントは、せめてもと夕飯一品を奢ることにした。
あと数人と言ったところで、ミラはまだのようだ。
「僕の出番はまだかい?」
「ミラさんのはいちばん地味だからね……」
(あっ……)
レントは察した。
これは最後だな、と。
「まぁ、僕の魔術は防御に特化してるから仕方ないね。でも僕がトリなのか……」
「がんば」
レントはとりあえず口だけでも応援しておいた。
期待はしていない。
防御特化ではやれることも少ないだろう。
「ふ……ふっ、見ててくれたまえよ。きっと驚くことになるだろう」
どうやら自信はあるようだ。
米粒くらいは期待してもいいかもしれない。
そうして生徒が次々と披露していく中、1人目立った魔術を使う者がいた。
『火魔術火炎弾』
『水魔術水球弾』
右手と左手で別属性の魔術を使って見せたのだ。
そのままその2つの弾は手元で合体し、的に目掛けて飛んでいく。
(しかし、あれではそんなに威力はない?)
そう、見ただけでは魔力もそんなに注いでなく使った魔術も基本的な弾魔術だ。
数ある魔術の中でも別段威力が低い魔術だ。
そのまま的に当たると、勢いよく爆発した。
「えっ!?」
想定外の威力にレントはビックリしていると、やはりと言うべきか的は無事だった。
(そうか、水蒸気爆発か。そういえば水の魔力を纏った時も同じ現象が起きるな……)
「おぉ! 二重魔術の使い手でしたね。アイリ・フレイマリンさん」
「うん! 火と水が使えるんだよ。そして、こう!」
続いてアイリは1つの魔術を放った。
『火水魔術爆流炎焦波』
混属魔術と言われる技術だ。
2つの魔術を使う者がそんなに居ない上、混属魔術も使える者となるとかなり限られた人になる。
放った魔術は周囲10mの範囲に炎と水の波を発生させた。
面白いことにそこから先は突如無くなったかのように消えているのだ。
そのためが炎で温められた風と水で冷やされた風のみがレント達を扇ぐ。
これで終わったのかアンリはこちらに戻ってきてミラに一声掛けた。
「次だって」
「ん? では行こう」
ミラが意気揚々と校庭の中心に立つと、地面に手を着いた。
「では始めます」
「はい、どうぞ」
先生に開始の許可を貰うとミラは魔術を解き放った。
『天魔術地動回天』
その声と共に地面が大きく揺れる。
(天魔術なのに地面に干渉する魔術……?)
地を扱う魔術は魔物のみが使える地魔術のみのはずだ。
ライゴウの地割れは攻撃の結果に過ぎない。
しかし、これでは……
「ふぅ……」
「説明をお願いできますか? ミラさん」
了解したミラはこの魔術について解説を始める。
「これは聞いてたように天魔術だよ。紛うことなきね。でもね、地面だって天の一部なんだ。天を中心に地があるんだ。だったら地面だって使えてもおかしくは無いよ」
いや、それはおかしい。
地面に干渉するのは地魔術の専売特許だ、これは揺るぎない事実なのだ。
レントは試しに地面に魔力を流してみる。
──やはりレントはいくらやっても地面にある影を動かすくらいで、地面など動きそうにもない。
「いいかい? レントくん! これは天の中に地があるから出来ることなんだ。言うならば天という大きな枠組みの中に地があるんだよ」
「ん?てことは天魔術は全ての魔術が使えないとおかしくないか?」
その理論だと天の下、火だって水だって雷も風も影もあるはずだ。
「うぅんと、これは説明が難しいんだけど……。今言った影以外は天の中の地の中にあるんだ」
ということは『天>地>影以外』となるということか。
「天は地を含んでるから少しだけなら使えるんだよ。まぁ、地魔術には足元にも及ばないけどね」
「僕の使う影魔術は相反する属性だからってことか」
そう! とミラは一旦会話を締めると今度は防御魔術をするようだ。
ティル先生は分かっていたようでうんうんと満足げのある表情をしている。
それもそうか、ミラのような子供ができて大人ができないはずは無いしね。
「じゃあ、展開したら攻撃をお願いします」
「わかりました」
そう言うと今度は手を天に掲げて魔術を使う。
『天魔術天動結界』
たちまちミラの周りに光の壁ができ始めた。
その壁はミラの四方だけでなく、天井まで覆ったようで穴は無さそうだ。
「では、いきます」
『精霊魔術霊の共振』
全周囲の壁を作ったミラに対抗し、ティル先生は負けじと全方位攻撃魔術を使ったようだ。
その魔術により全方位への音の攻撃を放つ。
あの壁は音のような見えず触れれない物も防げるのだろうか。
少なくともレントにそれを防ぐ手段は無い。
────ギャギャギャギャギャ
甲高い音が鳴り、ミラの周りを囲う壁がすごい音を立てる。
「僕の防御魔術は物理や魔術全てを防ぐんだよ。もちろん音のようなものもね」
ミラは自信があるようでだいぶ油断していた。
でも大丈夫だろうか。すごい音が鳴っているけど……。
「結構硬そうですね。では威力を上げましょう」
──ギャリギャリギャリギャリ
甲高いというかもはや削り取るような音すら聞こえてくる。
ここまでいくと耳が痛くなり、生徒みんなは耳を塞いでいた。
「あっ……ちょっ!」
ミラは余裕がなくなったようで必死に壁を維持している。
「はい、十分です」
その声は終わりを告げ、魔術は止まる。
ふぅ、と安心したミラは魔術を解除するとこちらに戻ってきた。
「なんか僕の時だけ厳しくなかったかい?」
「そうかな?」
レントはそんなこと思わなかった。
防御魔術では、その力は実際に攻撃を受けてみないと分からないものだ。
「まぁ、そうだね」
少し会話を楽しんでいると、ティル先生が戻ってきてまとめ始めた。
「はい、これで全員ですね。これで明日からの内容を決められます。協力ありがとうございました」
そう締めくくった先生は、時計を確認すると締めにかかる。
「……では、時間のようなので今日はこれで解散します。このまま直帰してもいいですし残って自主練習しても構いません」
その声が終わり次第、生徒達はバラバラになりほとんどが部屋に帰っていった。
「僕も帰るか……」
「レントさんは待ってください」
忘れてなかったか……とレントが残念そうな顔をしていると
「別に叱ろうという訳では無いんですよ、後で必ず来てくださいね」
「……わかりました」
叱られることはないだろうとは思ってはいたが、それとは別で行く気にならないのだ。
「絶対あの魔術だよなぁ、はぁ……」
見せたのは自分なので渋々ではあるが自業自得である。
大人しくレントは教員室へと向かった。
「来ましたね、レントさん」
「大人しく来ました」
はい、よく来ました。とティル先生が席を立つとまだ教員の居る状態で声を張る。
「レントさんが我々の知らない魔術を見せてくれましてね。ぜひ説明をしてもらおうかと!」
やはり、その事だった。
こればかりは仕方ないと諦めることにした。
と、その声につられてやってきたのは隣のクラスの担任であるヴェール先生だ。
「はじめまして、でいいかな。レントくん? 私はヴェール。君のクラスとは隣だから見かけることもあるだろう」
軽く自己紹介をされたので会釈を返すと、興奮冷めきらないようで話を続けた。
「で? 見たことない魔術だって? ここでも使えるかい?」
「あ、はい。範囲を最小にすれば何とか……」
自分の腕くらいのサイズなら問題ないだろう、と判断したレントは先とは違う魔術を披露する。
触れないでくださいね?と前置きをし、
『星影魔術│穹歪針《ヘリアニードル》』
立てた人差し指の上に爪楊枝ほどの針を出現させる。
ヴェール先生は触ろうと手を差し出した。
「危ない!」
レントは急いで魔術を解除して手を引っ込めた。
「何するんですか」
「だ、だって知らない魔術が目の前に」
ハァハァと興奮しているヴェール先生だが、流石にこれに触れるのはオススメしない。
「これに触れたら大変なことになりますよ……。まず、触れるだけで触れたものの空間が歪んでしまいます。その状態になるとたとえ回復魔術を使ったとしても元に戻りませんし、僕も戻せません」
ひぇっ……とヴェール先生やティル先生、その他見ている先生の顔が青くなる。
「言うなればその歪んだ状態が正常にしてしまうんです。そして、これが刺さると触れた時のようにまず歪みます。その後に……」
先生たちの喉がゴクリと音を立てる。
溜めに溜めたレントはその効果を先生たちに教える。
────刺さっている間は地魔術の使用が出来なくなります。
実を言うと刺さったからと言って、歪むだけでそれ以上の効果は人族なら無いものだ。
ただ、歪んだものはそのまま一生治らないのだ。
それらの解説をして解放されたレントは、部屋に戻ることにした。
その戻る最中、廊下でアンリと出会い夕飯の時間だとしり食堂へと向かう。
「なんで呼ばれてたの?」
「いやぁ、ちょっと魔術の話を、ね」
「ふぅん?」
深くは聞かれなくて助かったレントは、せめてもと夕飯一品を奢ることにした。
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