キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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 「お前なに防具なんてつけてんだ?」
 「い、いやぁ……その……」
 最悪だ。近所の人に見られて変人扱いならまだしも村田に見られるなんて。

 「レベル0のお前がこんなのつけてヒーローごっこか? 気持ち悪ぃな小学生かよ」
 「はは……そう、そうだよね……」
 「それにしてもいい防具だな。貸してみろよ?」
 「え?」
 村田は僕の防具を剝ぎ取ろうと手を伸ばす。

 「や、やめろっ! 触るな!」
 「あぁっ!?」
 これはアスカさんからもらった僕の大切な装備だ。お前なんかに渡してたまるか。

 「おい……キモオタ……誰に口聞いてんだ?」
 しかし、そんな事情を村田が知るわけもない。知っていても関係ないだろうが……

 『ガッ』

 「ぐわああぁ」
 村田の強烈なパンチが腹にめり込む。

 「最近、テメェは生意気だな。一度、ボコボコにしてやらねぇと分かんねぇみてぇだな!」
 激痛で悶える僕に村田は手を緩めない。レベル20の冒険者の拳だ。レベル0の僕には大ダメージだ。


 屈んで身を守ることしかできない。


 「はぁはぁ……二度と俺に逆らうんじゃねえぞ」
 数分後、村田は殴り飽きたのか僕の前から立ち去る。

 「う……うぅ……」
 僕はモンスターに襲われたかのようなボロボロに横たわる。体中傷だらけ、顔は鼻血で血だらけだ。

 「クソ……あんな奴に負けるなんて……レベルさえ高ければ……」
 レベル20の村田の攻撃だ。この防具を付けていなければ瀕死の重傷を負っていただろう。

 最近の出来事で浮かれていた僕は現実を突きつけられた。
 悔しい……どうして僕はレベル0なんだよ。

 気づけば、人目も気にせず泣いていた。


 「あれ? キモオタ君……?」
 後ろから声をかけられる。

 「は、はい?」
 誰だ? また村田か!?

 恐怖に凍り付きながら振り返ると、同じ高校の制服を女子生徒。

 「ひ、姫島さん!」
 そこにはクラスのマドンナ、姫島さんが立っていた。
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