ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?

さかいおさむ

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オリハルコンと三股王子

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 グリンダさんとの闘いを終え数日、僕はずっと図書館で勉強をしている。

 と言っても速読魔法を使って片っ端から本の内容を覚えるだけだが。

 僕は召還魔法と錬成魔法の本を速読していく。

 オリビアさんの剣を錬成するため、そしてオリビアさんの練習相手の魔獣を召還するためだ。

「んーー、難しいな」

 オリビアさんの剣にもっとも良い材料はなんだろうか?



「あら、ペルーサですか?」

「え?……カ、カノン様!?」

 聞き覚えのある声に呼ばれ振り返ると、なんとカノン様がいた。

「どうして図書館に!?」

「あら、私だって図書館くらい来ますわ」

 ふてくされたように怒るカノン様。

「ふふ、冗談です。目がとりあえず見えるようになったし古代文字の勉強です。この図書館はどんな本でもありますから」

 カノン様に抱きかかえられた猫のミネットがニャーと鳴く。

「ペルーサのおかげで本も読めるようになりましたよ。ミネットは大変そうですが」

「はは、よかったです」

 カノン様の視界は猫のミネットの視界を共有している。ミネットはたくさんの本を見させられ大変だろう……



「城の生活はどうですか?」

「おかげさまで快適に過ごさせてもらってますよ」

「そうですか。あっ! じゃあ今度ペルーサのお部屋に遊びに行ってもいいですか?」

「え? は、はい大丈夫で――――!! ごめんなさい! や、やっぱり今はちょっと無理です!! 部屋が散らかってて……」

「あらそうですか……残念ですね」

 (忘れていた……いま僕の部屋にはオリビアさんとグリンダさんも住んでいるんだった……でも、別にカノン様とお付き合いをしているわけじゃないんだし気にすることないのかな……?)



「なら私がお部屋の掃除に行きますわ。私たちは結婚するのですから遠慮なさらないで」

「はは……まあそのうち……」

 (……絶対バレたらダメだ……あの2人には出て行ってもらおう……)





「ペルーサはなんの本を読んでいるんですか?」

「僕は召還魔法と錬成魔法の本を」

「あら、召還魔法ならグリンダに習えばいいわ! 彼女は召還魔法使えるわよ」

「ああ、そうですね。そのせいで大変な目に……」

「え? なんですか?」

「いえいえ! なんでもありません!」

 (カノン様には2人と住んでることを隠さないとな……)



「錬成魔法は何に使うんですか?」

「あ、こないだのダンジョンでオリビアさんの剣が折れてしまったので……もっと良い剣を錬成できないかなって」

「そういうことですね! ペルーサはホントに仲間想いで優しいですわ」

「いえいえ、そんな」

「でも……ちょっとヤキモチを妬いてしまいますわ」

「え!?」

「ふふ、冗談です。でもあんまり私以外の女性と仲良くしすぎたら嫌ですよ! 仮にも婚約者なんですから!」

「はは……」

 (まずいな……)



「剣に使える材料……あ、オリハルコンなんてどうですか?」

「オリハルコン? 聞いたことありますね」

「たしか世界で一番固いって言われている金属ですわ」

「なるほど……それで剣を作れれば……オリハルコンってどこにあるんですか?」

「たしかオリハルコンのダンジョンにわずかしかない伝説の金属だったと思いますが……?」

 (オリハルコンのダンジョンか……)







「あら、カノン様にペルーサ君!?」

「え? グリンダさん?」

 なんと、図書館に現れたグリンダさん。最悪のタイミングだ……



「グリンダも勉強に?」

「ええ。そっか。カノン様も視界共有で本をお読みになれるんですね」

「そうよ。ミネットが世界一の読書猫になりそうだわ」

「ふふ、元気そうでよかったです。ペルーサ君は何の本読んでるの?」

「え、えっと……」(グリンダさん、余計なこと言わないでよ……)



「あ、グリンダ! ペルーサが召還魔法に興味があるみたいなの」

「あ……」

「召還魔法?」

「ええ、グリンダが教えてあげられない?」

「えぇ? 教えるも何もこないだペルーサ君の部屋の訓練場で――」

「あーー!! グリンダさん! ぜひ召還魔法教えてください!!」

「??」

「よかったわ。グリンダは魔法を教えるのも上手なのよ」

「そうですかーっ! それはありがたいですっ!」

「……?」

 必死にごまかす僕。なにか怪しんでるグリンダさん。



「まあよく分からないけど……ペルーサ君、今夜のご飯は何食べ――」

「あーー!! あっちに召還魔法の本が!! ちょっとグリンダさん教えてください!」

 グリンダさんを奥の本棚へ引っ張りこむ。



「なに!? どうしたの? 今日のペルーサ君おかしいわよ?」

「いえ……別に……」

「怪しいわね……なにを隠してるの?」

「か、隠してなんてないですよ……はは……」

「……どうやら私たちが親しいのをカノン様には隠しておきたいようね……」

「! 違いますよ!」

「ふーん……」

 勘のいいグリンダさん。ごまかすのは無理か……?



「どうしたんですか? 2人でコソコソ」

「カ、カノン様!」

「……ニヤッ!」

 グリンダさんが不敵な笑みを浮かべる。

「カノン様! カノン様はペルーサのことをどうお思いですか?」

「!!!」

「え……そんな……恥ずかしいわ。こんなところで……」

 赤面するカノン様。疑惑が確信に変わり悪魔ような笑顔のグリンダさん。

「そうですよねぇ。ペルーサ君は素晴らしい魔法使いですから! カノン様にお似合いのいい男だと思いますわ」

「え? グリンダもそう思います?」

「ええ。もちろん!」

「よかったわ! 実は私たち……デーモンを倒して私の呪いが解けたら結婚するの! そうよね? ペルーサ」

「は、はい……」

「ほおぉぉ! ご結婚とはおめでたいですね!」

 ニッコニコのグリンダさん……

「だから私も古代文字を勉強してデーモンを倒すお手伝いをしたいの!」

「素晴らしいです。カノン様! 必ずデーモンを倒します! お2人の結婚式にはどんなドレスを着て行こうかしら?」

「そんな! グリンダ、気が早いわよ!」

「あら、いけないわ!」

「フフフ」

「ははは……」



 ◇



「さて、ペルーサ君、説明してもらおうかしら?」

「……はい」

 部屋に戻り3人で話し合い……いや、裁判が始まった。

「ペルーサ……お前、姫様と婚約していたのか!?」

「……はい」

「ひどいわね、ペルーサ君……あっ! 王子ってお呼びした方がいいかしら?」

「……勘弁してください」

「カノン様と婚約しているのに部屋に美女2人を連れ込む三股王子だったなんて……」

「連れ込んだって……2人とも勝手に引っ越して来たんでしょ……」

「そして風呂までのぞくとは……失望したぞ! ペルーサ!」

「それはオリビアさんが勝手にお風呂入って来たんでしょ!」

「とんでもないドスケベねペルーサ君は……」

「……わかりました! カノン様にちゃんと話します! 2人は出て行ってください!」

「あら? 強気ね王子様。でもね、カノン様と婚約してるのにも関わらず城内でこんなハーレムを作り上げて。バレたら死刑ね、死刑」

「そ、そんなぁ……」

「ペルーサ……来世ではまともに生きるんだぞ?」

 真顔のオリビアさん。

「私たちはレベル100の魔法使いのペルーサ君に無理やり連れてこられて性奴隷としてあんなことやこんなことをさせられたって言うわ」

「……どうすれば……」

「……まあでも、ペルーサ君がカノン様の婚約者なら私たちもとっとと引っ越すしかないわね」

「そうだな、カノン様を傷つけることはできん」

「2人とも……ごめんなさい。僕がハッキリしないのがいけなかったんです」

「そうよ。だから分かってるわよね?」

「え?」

「引っ越しにも時間がかかるでしょ? 前住んでた部屋はもう誰か住んでるんでしょうし新しい部屋用意してもらわないと」

「……まあそうですね」

「だから引っ越しまでの間、私たちの言うことはなんでも聞いてもらうわね」

「お、それはいいな!」

「えぇーー!?」

「なによ? 嫌なの? ……ちょっとカノン様のお部屋に行ってくるわ!」

「!! わ、分かりましたよ! 引っ越しまでの間ですよ」

「取引成立ね! じゃあ今度、新しい一番良い杖を買いに行きましょう!」

「え? 一番良い杖? 壊したのと同じ杖じゃないんですか?」

「ちょっとカノン様のお部屋に行ってく―――」

「あー! 分かりましたよ!」

「ふふ、ありがとう」

 こうなったグリンダさんはもう止められない……



「私も新しい訓練用のマシーンが欲しかったんだ!」

「……分かりましたよ……」

「なに落ち込んでるのよ! 婚約者がいながら毎晩私たちの裸を堪能してたくせに!」

「た、堪能なんて! まあそれが口止め料ですよ! 引っ越し準備できたら出て行ってくださいよ!」

「わかったわ、あと……」

「?」

「マッサージもお願いしようかしら」

「まあそれくらいいいですよ……――えっ!?」

 おもむろに服を脱ぎ下着姿になるグリンダさん。

「さあ! マッサージお願い!」

「……あの……これの口止め料とかは請求されませんよね……?」



 無事に引っ越しまでバレずに過ごせるのだろうか……
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