キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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 「ネクロマンサーというのは魔王の側近のモンスターです……黒魔術を使うと聞いたことがあります」
 ガイドが語り始める。

「黒魔術!?」

「黒魔術の呪いのせいで寝たきりの状態になっているのでしたら……医学では治せません」

「そ、そんな……どうすれば呪いは治るんだ!?」
 不安そうな表情になるアスカさん。

「呪いを解くには、呪いをかけたモンスター……つまりネクロマンサーを倒すしかありません」

「そうなのか……」

「ちなみに呪いにかかって100日を過ぎると……死んでしまいます……」

「ッ!! そ、そんな……」
 アスカさんは真っ青になる。

「アスカさん! サクラちゃんが呪いにかかったのはいつですか!?」

「ちょうど2ヶ月前だ……」

「あと40日くらい……ですか……」

「く……。こうしちゃいれない!」
 部屋を飛び出そうとするアスカさん。

「待ってください!」
 ガイドが呼び止める。

「いま焦ってもどうにもなりません!」

「し、しかし……」
 今にも泣きだしそうなアスカさん。

「40日あれば……十分です!」
 自信満々なガイド。

「え?」

「40日でキモオタ君をネクロマンサーを倒せるまでレベルアップしてもらいましょう」

「……たった40日で木本君はそんな強くなれるのか?
 やはり私が……妹の仇は私がうつ」

「間に合うはずです。
 それにアスカさんは剣士ですよね? ネクロマンサーを倒すには剣だけでは難しいです」

「そうなのか……?」
 悔しそうなアスカさん。モンスターにも弱点や相性があるのだろう。

「でも大丈夫です! 幸いこちらにはキモオタ君がいます!」

「ぼ、僕!?」

「はい! キモオタ君にネクロマンサーを倒すための光魔法を使いこなしてもらいましょう!」

「ひ、光魔法!?」
 僕が光魔法だって!?

「キモオタ君には光属性のスキルがあります。まあまだクソザコですけど」
 クソザコ……でもかっこいい! 勇者っぽい!!

「キモオタ君!」

「なんだガイド!?」

「明日からビシバシ鍛えますからね! 覚悟しておいてください!」

「ああ、任せておけ!」
 僕がサクラちゃんを、いや、アスカさんも救うことが出来るかもしれない。
 僕がやるしかないんだ!

「チビスケ……」
 涙目のアスカさん。

「……わ、私にも妹がいるんですよ……。あなたの……アスカさんの気持ちは痛いほど分かります!
 でも、一人で突っ走ってもダメです! 私たちはパーティーなんですから!」

「……ありがとう」
 ガイドの言葉に涙を流すアスカさん。その姿はいつもの強い剣士ではなく、ただのお姉ちゃんだった。

「アスカさん。僕に任せてください」

「ああ……妹を助けてくれ!
 レベルアップに必要なことがあれば私も協力させてもらうぞ」

「もちろんです!
 ……そ、それでアスカさん……さっきの話なんですけど……」

「ん?」
 涙を拭うアスカさん。

「あの……アスカさんを……す、好きにしていいって……」

「木本君……君ってやつは……呆れたぞ……」
 ゴミを見るような目で僕を見るで僕を見るアスカさん。

「キモオタ君……人の弱み漬け込むなんて……最低ですね……それが人間界のやり方なんですか?」

「……」

 急に結託しだした2人の乙女たち。
 脳内の『卒業』は鳴りやんでいた……
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