『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

文字の大きさ
14 / 77
第一章 勇者パーティーの魔法使い

14

しおりを挟む
「おお! 行ってくれるかアルカンタラ!」
 アルカンタラは国王とペドロ長老に旅立つことを伝えた。
 暗黒水晶を壊しに行くと言うと国王は喜んだ。

「ありがたい。なにしろ現代の戦士は戦闘経験がほぼないからな……アルカンタラのような歴戦の猛者が行ってくれるなら安心じゃ」
 国王はアルカンタラの手を握り締めながら言う。

「歴戦の猛者って……まあやれるだけのことはやるつもりだ」
 アルカンタは力強く答える。

「私もアルカンタラと一緒に行きます。アルカンタラが強いのはわかるんですけど1人では心配ですので……この原始人が何をしでかすか……」
 横に立つミルリーフは国王にそう告げる。

「そうか、ミルリーフも一緒に行ってくれるのか。確かにいくら強くても、この時代のことを何も知らないアルカンタラ1人では冒険は無理じゃろうな。頼んだぞ。
 勇者と賢者の子孫のミルリーフと勇者パーティーのアルカンタラか……これは運命じゃな。2人でこの世界の平和をまた取り戻してくれ!」
 国王はまっすぐな目で2人に言う。

「よし! さっそく行くぞ」
「ちょ、ちょっと待って!」
 今にも城を飛び出そうと駆け出すアルカンタラをミルリーフは引き止める。

「な、なんだよ? 早く暗黒水晶を壊しに行かないとまずいんじゃないのか?」
 アルカンタラは早く冒険に行きたいようでウズウズしていた。

「うーん、もちろんそうなんだけど……暗黒水晶のある最北端の島に行くには、いくつもの国や大陸を超えないとダメなの。それには通行許可証だったり、身分証明書なんかも必要なのよ」

「ミブンショーメーショ……? なんだそれは!?」
 ミルリーフの口から飛び出す聞き覚えのない単語にアルカンタラは首をかしげる。

「……アルカンタラよ。もう昔とは違うんだ」
 ペドロ長老が口を開く。

 100年前とは違い、今は国を跨ぐのも簡単ではないことをアルカンタラに教える。

「そんなもんが必要なのかよ……めんどくせぇな……」
 アルカンタラは舌打ちをする。法律も今のように厳しくなかった昔の冒険者は自由だった。

「仕方ないんだ。100年前は魔王のせいで世界中が荒れ果てていたからな。そんなルールも作る暇もなかったんだ。平和な時代になって、それぞれの国の秩序ができた」
 ペドロ長老は諭すように言う。

「そういう訳じゃ、すまんが数日後待ってくれ。すぐにアルカンタラの冒険に必要なものを用意しよう」

「国王様、大丈夫なんですか? アルカンタラは元々この世に存在しないはずの人間なんですよ?
 最近はモンスターが現れたこともあって世界中の国がピリピリしてますし、怪しいアルカンタラを他の国は入国させてくれますかね?」
 ペドロ長老は心配そうに言う。

「うーむ……そうじゃな。アルカンタラはこの国の王宮魔法使いということにしておこうかのう。
 それでも今の時代、国を超えるのは大変かもしれんが……」

「なるほど……ん? まてよ? ミルリーフ殿とアルカンタラは冒険者ギルドに登録すればいいんじゃないか?」
 ペドロ長老はひらめいたように言う。

「冒険者ギルド……?」
 またしても聞き慣れない言葉に首をかしげるアルカンタラ。


 現代の世界には冒険者ギルドという冒険者を束ねる組織がある。
 元々はモンスターの残党を討伐したり平和維持活動のために作られた。
 モンスターの減った今では、エネルギー源の確保のために冒険者を派遣したりしている。ミルリーフが団長をする調査団も似たような活動をしてる組織だ。

「ほう、今はそんなのができたのか」アルカンタラが言う。
「ああ、世界中のバラバラだった冒険者をソーサー様がひとまとめにしたのがギルドの始まりだ」
「すごいな……ソーサーは魔王を倒した後にもそんなことをしてたのか」
 かつてのパーティー仲間、勇者ソーサーの功績に改めて感嘆するアルカンタラ。

「冒険者ギルドにはランクがあり、上のランクになれば国の行き来も自由になるはずだ。
 最近、モンスターの被害も増えてきてて登録する冒険者も多いらしい。2人とも登録してみると良い」

「ランクか。ふふ、楽しそうだな。弱っちいガキどもを俺の魔法で吹き飛ばせばいいんだろう?」
 アルカンタラは拳を握る。

「……バカね。そんなことしたらギルド追放されるわよ……」
 呆れるミルリーフだった。

 こうして【アムハイナ王国公認 王宮魔法使いアルカンタラ】という身分証証明書を発行することになり、2人の出発は3日後となった。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。

スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜

東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。 ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。 「おい雑魚、これを持っていけ」 ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。 ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。  怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。 いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。  だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。 ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。 勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。 自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。 今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。 だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。 その時だった。 目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。 その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。 ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。 そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。 これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。 ※小説家になろうにて掲載中

どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜

サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。 〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。 だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。 〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。 危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。 『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』 いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。 すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。 これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。

~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】 【複数サイトでランキング入り】 追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語 主人公フライ。 仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。 フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。 外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。 しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。 そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。 「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」 最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。 仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。 そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。 そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。 一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。 イラスト 卯月凪沙様より

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜

サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。 父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。 そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。 彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。 その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。 「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」 そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。 これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

処理中です...