21 / 76
21
しおりを挟む「でも、なんでサクラちゃんに会えないんですか? 妹ならなおさらなんとかなりそうな気も……」
「……前に家族が寝たきりになっていると言ったのを覚えているか?」
「はい……あっ!」
しまった、馬鹿なことを言ってしまった。
「そうだ、妹は少し前にあるダンジョンで戦い、敵にやられ寝たきりになってしまったんだ」
「そんな……」
確かに白野サクラちゃんは数か月前から体調不良でアイドルを休業している。
「サクラはアイドル活動をしていたが、冒険者としてのセンスもよくてな。そう遠くないうちに私を超すくらいの能力を秘めてたんだ」
「え? あのサクラちゃんが!?」
サクラちゃんが冒険者だったなんて……サクラちゃんオタクの僕も知らなかった……
「約束を守れなく本当に申し訳ない……それで相談なんだが……」
なぜか顔を赤らめるアスカさん。
「アスカさん?」
「サクラの代わりと言ってはなんだが……私を好きにしてくれてもいいぞ……!」
「えぇ!?」
アスカさんから衝撃的な言葉が飛び出した。
「約束だからな……木本君はダンジョンをクリアしてくれた」
「そんな……」
「構わない! 好きにしてくれ!」
据え膳食わぬは男の恥……と言うやつですね……
「分かりましたよ。アスカさん……」
脳内で流れるBGMはもちろん尾〇豊『卒業』だ。
「でも……」
いいのか!? 木本オタフク……こんな形でアスカさんを……
「アスカさん……やっぱりこんなのは……」
『ガンッ!』
「ぐわぁぁぁぁあ」
その時、僕の後頭部に衝撃が走る。投石か!?
「ちょっと! 何やってるんですかっーー!!」
投石ではなくガイドの跳び蹴り……いや、飛び蹴りだった。
「ちょっと! なにキモオタ君を誘惑してるんですか!!?」
「ゆ、誘惑!? ちがうッ!」
アスカさんは顔を真っ赤にする。
「キモオタ君! ダメよ! こんな年増を抱いた日には、後から何を言ってくるか!」
「年増だと!? 貴様ッ!!」
飛び回るガイドを掴みかかろうとするアスカさん。
「キャー! 助けて! キモオタ君!」
真夜中に突如始まったキャットファイト。なるほど、これがモテ男に気持ちなのだろうか?
「そういうことですか。目が覚めたらいきなりアスカがキモオタ君に言い寄ってるんですもん、ビックリしましたよ!」
「アスカって……呼び捨てかチビスケ……」
理由を聞いて誘惑していた訳ではないと分かったガイド。
「ま、まあまあ……それにしても……あんなに必死に言い寄るアスカさんを止めるなんて……
ガイドはもしかして僕のことが……す、好きなのかな?」
「え? キモ。いえ、全くそれはないです。でもなんか他の女に取られるのは嫌って言うか?」
「……そ、そう……」
容赦のない辛辣な言葉を吐くガイドだった。
「あの、妹さんがダンジョンに行って寝たきりってなったって聞こえたんですけど……?」
一転、真面目な表情になるガイド。
「ああ……医者の話じゃ医学的には体に問題はないようなんだが目を覚まさないんだ」
サクラちゃん、しばらくテレビで見ないと思っていたらそんなことになっていたのか。
「……妹さんはなんというダンジョンへ行ったんですか?」
「ダンジョンの名前は分からないが……ネクロマンサーというボスがいたようだ」
「ネクロマンサー!?」
ガイドが驚く。
「ああ、なにか知っているのか!?」
27
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~
ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。
玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。
「きゅう、痩せたか?それに元気もない」
ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。
だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。
「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」
この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる