『え?みんな弱すぎない?』現代では俺の魔法は古代魔法で最強でした!100年前の勇者パーティーの魔法使いがまた世界を救う

さかいおさむ

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第一章 勇者パーティーの魔法使い

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 アルカンタラはペドロに城の資料室へ連れてこられた。

 部屋一面の本棚、山のように積み上げられた古い文献。
 勇者パーティーを輩出したアムハイナ王国には勇者パーティーに関する膨大な資料が残っている。
 
「すごい数の本だな」
「ああ、これだけの勇者に関わる資料があるのは世界中でもここくらいだろう」

 アルカンタラは何冊もの本を手に取り読み漁った。
 自分が魔王に氷漬けにされた時から今日までの歴史を確認していた。

 勇者ソーサーがどう魔王を倒したか。
 魔王が滅び、平和になった世界のこと。
 賢者アゼリと結ばれて子供が生まれたこと。
 そして、どの文献でも戦死したパーティーの仲間だったアルカンタラたちの活躍もしっかりと伝承されていた。


「……俺はこんな活躍してねぇっつうの……」
 アルカンタラは目頭を熱くしながら本を読み進めた。

 ソーサーとアゼリの4世代下の子孫がミルリーフということだった。
「ってことはあいつ、ソーサーとアゼリの子供の子供の子供の子供……なのか?」
 アルカンタラは指を折り数える。
 
「そうだな。どの子供たちも強くて優しい心を持った、魔法の才能に溢れる素晴らしい家系だった。
 その中でもミルリーフ殿はとくに高い能力を持っているぞ。血筋なんだろうな。あの若さであれだけの魔法が使える。心優しいところも勇者様達にそっくりだ」
 自分の子供を自慢するように誇らしげなペドロ。
 
「ふん……まあそうだな。氷漬けになってる赤の他人の俺を助けるくらいなんだからな。しかし顔はアゼリそっくりだし……やりづれぇな……」
 アルカンタラ苦笑いする。

「ふふ、そんな2人が一緒に旅に出るっていうのは運命なんだろうな……。不思議なこともあるもんだ」ペドロ長老が言う。
「けっ。俺は一人旅でもいいんだけどな」
「強がりよって。ワシだってもう110歳だ。先は長くは無い。知り合いのいない世界は寂しいぞ?」
 ペドロは静かに笑う。
 
「……まあな。そういえば異種族の奴らは? ドワーフとかエルフとか、この魔法陣を彫った精霊族とか。あとは……魔族もいたか……」
「ああ……人間と異種族の者たちとの関わりは今ではほとんどないな」

 100年前、世界中が魔王が率いる魔族の恐怖にさらされる時代。
 魔族の圧倒的な力の前に魔族以外の種族、人間、ドワーフ、エルフ、精霊などは手を取り合い助け合った。

「あの頃、力の弱い我々は手を組んだが、魔王が滅びてからは平和になったからな。共通の敵がいないと仲間意識もなくなるもんだ。
 ドワーフは地下深く、エルフは森の奥、精霊族は空の上に。今はそれぞれの種族が住む場所が決まっていて他の種族が立ち入る事はなくなった」

「寂しいもんだな。旅の途中で出会った良い奴らもたくさんいたけどな……あと、魔族の生き残りは?」

 不安そうにペドロの見つめるアルカンタラ。
 魔族、数は他の種族に比べると少ないが、強力な魔法操ることのできる種族だ。もちろんかつての魔王も魔族だった。
 
「魔族か……今ではほとんどいない。
 魔王倒した後、生き残った魔族たちは勇者様達が滅ぼした。そもそも、魔族の力の源はモンスターと同じで魔王の悪の魔力だからな。魔王が死んじまった今では魔族にも大した力は残っちゃいないはずだ」

「そうか……しかし、暗黒水晶ってにも当然生き残った魔族が絡んでるんだろうな」

「おそらくな。世界の平和を脅かすのはいつだって魔族だ。2人が暗黒水晶を目指すなら必ず魔族とぶつかることになるだろう」

 ペドロは真剣な面持ちで言う。
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