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くるやくんは大いに戦いそして破れる
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「さあ、みんなー、いくよー、六句だよぅ!」
草原の端に並んだ法力僧に、快活にくるやくんはかけ声をかけた。
余談ではあるが、くるやくんが言う、六句とは、六方に仏の化身を思い浮かべ、快活、かつ、激しい旋律を奏で、歌い狂う、法術の準備の事を言う。
くるやくんの時代から始まった概念なので、私(作者)は、未来の見えるくるやくんが、現代音楽のロックを幻視し、それを伝えようとしたと推理するのだが、むろん確証はない。
余談終わり。
激しい木魚の音が前に倒れ込むような拍子を奏でる。琵琶法師が腰を落とし、激しく上下に体をゆすりながら熱い旋律を空間にたたき付ける。僧が頭を激しく振りながら鈴を狂ったように鳴らす、良い拍子で間欠に鐘の音が響く。
くるやくんは、ばっと頭に掛けた小袖を空に放り投げ、扇子を口に当てて歌い出す。
「まものは~、めいわくだ~♪ りょうみんを~、たすけるぜ~♪」
はじけるような美声に、地蔵堂あたりで見ていた村娘たちが感極まって失神する。
熱く、激しく、くるやくんは、色気のある仕草で歌い上げる。
読者の中には、なんと馬鹿げた光景なのだと思う方も居るだろう、だが本当に朱矢の村の記録に書いてある。嘘では無い。
「さあ、あったまって来たところで、行くぜ、退魔行! くるや借仏隊! 進撃ーっ!!」
応っ、とかけ声も勇ましく、約百名の美貌僧たちが、口々に呪を唱え始める。
不思議、それは不思議な光景が、坊主一人一人に違った形で現れる。
シャーンと清い金属音と共に、半透明の愛染明王を背後に顕現させる僧が居る。
金色の尖った光をいがぐりのように纏い、ぐるぐる回している僧が居る。
巨大な大砲状の光の筒を二つ両肩にのせたあの僧が使うのは、金剛宗に伝わるという秘術、干天制多迦童子砲か。
両の腕が不自然に黒く太くなり、金属になったような僧が、おおおと天に気合いを発する。
くるやくんはくねくねと不思議な動きをしながら呪を唱えた。
びかり、あたりが白光に包まれ、なにかとてつもない、ありがたいものが西の方から、どらどらという太鼓の音ともに来迎、くるやくんと合体し、光り輝く甲冑のごとき姿となる。弓手には赤褐色に燃えるような盾。右手(めて)には仏のご威光を固めて作ったような白く輝く剣。背には光輪、ぎらぎら光尖る阿弥陀光がぐるりぐるりと回っている。
あまりのありがたさに、全ての村人はひざまずき、くるやさまくるやさま、と随喜の涙を流す。
陸道は背を丸め、柵にもたれて、じっとくるやくん一行を見つめている。脇には末兄、なにか大きなむしろ包みを持っている。
その後ろで、吉四六とかえが心配そうに、くるやくんを見守っている。
「さあ、いくぞー、攻撃開始ーっ!!」
慈悲と歓喜に包まれた。くるや借仏隊は、野槌めがけて進軍を開始した。
強い、圧倒的にくるや借仏隊は強い。
超常の光が飛び、着弾点の野槌を爆散させる。キラキラとした光の槍が飛び野槌を切り刻む。
進む、どんどん、くるや借仏隊は進む。
見よ、干天制多迦童子砲が一声、ブッピガンという音と共に光条が噴出し、野槌を蒸発しせる所を。
見よ、光輪から無数の小片が飛び出し、縦横無尽に空を駆け、野槌をなますのように切り刻む様を。
見よ、半透明の愛染明王の上半身が、おらおらおらのかけ声も勇ましく、拳で野槌を殴打する姿を。
野槌が原は、驚天動地の殺戮の現場へとその姿を変え、村人はほれぼれとそれを見守っている。
くるやくんは光輝な甲冑をしなやかに燦めかせて、つぎつぎつぎと、野槌を斬っていく。それはまるで光と戯れる天上の舞踏のようで、それを見た村娘たちが、きゃあとつんざくような悲鳴を上げて、また気絶をする。
強い、絶対に強い、くるや借仏隊。
瞬く間に草原を進撃、武士団が遭難した地点をくるや借仏隊は軽々と越える。
小型、大型の野槌はここから出る。足を取られる小型野槌を、錫杖、蹴り技、小光輝などでなぎ払いつつ前進、大型野槌には、砲撃雷撃光条系の遠距離投射呪術で近寄らずに粉砕と、まったく、くるや借仏隊は隙が無い。
「あれえっ?」
くるやくんが眉をひそめる。
中型汎用野槌がぽこぽこと四五匹集まると、混じり合い、大型野槌と姿を変えた。
「なんだ、そうやって大きくなるんだ、でも気持ち悪いね、きみたち」
くるやくんは右手の剣を一閃、一瞬、軍荼利明王のお姿が炎と共に燃え上がり、南無明王尊の念仏と共に大型野槌は焼き消える。
「大技、いっくよー。おん でいば やきしゃ ばんだ ばんだ かかかか そわか。来よ、青面金剛!」
くるやくんが数珠を弓手に呪文を唱えると、中空に巨大な明王尊が現れ、つぎつぎつぎと、野槌を破壊する。その姿は青く、憤怒の相貌、目は赤きこと血のごとし、一つの体に四つの腕、三叉、羂索(ひも)、棒を握り、もう一本の手は花一輪をやさしく持つ。
これぞ金剛教最大秘術、青面金剛召還である。
巨大な明王と共に、くるや借仏隊は進む。ずしんずしんと足音が腹に響く。
少し、原の奥に進むと、場の相が変わったのをくるやくんは感じた。どうも同心円状に層が深まっているようだ。
突進してきた大型野槌を、ずんっ、と鈍い音を立てて青面金剛が受け止めた。
「投げ飛ばせ、青面金剛っ!」
彼が命令すると、ま”という感じの返事をして、青面金剛は大型野槌を頭の上に持ち上げ投げ捨てる。
くるやくんは不意を突かれた、と、言うほかはない。
野槌が上から降ってきた。
「なん、だって……」
とっさに、くるやくんは野原に前転、肩に小型が噛みついたが、踏みつぶされる事は避けた。
降ってきたのは五匹ほどの中型野槌。
「足、だって……?」
異形の野槌には付け根あたりに、太いカエルのごときたくましい足が生えている。
びょん、と、五匹が同時に飛び上がり、五人の美僧に襲いかかった。虚を突かれた僧たちは、超絶法力を使う間もなく、首をバクリと食われて息絶える。
「なんてことっ! 武士団を食べて、さらに進化をしたのですねっ!」
美僧たちは、投射型法力を使って迎撃すべく、撃つ撃つ撃つ。だが、足つき野槌の速度は狙いを付ける事を許さない。
美しい顔にふくれあがる筋肉、腕を鋼鉄に化した僧が何とか足つきの一匹にとりつき、仲間の照準を助けようとした所、後ろから来た中型に尻を食われ、転倒する。そこへ中型が殺到するように集まる。
悲鳴、絶叫、おびえ、が、くるや借仏隊に走った。
法力の基盤は恐れを知らぬ信仰心だ、おびえが少しでも混じると、その法力は力の大部分を失う。
「くっ! 足つきを倒して、青面金剛っ!!」
雄々しく青面金剛が動く。だが、三叉、棒、羂索(ひも)の全ての攻撃をあざ笑うように足つきはかわす。優しく持った花が、くるやくんの心境を表すようにしおれ、散る。
高速の足つきが陣を攪乱、大型が防備を突破、数にまさる中型小型が、美僧たちをどんどん噛みちぎっていく。
「馬鹿な、魔物が連携するなんて、こんなに戦術連携するなんて、誰か、誰かが操っているのっ?」
青面金剛を自立制御に変え、自分と生き残りを防御するように命令し、くるやくんは法力探知波を強く一発発射する。
これは現在の潜水艦のソナーと同じ原理で、魔力法力の元である根源力を放射状に発信、反射して帰ってくる波を観察して敵の位置を把握する術である。
だが、くるやくんの元に帰ってきた反応に、明確な意思を持った存在は、いない。
「群体としての知性のようなものが発生してるの? 馬鹿な、野槌はそんな高等な魔物じゃないんだよっ」
くるやくんは動揺した、ふらり、青面金剛が陽炎のように揺れる。
あ、消えてしまうっ、消えてしまう、と、くるやくんが焦れば焦るほど、青面金剛の姿は薄くなる。
借仏隊最強の守護神が、揺らめき薄くなるのを見て、美僧たちは口々に悲鳴を上げる。自らの術もほどけかけ、そこへ、足つきが襲い、噛みちぎり、跳ねて宙を舞う。
青面金剛はついに消えてしまった。美僧たちの口から発狂したような恐怖の叫びが発せられる。
くるやくんは目の前の地獄絵図が信じられない、頬に飛んだ美僧の血をぬぐうこともなく、ただ、力なく首を横にふる。金色に輝いて居た仏法甲冑も、だんだんと輝きを減らして行く。
足つきが、くるやくんを襲う、何とか弓手の燃える盾で攻撃を防いだものの、死角から接近した中型野槌に、くるやくんは脇腹を噛みちぎられた。ついに、仏法甲冑は薄くなって消える。
「武士さんたちと同じ道をたどってるっ!」
吉四六は叫んだ。無意識にくるやくんを助けに行こうと体が前にでるが、誰かが帯の後ろをぎゅっと掴んでいて走れない。見れば、かえが涙目で首を横に振っている。
「うるせえっ! 離せ、かえっ!」
かえの手を振り払い、吉四六は走り出す、横目で陸道が行け行けと手で合図をしているのを見た。末兄がむしろ包みから何かを取り出して準備している。
走る吉四六。そしてかえが三倍ぐらいの速度で吉四六を追い越した。止めても駄目なら私も行く、という決意が背中に見える。
「おーし、一緒に行くぜえ、かえっ!」
かえは、くっと頷いた。
二人は草原を分ける道を走る、なぜか攻撃がこない、やはり、野槌には前と後ろがあるのか。
中型野槌を殴る蹴るして距離を取る。草原をずんずん進む。悲鳴を上げて逃げる美僧たちを避けて進む。
小型野槌がやっかいだ、かえに飛びつこうとした奴を吉四六は蹴り飛ばすが、代わりに自分のかかとを少しかじられた。
「ああ、なんだよ、吉四六、来ちゃだめー!」
二人を見て、くるやくんが涙目で叫ぶ。
吉四六とかえは見た、くるやくんの頭上に、足つきが飛び降りてきていた。
「よけなせえっ!」
はっと気がついたくるやくんは、前転をしようとした、だが、間に合わない。大口をあけた足つき野槌は、くるやくんを一飲みにしようと、さらに口を大きくあける。黄ばんだ牙によだれが絡まる。
轟音が野山に木霊した。
足つき野槌は砲撃を受けて、粉々に飛び散った。
陸道の旦那の抱え大筒? 吉四六は振り返る。
旦那の足では、砲撃ができないはず。そう思ってよく見ると、陸道の無くなった右足に、末兄ががっしり抱きついて足の替わりをしていた。二人がかりでの砲撃だ。
陸道は、早く帰って来い、とばかりに、手を前後に振った。吉四六はくるやくんにとりつき、かえと一緒に引きずり始める。
「だめ、だめ、僕、女の人苦手なのぉ」
「そんな事を言ってる場合じゃねえですよっ!」
吉四六が叱ると、くるやくんは、ふええんと泣いた。
「お坊さん、くるやの大将を助けてくだせえっ!」
吉四六が、そう怒鳴ると、はっと自分を取り戻したように、五人の美僧がやってきた。みんなどこかしらに大きく手傷を負っている。
「ここまでこれたんでさあ、帰る方が楽って事ですよ!」
自分でも信じてない言葉を発し、吉四六は無理に笑う。美僧たちはそれを見て大きく頷く。
五人の美僧たちは、小型野槌を避けながら、再度、呪を唱える。詠唱が終わる前に、一人が中型に足を食われて倒れ、死んだ。
詠唱がおわり、四人の美僧が、くるやと吉四六たちを守るように展開した。
「いいんだ、捨てて行ってよ、僕はそんなことをされる価値なんかないんだよぅ」
くるやが弱々しく言うので、吉四六は、ぎゅっと笑った。
「人の価値なんてもんはですねっ、自分にも他人にも解らないもんなんですよっ!」
「吉四六はやさしいよぅ。うわあ、女、そこさわんなっ」
くるやの脇腹から、どばどば血が流れ、元々白い顔がどんどん紙のように白くなる。
悲鳴が上がった。振り返ると、愛染明王の半身を召喚する僧が、足つきに踏みつけられて噛みつかれていた。
「くるや僧正さま、お逃げくださいーっ!」
と、僧は一言言うと最後の力を振り絞り、愛染明王の拳の嵐で足つきを粉砕して、死んだ。
吉四六の視界の端で、残りの足つきが三匹、一斉に飛び上がるのが見えた。向かう方向は、こちらだ。
なんとか小型の居る地域を抜けた、あとは中型ばかりだから、足下は気にしなくて良い。
ぞん! と、近くに足つきの飛び降りる音。くっと吉四六が息を飲むと、なんと足つきは思いもよらない速度で、こちらへ走ってくる。
「な、なにいいっ!!」
かえが、吉四六とくるやくんをまとめて担いで野に転がって横へ避ける。足つきはバクンと顎を閉じてそのまま通り過ぎ、くるりと振り向き、跳躍した。
ちっきしょう、駄目か、と吉四六が目を閉じようとしたとたん、轟音と共に足つきは弾けとんだ。陸道の旦那か、と振りかえろうとした時である。美僧たちの姿が一人も見えない事に気がついた。
追ってきている二匹の足つき。そして近隣に三匹の中型野槌が移動していた。
やべえ。やべえと吉四六は思った。死ぬ、死ぬなこれ。まあいいかあ、かえも一緒だしな。そんな悪くない人生だったな。ちえ、かえだけでもなあ。なんとかならねえか。
前門の中型野槌が音も無く三人に近づく。後門の足つき二匹が同時に跳躍した。
ああ、と、くるやくんは思う。ああ、死に時だねぇ。とくるやくんはさらに思う。大好きな吉四六と、えーと、汚いけど、まあちょっと親切かもしれないけどやっぱり嫌いな女と、助けないとね。僕は大僧正なんだから。
「おん ばさら ばそろ ちしょた うんっ!!」
くるやくんは真言を絶唱した。
白光が世界を爆発させたように飛び散る。
ぐいっと頭をあげ、二匹の足つき野槌を両手でがっしと掴み、べきべきと握りつぶすは、消えたはずの青面金剛。その体躯は先の召還時の約三倍。しかも巨大化した上に反応速度も上昇、くるやくんが命令しなくても自立攻撃防衛が可能、そして、本来の明王としての自我を持つ。これが金剛宗秘奥義、真青面金剛来迎である。
三叉を振る、棒で突く、羂索(ひも)を振り回し捕縛する。それを同時に行使する。おおおおおんと天地を震わせ、邪悪を払う吠え声も勇ましく、中型野槌の群れを瞬く間に粉砕する。優しく持った蓮の花がポンと音を立てて花開き、あたりにかぐわしい天上の香りが漂う。
青面金剛は三人をしっかと四本の腕でつかみ、のっしのっしと村へ向かう。そして皆を地蔵堂の前に優しく下ろした。
「ありがとう青面金剛、長い間、本当にありがとう」
地面に横たわったくるやくんがそう言うと、青面金剛は少し悲しそうな顔をして、合掌を手向けて、ふっとその姿を消した。
「急げ、くるやくんに治療をっ!」
「良いんだよ、僕はもう駄目さ、もう、残りの命を全部使って、青面金剛をよんじゃったからね」
くるやくんは静かに笑った。
「なんで、なんでそんな事をっ、死んじまったら終わりじゃあないですか、くるやくんっ」
「うふふ、解ったんだよ……、僕がここに呼ばれた訳が……」
吉四六は震えるくるやくんの手をしっかりと握った。
「それはなんですかい?」
「吉四六に、一言、一言だけ伝えるために僕はよばれたんだ……。本当に、ねえ、いろいろ面倒だねえ……」
「何をおっしゃってるんで?」
「あれは、『道』と伝えろって言ってる、ほんと一言、道と伝えたら吉四六なら答えを導きだせるって……」
「道?」
道がなんだ? と吉四六はいぶかしむ。
「はあ、君たちと会えて楽しかった。ありがとう吉四六」
「くるやくん、死なないでくだせえ」
「いつか、遊びにくるよ。きっと、二百年、三百年後かなあ。この朱矢の地へ。楽しみだなあ。楽しみだなあ。きっとその頃には、みんなは死んでいないけど、血は伝わっていて、君たちの切片は大きな物の中にあって。また会えるよ」
「何を言ってるのか、ちっともわかりやせんよ」
ぱつぱつとくるやくんの頬に吉四六の涙が落ちる。
「吉四六、頭をどけて、うん、空がみたいんだ。ああ、綺麗だなあ、落ちていくみたいだ。僕はあそこに行くんだよ」
そう言って、くるやくんは天を指した。
その手が力を失い、とんと胸に落ちると、くるやくんの息はもう無かった。
「くるやくーんっ!」
「くるやくんっ!」
「くるやくーんっ!」
そこいら中でくるやくんの死を痛む呼び声が響く。
吉四六はがっくりと肩を落とし、大粒の涙を流した。
そして、きっ、と頭を上げ、道を見る。
道? 道ってなんだ? なにか見落としているのか?
おぎゃあと、惣田のちいねえが背負ったよしぼうが泣いた。
吉四六の脳裏に、夜道の上で泣くよしぼうが浮かんだ。
どうして、野槌はよしぼうを食わなかった?
それは、よしぼうが道にいたからだ。
……、え? 道。
野槌が草原を占領したのだが、原を抜け、山を越えてとなり村へ行く道は封鎖されていない。なぜなら、道の真ん中にいれば、野槌には噛まれないからだ。
草原の端に並んだ法力僧に、快活にくるやくんはかけ声をかけた。
余談ではあるが、くるやくんが言う、六句とは、六方に仏の化身を思い浮かべ、快活、かつ、激しい旋律を奏で、歌い狂う、法術の準備の事を言う。
くるやくんの時代から始まった概念なので、私(作者)は、未来の見えるくるやくんが、現代音楽のロックを幻視し、それを伝えようとしたと推理するのだが、むろん確証はない。
余談終わり。
激しい木魚の音が前に倒れ込むような拍子を奏でる。琵琶法師が腰を落とし、激しく上下に体をゆすりながら熱い旋律を空間にたたき付ける。僧が頭を激しく振りながら鈴を狂ったように鳴らす、良い拍子で間欠に鐘の音が響く。
くるやくんは、ばっと頭に掛けた小袖を空に放り投げ、扇子を口に当てて歌い出す。
「まものは~、めいわくだ~♪ りょうみんを~、たすけるぜ~♪」
はじけるような美声に、地蔵堂あたりで見ていた村娘たちが感極まって失神する。
熱く、激しく、くるやくんは、色気のある仕草で歌い上げる。
読者の中には、なんと馬鹿げた光景なのだと思う方も居るだろう、だが本当に朱矢の村の記録に書いてある。嘘では無い。
「さあ、あったまって来たところで、行くぜ、退魔行! くるや借仏隊! 進撃ーっ!!」
応っ、とかけ声も勇ましく、約百名の美貌僧たちが、口々に呪を唱え始める。
不思議、それは不思議な光景が、坊主一人一人に違った形で現れる。
シャーンと清い金属音と共に、半透明の愛染明王を背後に顕現させる僧が居る。
金色の尖った光をいがぐりのように纏い、ぐるぐる回している僧が居る。
巨大な大砲状の光の筒を二つ両肩にのせたあの僧が使うのは、金剛宗に伝わるという秘術、干天制多迦童子砲か。
両の腕が不自然に黒く太くなり、金属になったような僧が、おおおと天に気合いを発する。
くるやくんはくねくねと不思議な動きをしながら呪を唱えた。
びかり、あたりが白光に包まれ、なにかとてつもない、ありがたいものが西の方から、どらどらという太鼓の音ともに来迎、くるやくんと合体し、光り輝く甲冑のごとき姿となる。弓手には赤褐色に燃えるような盾。右手(めて)には仏のご威光を固めて作ったような白く輝く剣。背には光輪、ぎらぎら光尖る阿弥陀光がぐるりぐるりと回っている。
あまりのありがたさに、全ての村人はひざまずき、くるやさまくるやさま、と随喜の涙を流す。
陸道は背を丸め、柵にもたれて、じっとくるやくん一行を見つめている。脇には末兄、なにか大きなむしろ包みを持っている。
その後ろで、吉四六とかえが心配そうに、くるやくんを見守っている。
「さあ、いくぞー、攻撃開始ーっ!!」
慈悲と歓喜に包まれた。くるや借仏隊は、野槌めがけて進軍を開始した。
強い、圧倒的にくるや借仏隊は強い。
超常の光が飛び、着弾点の野槌を爆散させる。キラキラとした光の槍が飛び野槌を切り刻む。
進む、どんどん、くるや借仏隊は進む。
見よ、干天制多迦童子砲が一声、ブッピガンという音と共に光条が噴出し、野槌を蒸発しせる所を。
見よ、光輪から無数の小片が飛び出し、縦横無尽に空を駆け、野槌をなますのように切り刻む様を。
見よ、半透明の愛染明王の上半身が、おらおらおらのかけ声も勇ましく、拳で野槌を殴打する姿を。
野槌が原は、驚天動地の殺戮の現場へとその姿を変え、村人はほれぼれとそれを見守っている。
くるやくんは光輝な甲冑をしなやかに燦めかせて、つぎつぎつぎと、野槌を斬っていく。それはまるで光と戯れる天上の舞踏のようで、それを見た村娘たちが、きゃあとつんざくような悲鳴を上げて、また気絶をする。
強い、絶対に強い、くるや借仏隊。
瞬く間に草原を進撃、武士団が遭難した地点をくるや借仏隊は軽々と越える。
小型、大型の野槌はここから出る。足を取られる小型野槌を、錫杖、蹴り技、小光輝などでなぎ払いつつ前進、大型野槌には、砲撃雷撃光条系の遠距離投射呪術で近寄らずに粉砕と、まったく、くるや借仏隊は隙が無い。
「あれえっ?」
くるやくんが眉をひそめる。
中型汎用野槌がぽこぽこと四五匹集まると、混じり合い、大型野槌と姿を変えた。
「なんだ、そうやって大きくなるんだ、でも気持ち悪いね、きみたち」
くるやくんは右手の剣を一閃、一瞬、軍荼利明王のお姿が炎と共に燃え上がり、南無明王尊の念仏と共に大型野槌は焼き消える。
「大技、いっくよー。おん でいば やきしゃ ばんだ ばんだ かかかか そわか。来よ、青面金剛!」
くるやくんが数珠を弓手に呪文を唱えると、中空に巨大な明王尊が現れ、つぎつぎつぎと、野槌を破壊する。その姿は青く、憤怒の相貌、目は赤きこと血のごとし、一つの体に四つの腕、三叉、羂索(ひも)、棒を握り、もう一本の手は花一輪をやさしく持つ。
これぞ金剛教最大秘術、青面金剛召還である。
巨大な明王と共に、くるや借仏隊は進む。ずしんずしんと足音が腹に響く。
少し、原の奥に進むと、場の相が変わったのをくるやくんは感じた。どうも同心円状に層が深まっているようだ。
突進してきた大型野槌を、ずんっ、と鈍い音を立てて青面金剛が受け止めた。
「投げ飛ばせ、青面金剛っ!」
彼が命令すると、ま”という感じの返事をして、青面金剛は大型野槌を頭の上に持ち上げ投げ捨てる。
くるやくんは不意を突かれた、と、言うほかはない。
野槌が上から降ってきた。
「なん、だって……」
とっさに、くるやくんは野原に前転、肩に小型が噛みついたが、踏みつぶされる事は避けた。
降ってきたのは五匹ほどの中型野槌。
「足、だって……?」
異形の野槌には付け根あたりに、太いカエルのごときたくましい足が生えている。
びょん、と、五匹が同時に飛び上がり、五人の美僧に襲いかかった。虚を突かれた僧たちは、超絶法力を使う間もなく、首をバクリと食われて息絶える。
「なんてことっ! 武士団を食べて、さらに進化をしたのですねっ!」
美僧たちは、投射型法力を使って迎撃すべく、撃つ撃つ撃つ。だが、足つき野槌の速度は狙いを付ける事を許さない。
美しい顔にふくれあがる筋肉、腕を鋼鉄に化した僧が何とか足つきの一匹にとりつき、仲間の照準を助けようとした所、後ろから来た中型に尻を食われ、転倒する。そこへ中型が殺到するように集まる。
悲鳴、絶叫、おびえ、が、くるや借仏隊に走った。
法力の基盤は恐れを知らぬ信仰心だ、おびえが少しでも混じると、その法力は力の大部分を失う。
「くっ! 足つきを倒して、青面金剛っ!!」
雄々しく青面金剛が動く。だが、三叉、棒、羂索(ひも)の全ての攻撃をあざ笑うように足つきはかわす。優しく持った花が、くるやくんの心境を表すようにしおれ、散る。
高速の足つきが陣を攪乱、大型が防備を突破、数にまさる中型小型が、美僧たちをどんどん噛みちぎっていく。
「馬鹿な、魔物が連携するなんて、こんなに戦術連携するなんて、誰か、誰かが操っているのっ?」
青面金剛を自立制御に変え、自分と生き残りを防御するように命令し、くるやくんは法力探知波を強く一発発射する。
これは現在の潜水艦のソナーと同じ原理で、魔力法力の元である根源力を放射状に発信、反射して帰ってくる波を観察して敵の位置を把握する術である。
だが、くるやくんの元に帰ってきた反応に、明確な意思を持った存在は、いない。
「群体としての知性のようなものが発生してるの? 馬鹿な、野槌はそんな高等な魔物じゃないんだよっ」
くるやくんは動揺した、ふらり、青面金剛が陽炎のように揺れる。
あ、消えてしまうっ、消えてしまう、と、くるやくんが焦れば焦るほど、青面金剛の姿は薄くなる。
借仏隊最強の守護神が、揺らめき薄くなるのを見て、美僧たちは口々に悲鳴を上げる。自らの術もほどけかけ、そこへ、足つきが襲い、噛みちぎり、跳ねて宙を舞う。
青面金剛はついに消えてしまった。美僧たちの口から発狂したような恐怖の叫びが発せられる。
くるやくんは目の前の地獄絵図が信じられない、頬に飛んだ美僧の血をぬぐうこともなく、ただ、力なく首を横にふる。金色に輝いて居た仏法甲冑も、だんだんと輝きを減らして行く。
足つきが、くるやくんを襲う、何とか弓手の燃える盾で攻撃を防いだものの、死角から接近した中型野槌に、くるやくんは脇腹を噛みちぎられた。ついに、仏法甲冑は薄くなって消える。
「武士さんたちと同じ道をたどってるっ!」
吉四六は叫んだ。無意識にくるやくんを助けに行こうと体が前にでるが、誰かが帯の後ろをぎゅっと掴んでいて走れない。見れば、かえが涙目で首を横に振っている。
「うるせえっ! 離せ、かえっ!」
かえの手を振り払い、吉四六は走り出す、横目で陸道が行け行けと手で合図をしているのを見た。末兄がむしろ包みから何かを取り出して準備している。
走る吉四六。そしてかえが三倍ぐらいの速度で吉四六を追い越した。止めても駄目なら私も行く、という決意が背中に見える。
「おーし、一緒に行くぜえ、かえっ!」
かえは、くっと頷いた。
二人は草原を分ける道を走る、なぜか攻撃がこない、やはり、野槌には前と後ろがあるのか。
中型野槌を殴る蹴るして距離を取る。草原をずんずん進む。悲鳴を上げて逃げる美僧たちを避けて進む。
小型野槌がやっかいだ、かえに飛びつこうとした奴を吉四六は蹴り飛ばすが、代わりに自分のかかとを少しかじられた。
「ああ、なんだよ、吉四六、来ちゃだめー!」
二人を見て、くるやくんが涙目で叫ぶ。
吉四六とかえは見た、くるやくんの頭上に、足つきが飛び降りてきていた。
「よけなせえっ!」
はっと気がついたくるやくんは、前転をしようとした、だが、間に合わない。大口をあけた足つき野槌は、くるやくんを一飲みにしようと、さらに口を大きくあける。黄ばんだ牙によだれが絡まる。
轟音が野山に木霊した。
足つき野槌は砲撃を受けて、粉々に飛び散った。
陸道の旦那の抱え大筒? 吉四六は振り返る。
旦那の足では、砲撃ができないはず。そう思ってよく見ると、陸道の無くなった右足に、末兄ががっしり抱きついて足の替わりをしていた。二人がかりでの砲撃だ。
陸道は、早く帰って来い、とばかりに、手を前後に振った。吉四六はくるやくんにとりつき、かえと一緒に引きずり始める。
「だめ、だめ、僕、女の人苦手なのぉ」
「そんな事を言ってる場合じゃねえですよっ!」
吉四六が叱ると、くるやくんは、ふええんと泣いた。
「お坊さん、くるやの大将を助けてくだせえっ!」
吉四六が、そう怒鳴ると、はっと自分を取り戻したように、五人の美僧がやってきた。みんなどこかしらに大きく手傷を負っている。
「ここまでこれたんでさあ、帰る方が楽って事ですよ!」
自分でも信じてない言葉を発し、吉四六は無理に笑う。美僧たちはそれを見て大きく頷く。
五人の美僧たちは、小型野槌を避けながら、再度、呪を唱える。詠唱が終わる前に、一人が中型に足を食われて倒れ、死んだ。
詠唱がおわり、四人の美僧が、くるやと吉四六たちを守るように展開した。
「いいんだ、捨てて行ってよ、僕はそんなことをされる価値なんかないんだよぅ」
くるやが弱々しく言うので、吉四六は、ぎゅっと笑った。
「人の価値なんてもんはですねっ、自分にも他人にも解らないもんなんですよっ!」
「吉四六はやさしいよぅ。うわあ、女、そこさわんなっ」
くるやの脇腹から、どばどば血が流れ、元々白い顔がどんどん紙のように白くなる。
悲鳴が上がった。振り返ると、愛染明王の半身を召喚する僧が、足つきに踏みつけられて噛みつかれていた。
「くるや僧正さま、お逃げくださいーっ!」
と、僧は一言言うと最後の力を振り絞り、愛染明王の拳の嵐で足つきを粉砕して、死んだ。
吉四六の視界の端で、残りの足つきが三匹、一斉に飛び上がるのが見えた。向かう方向は、こちらだ。
なんとか小型の居る地域を抜けた、あとは中型ばかりだから、足下は気にしなくて良い。
ぞん! と、近くに足つきの飛び降りる音。くっと吉四六が息を飲むと、なんと足つきは思いもよらない速度で、こちらへ走ってくる。
「な、なにいいっ!!」
かえが、吉四六とくるやくんをまとめて担いで野に転がって横へ避ける。足つきはバクンと顎を閉じてそのまま通り過ぎ、くるりと振り向き、跳躍した。
ちっきしょう、駄目か、と吉四六が目を閉じようとしたとたん、轟音と共に足つきは弾けとんだ。陸道の旦那か、と振りかえろうとした時である。美僧たちの姿が一人も見えない事に気がついた。
追ってきている二匹の足つき。そして近隣に三匹の中型野槌が移動していた。
やべえ。やべえと吉四六は思った。死ぬ、死ぬなこれ。まあいいかあ、かえも一緒だしな。そんな悪くない人生だったな。ちえ、かえだけでもなあ。なんとかならねえか。
前門の中型野槌が音も無く三人に近づく。後門の足つき二匹が同時に跳躍した。
ああ、と、くるやくんは思う。ああ、死に時だねぇ。とくるやくんはさらに思う。大好きな吉四六と、えーと、汚いけど、まあちょっと親切かもしれないけどやっぱり嫌いな女と、助けないとね。僕は大僧正なんだから。
「おん ばさら ばそろ ちしょた うんっ!!」
くるやくんは真言を絶唱した。
白光が世界を爆発させたように飛び散る。
ぐいっと頭をあげ、二匹の足つき野槌を両手でがっしと掴み、べきべきと握りつぶすは、消えたはずの青面金剛。その体躯は先の召還時の約三倍。しかも巨大化した上に反応速度も上昇、くるやくんが命令しなくても自立攻撃防衛が可能、そして、本来の明王としての自我を持つ。これが金剛宗秘奥義、真青面金剛来迎である。
三叉を振る、棒で突く、羂索(ひも)を振り回し捕縛する。それを同時に行使する。おおおおおんと天地を震わせ、邪悪を払う吠え声も勇ましく、中型野槌の群れを瞬く間に粉砕する。優しく持った蓮の花がポンと音を立てて花開き、あたりにかぐわしい天上の香りが漂う。
青面金剛は三人をしっかと四本の腕でつかみ、のっしのっしと村へ向かう。そして皆を地蔵堂の前に優しく下ろした。
「ありがとう青面金剛、長い間、本当にありがとう」
地面に横たわったくるやくんがそう言うと、青面金剛は少し悲しそうな顔をして、合掌を手向けて、ふっとその姿を消した。
「急げ、くるやくんに治療をっ!」
「良いんだよ、僕はもう駄目さ、もう、残りの命を全部使って、青面金剛をよんじゃったからね」
くるやくんは静かに笑った。
「なんで、なんでそんな事をっ、死んじまったら終わりじゃあないですか、くるやくんっ」
「うふふ、解ったんだよ……、僕がここに呼ばれた訳が……」
吉四六は震えるくるやくんの手をしっかりと握った。
「それはなんですかい?」
「吉四六に、一言、一言だけ伝えるために僕はよばれたんだ……。本当に、ねえ、いろいろ面倒だねえ……」
「何をおっしゃってるんで?」
「あれは、『道』と伝えろって言ってる、ほんと一言、道と伝えたら吉四六なら答えを導きだせるって……」
「道?」
道がなんだ? と吉四六はいぶかしむ。
「はあ、君たちと会えて楽しかった。ありがとう吉四六」
「くるやくん、死なないでくだせえ」
「いつか、遊びにくるよ。きっと、二百年、三百年後かなあ。この朱矢の地へ。楽しみだなあ。楽しみだなあ。きっとその頃には、みんなは死んでいないけど、血は伝わっていて、君たちの切片は大きな物の中にあって。また会えるよ」
「何を言ってるのか、ちっともわかりやせんよ」
ぱつぱつとくるやくんの頬に吉四六の涙が落ちる。
「吉四六、頭をどけて、うん、空がみたいんだ。ああ、綺麗だなあ、落ちていくみたいだ。僕はあそこに行くんだよ」
そう言って、くるやくんは天を指した。
その手が力を失い、とんと胸に落ちると、くるやくんの息はもう無かった。
「くるやくーんっ!」
「くるやくんっ!」
「くるやくーんっ!」
そこいら中でくるやくんの死を痛む呼び声が響く。
吉四六はがっくりと肩を落とし、大粒の涙を流した。
そして、きっ、と頭を上げ、道を見る。
道? 道ってなんだ? なにか見落としているのか?
おぎゃあと、惣田のちいねえが背負ったよしぼうが泣いた。
吉四六の脳裏に、夜道の上で泣くよしぼうが浮かんだ。
どうして、野槌はよしぼうを食わなかった?
それは、よしぼうが道にいたからだ。
……、え? 道。
野槌が草原を占領したのだが、原を抜け、山を越えてとなり村へ行く道は封鎖されていない。なぜなら、道の真ん中にいれば、野槌には噛まれないからだ。
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