24 / 77
第二章 冒険者ギルド
24
しおりを挟む
「ゼィゼィ……バ、バーランダー……だ、大丈夫か……?」
やっと到着したバーランダーズの残りのメンバーたち。走ってきただけで大汗をかく姿はとても冒険者には思えない。
「お、お前たち……はっ、バーランダーじゃない! 僕のことは『リーダー』と呼べと言っただろ!」
「バ……リーダー、大丈夫ですか? え? あのモンスターは?」
部下の男はバーランダーの後方に吹き飛ばされ、ピクピクとしている3頭の紫ライオンに気づいた。
「リーダー……すげぇ! さっそく3体もモンスターを狩るなんて痺れます!」
「リーダーすごいっす! 憧れます!」
すっかりモンスターはバーランダーが倒したものと勘違いし、パーティーのリーダーに尊敬の眼差しを向ける2人の部下。
「う……あ、あれは……」
気まずそうにうつむくバーランダー。
「……いやぁ、助かったぜ」
「……え?」
突然のアルカンタラの言葉に驚くバーランダー。
「お前が助けてくれなかったら、やばかったかもしれないなぁ。なあミルリーフ?」
ミルリーフにチラリと視線をやる。
「……ん、そ、そうね……ありがとう、バーランダー君」
アルカンタラの嘘に乗るミルリーフ。
「そんな……いや……」
小さく頭を振るバーランダーだったが、やがてアルカンタラに小さくお辞儀をした。
「……ふふふ、お、お前たち! バーランダーズの初勝利だ!」
「リーダー! 一生ついていきます!」
「リーダーなら暗黒水晶も一撃っすわ!」
すっかりバーランダーに夢中の2人の部下だった。
「……ふふ、そ、それではお2人とも、気をつけて旅を続けて下さい……ね」
「お、おう……」
そう言い、部下の視線に入らないところで今度は深々とお辞儀をし、少し恥ずかしそうに走り去っていくバーランダーだった。
「……あいつらを見てると、世の中は本当は平和なんじゃないかと思えてくるぜ……」
アルカンタラは苦笑いをしてバーランダーを見送った。
「……ま、まあ変な男だけど嫌なヤツじゃないわよね……」
「そ、そうだな……悲しいほどに弱いだけだな……」
「それにしてもアンタがあんな嘘つくなんてビックリしたわよ」
部下の前ということで、自分の手柄をバーランダーに譲ったアルカンタラの行動にミルリーフは驚いていた。
「んー……まあ悪いやつじゃなさそうだしな……ああいう連中も世界を平和にするためには必要なんだろう」
「ふーん、案外いいところあるじゃない!」
ミルリーフはアルカンタラの頭をワシャワシャとなでる。
「や、やめろよ!」
恥ずかしそうに手を振り払う。
「それにしてもバーランダー君もさっきボアモルチで冒険者ギルドの登録をしたって言ってたわ。私たち以外にもいたのね。
モンスターが出現してから冒険者が増えたって言うけど本当みたいね」
「乱世みたいだからな。暗黒水晶を壊して一旗上げたいって奴らも多いんだろう」
「そうみたいね。ライバルも多そうだわ」
「……あんな奴らライバルにならねぇよ」
アルカンタラはバーランダーを思い出し、ボソリとつぶやく。
「あ、ボアモルチが見えてきたわ」
2人は長い荒野を抜け、冒険者ギルド都市ボアモルチに到着した。
やっと到着したバーランダーズの残りのメンバーたち。走ってきただけで大汗をかく姿はとても冒険者には思えない。
「お、お前たち……はっ、バーランダーじゃない! 僕のことは『リーダー』と呼べと言っただろ!」
「バ……リーダー、大丈夫ですか? え? あのモンスターは?」
部下の男はバーランダーの後方に吹き飛ばされ、ピクピクとしている3頭の紫ライオンに気づいた。
「リーダー……すげぇ! さっそく3体もモンスターを狩るなんて痺れます!」
「リーダーすごいっす! 憧れます!」
すっかりモンスターはバーランダーが倒したものと勘違いし、パーティーのリーダーに尊敬の眼差しを向ける2人の部下。
「う……あ、あれは……」
気まずそうにうつむくバーランダー。
「……いやぁ、助かったぜ」
「……え?」
突然のアルカンタラの言葉に驚くバーランダー。
「お前が助けてくれなかったら、やばかったかもしれないなぁ。なあミルリーフ?」
ミルリーフにチラリと視線をやる。
「……ん、そ、そうね……ありがとう、バーランダー君」
アルカンタラの嘘に乗るミルリーフ。
「そんな……いや……」
小さく頭を振るバーランダーだったが、やがてアルカンタラに小さくお辞儀をした。
「……ふふふ、お、お前たち! バーランダーズの初勝利だ!」
「リーダー! 一生ついていきます!」
「リーダーなら暗黒水晶も一撃っすわ!」
すっかりバーランダーに夢中の2人の部下だった。
「……ふふ、そ、それではお2人とも、気をつけて旅を続けて下さい……ね」
「お、おう……」
そう言い、部下の視線に入らないところで今度は深々とお辞儀をし、少し恥ずかしそうに走り去っていくバーランダーだった。
「……あいつらを見てると、世の中は本当は平和なんじゃないかと思えてくるぜ……」
アルカンタラは苦笑いをしてバーランダーを見送った。
「……ま、まあ変な男だけど嫌なヤツじゃないわよね……」
「そ、そうだな……悲しいほどに弱いだけだな……」
「それにしてもアンタがあんな嘘つくなんてビックリしたわよ」
部下の前ということで、自分の手柄をバーランダーに譲ったアルカンタラの行動にミルリーフは驚いていた。
「んー……まあ悪いやつじゃなさそうだしな……ああいう連中も世界を平和にするためには必要なんだろう」
「ふーん、案外いいところあるじゃない!」
ミルリーフはアルカンタラの頭をワシャワシャとなでる。
「や、やめろよ!」
恥ずかしそうに手を振り払う。
「それにしてもバーランダー君もさっきボアモルチで冒険者ギルドの登録をしたって言ってたわ。私たち以外にもいたのね。
モンスターが出現してから冒険者が増えたって言うけど本当みたいね」
「乱世みたいだからな。暗黒水晶を壊して一旗上げたいって奴らも多いんだろう」
「そうみたいね。ライバルも多そうだわ」
「……あんな奴らライバルにならねぇよ」
アルカンタラはバーランダーを思い出し、ボソリとつぶやく。
「あ、ボアモルチが見えてきたわ」
2人は長い荒野を抜け、冒険者ギルド都市ボアモルチに到着した。
20
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました
髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」
気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。
しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。
「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。
だが……一人きりになったとき、俺は気づく。
唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。
出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。
雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。
これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。
裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか――
運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。
毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります!
期間限定で10時と17時と21時も投稿予定
※表紙のイラストはAIによるイメージです
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
どうも、命中率0%の最弱村人です 〜隠しダンジョンを周回してたらレベル∞になったので、種族進化して『半神』目指そうと思います〜
サイダーボウイ
ファンタジー
この世界では15歳になって成人を迎えると『天恵の儀式』でジョブを授かる。
〈村人〉のジョブを授かったティムは、勇者一行が訪れるのを待つ村で妹とともに仲良く暮らしていた。
だがちょっとした出来事をきっかけにティムは村から追放を言い渡され、モンスターが棲息する森へと放り出されてしまう。
〈村人〉の固有スキルは【命中率0%】というデメリットしかない最弱スキルのため、ティムはスライムすらまともに倒せない。
危うく死にかけたティムは森の中をさまよっているうちにある隠しダンジョンを発見する。
『【煌世主の意志】を感知しました。EXスキル【オートスキップ】が覚醒します』
いきなり現れたウィンドウに驚きつつもティムは試しに【オートスキップ】を使ってみることに。
すると、いつの間にか自分のレベルが∞になって……。
これは、やがて【種族の支配者(キング・オブ・オーバーロード)】と呼ばれる男が、最弱の村人から最強種族の『半神』へと至り、世界を救ってしまうお話である。
~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる
静内燕
ファンタジー
【カクヨムコン最終選考進出】
【複数サイトでランキング入り】
追放された主人公フライがその能力を覚醒させ、成り上がりっていく物語
主人公フライ。
仲間たちがスキルを開花させ、パーティーがSランクまで昇華していく中、彼が与えられたスキルは「精霊王」という伝説上の生き物にしか対象にできない使用用途が限られた外れスキルだった。
フライはダンジョンの案内役や、料理、周囲の加護、荷物持ちなど、あらゆる雑用を喜んでこなしていた。
外れスキルの自分でも、仲間達の役に立てるからと。
しかしその奮闘ぶりは、恵まれたスキルを持つ仲間たちからは認められず、毎日のように不当な扱いを受ける日々。
そしてとうとうダンジョンの中でパーティーからの追放を宣告されてしまう。
「お前みたいなゴミの変わりはいくらでもいる」
最後のクエストのダンジョンの主は、今までと比較にならないほど強く、歯が立たない敵だった。
仲間たちは我先に逃亡、残ったのはフライ一人だけ。
そこでダンジョンの主は告げる、あなたのスキルを待っていた。と──。
そして不遇だったスキルがようやく開花し、最強の冒険者へとのし上がっていく。
一方、裏方で支えていたフライがいなくなったパーティーたちが没落していく物語。
イラスト 卯月凪沙様より
迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
異世界で美少女『攻略』スキルでハーレム目指します。嫁のために命懸けてたらいつの間にか最強に!?雷撃魔法と聖剣で俺TUEEEもできて最高です。
真心糸
ファンタジー
☆カクヨムにて、200万PV、ブクマ6500達成!☆
【あらすじ】
どこにでもいるサラリーマンの主人公は、突如光り出した自宅のPCから異世界に転生することになる。
神様は言った。
「あなたはこれから別の世界に転生します。キャラクター設定を行ってください」
現世になんの未練もない主人公は、その状況をすんなり受け入れ、神様らしき人物の指示に従うことにした。
神様曰く、好きな外見を設定して、有効なポイントの範囲内でチートスキルを授けてくれるとのことだ。
それはいい。じゃあ、理想のイケメンになって、美少女ハーレムが作れるようなスキルを取得しよう。
あと、できれば俺TUEEEもしたいなぁ。
そう考えた主人公は、欲望のままにキャラ設定を行った。
そして彼は、剣と魔法がある異世界に「ライ・ミカヅチ」として転生することになる。
ライが取得したチートスキルのうち、最も興味深いのは『攻略』というスキルだ。
この攻略スキルは、好みの美少女を全世界から検索できるのはもちろんのこと、その子の好感度が上がるようなイベントを予見してアドバイスまでしてくれるという優れモノらしい。
さっそく攻略スキルを使ってみると、前世では見たことないような美少女に出会うことができ、このタイミングでこんなセリフを囁くと好感度が上がるよ、なんてアドバイスまでしてくれた。
そして、その通りに行動すると、めちゃくちゃモテたのだ。
チートスキルの効果を実感したライは、冒険者となって俺TUEEEを楽しみながら、理想のハーレムを作ることを人生の目標に決める。
しかし、出会う美少女たちは皆、なにかしらの逆境に苦しんでいて、ライはそんな彼女たちに全力で救いの手を差し伸べる。
もちろん、攻略スキルを使って。
もちろん、救ったあとはハーレムに入ってもらう。
下心全開なのに、正義感があって、熱い心を持つ男ライ・ミカヅチ。
これは、そんな主人公が、異世界を全力で生き抜き、たくさんの美少女を助ける物語。
【他サイトでの掲載状況】
本作は、カクヨム様、小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる