6 / 6
第4話 ー執着ー
しおりを挟む
全員の治療が終わり、勇馬は縁側に座って一息ついていた。
ここからは、村の様子も少し見ることができる。
ーーしかし、先程からリーネの姿が見当たらない。
勇馬はリーネの居場所が気になり、きょろきょろと彼女の姿を探した。
すると、小さな女の子が勇馬の左隣に座った。
その少女は、リーネにお供をしていた3人のうちの1人だった。
「リーネ様なら、『祈りの森』だと思うよぉ♪」
少女はニコッと笑った。
勇馬は考えていたことを見透かされて少し顔を赤くしたが、すぐにその表情は一変した。
「”祈りの森”……?村の外……だよね?1人で行かせたら危ないよ……!」
そう言うと勇馬は青ざめた顔で立ち上がった。
しかし少女は、のん気に縁側に座りながらブラブラと両足を揺らしている。
「大丈夫大丈夫♪ちゃーんと『ゴウコツ』がついてるから!」
勇馬はそれが誰のことかわからなかったが、先程から姿を消しているあの大男だろうと推測した。
(でも……もしまたあの大鬼が現れたら……)
心配する勇馬をよそに、少女は楽しそうな表情で勇馬を見上げた。
「私は『ナキナ』!よろしくね、お兄ちゃん♪」
「えっ……う、うん……よろしく。」
勇馬は、突然の”お兄ちゃん”呼びに何だかこそばゆくなって頬を掻いた。
ナキナは相変わらずニコニコと楽しそうにしている。
勇馬はそんな悠長な様子のナキナを見て、『大丈夫』という彼女の言葉を信じることにした。
勇馬は再び縁側に腰かけ、この世界について知るためにナキナに質問をした。
「ところでナキナ。”祈りの森”って何?リーネもその森のことを言っていたんだ。」
勇馬は、初めにいた森でリーネが『この森ではなく、”祈りの森”かもしれない。』と言っていたことを思い出していた。
「んーー……」
ナキナは細い指を顎に当て、考えている素振りを見せる。
しかし数秒でその素振りを止め、満面の笑みで答えた。
「私も、よくわからないんだ~♪」
ナキナは声は元気が良く、ハキハキとしていた。
見ると彼女はこの話題に興味がなくなったのか、目の前を飛んでいる蝶々を捕まえようと両手を伸ばしている。
勇馬があっけにとられていると、背後からふふっと笑い声が聞こえた。
「まったく、ナキナちゃんは……。それで『三盾士』なんだから驚きだわ……。”祈りの森”は、リーネが毎日祈りを捧げている神聖な場所よ……?」
そう答えたのは、先ほど傷の手当てをしてくれた女性だった。
「んー。でも、何で神聖なのかよくわからないしぃ……」
「特別な場所なのよ……。あなただって、何度もアレを見てるでしょう……?」
女性はそう言いながら勇馬の元に近づいた。
「私、『セリカ』って言うの……。隣……座っても……?」
セリカの言葉に勇馬は慌てて左に詰めて、右隣にスペースを作った。
「ど、どうぞどうぞ!」
「ありがとう……」
するとセリカは、思っていた以上に体を寄せて勇馬の右隣に座った。
セリカの胸が勇馬の肘に押し当てられる。
勇馬は顔を真っ赤にして慌てて左に寄った。
「んっ……」
「!」
すると今度は、左隣にいたナキナに思いっきりくっついてしまった。
ナキナは窮屈そうな表情を浮かべ勇馬を見上げている。
勇馬は慌てて身を縮め、なるべく2人に触らないように努めた。
すると勇馬は、庭の隅で先程の切れ長の目の男がこちらを睨んでいることに気付いた。
ナキナもその男の存在に気付くと、片手を大きく降り始めた。
「あ!シエル~~!シエルもこっちおいでよ~♪このお兄ちゃんのこと気になってるんでしょ~~?」
どうやらあの男は『シエル』という名前らしかった。
「いらん。」
シエルは一言そう言うと、その場から離れて行ってしまった。
「あれぇ……?シエル、普段はあんなことないのにぃ……」
ナキナが悲しそうに呟く。
寂しそうなナキナの表情に、勇馬も何だか気分が沈むのを感じた。
(僕は避けられてるみたいだな……。角が生えていないからなのかな……)
勇馬は家の外に向かっていくシエルの角を目で追いながら、自分の頭に手をやった。
「あなた……お名前は……?」
突然話しかけられ、勇馬は驚いて右を振り向いた。
「ゆ、勇馬です……」
「そう……。ユーマくん……さっきは怖がらせて、ごめんね……?」
セリカが、妖艶かつイタズラな表情で勇馬を見つめる。
勇馬はふいに、先程のセリカの手つきと胸元を思い出し、恥ずかしくなって顔を背けた。
「いえ……失敗するかもしれないと聞いて、ちょっと怖かったですが……」
「ふ~ん……?」
セリカが勇馬の顔を覗き込む。
あまりにも近すぎるセリカの顔を直視することができず、勇馬は顔を赤くして俯きながら答えた。
すると、前方から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「セリカの女神の矜持が失敗するはずがない。大方、こいつで遊んでいたのだろう?」
いつの間に戻ってきたのか、リーネが少し不機嫌な顔で目の前に立っていた。
「あらリーネ……バレちゃった……?だってこの子……可愛いんだもん……」
セリカは近づけていた顔を少しだけ離し、勇馬にウインクをして視線を送った。
勇馬は必至で目を背ける。
ーーーすると勇馬は、突然何か得体のしれない力によって座ったまま家の中に吸い寄せられた。
「うわああああ……!?痛っ!」
急に制止し、勇馬はひっくり返って床に仰向けになった。
「おい、お前。」
目の前に現れたのは、あの大男……『ゴウコツ』だった。
勇馬は天井すれすれの巨躯を目の当たりにして、改めてその大きさに驚きを隠せずにいた。
「ぼ……僕?」
「お前以外の誰がいるというんだ。」
「そう……ですよね……」
「ふふふふっ。」
見ると、縁側で女性達がクスクスと笑っている。
「ゴウコツにつかまったね♪」
「きっと長くなるわね。」
「私達はあっちでお茶でもしない?」
彼女たちはそう言うと再び談笑を始めた。
すると3人の話を気にする様子もなく、ゴウコツは未だにひっくり返ったままの勇馬に思いっきり顔を近づけた。
「お前、姫様のご慈悲で生き延びたことを忘れるなよ?」
「う、うん……」
大男の威圧感に、勇馬はたじろいだ。
「角がない異種族のお前を、姫様は助けるとおっしゃったんだ。その深い御心に感謝するんだ。」
「……。」
「姫様に何かしたら許さないからな……?」
「うん……」
「声が小さい!!!」
「ハイッ……!!!!」
「よし……。……で、お前これからどうするんだ?」
ゴウコツの問いに、勇馬はナキナやセリカと話しているリーネを見つめた。
勇馬は、とにかくリーネと話がしたいと、そればかりを考えていた。
ゴウコツはそんな勇馬の視線に気付き、眉間にしわを寄せた。
「……姫様は今から村回りをする。毎夜の習慣なんだ。」
「え……」
大鬼と戦った上に祈りの森にも行って、さらには村回りもするのかと勇馬は驚嘆したが、それを聞いたことでやりたいことはすぐに決まった。
「……じゃあ付いていくよ。彼女ともっと話がしたいし、彼女のことが知りたいんだ。」
ゴウコツはしばらく黙り込んで何かを考えた後、口を開いた。
「お前、名前は何と言う?」
「……勇馬。」
「ユーマか……。ユーマ、お前、なぜ姫様にそこまでこだわる?」
勇馬は少し間を空けてから答えた。
「彼女……リーネは……僕の大事な人に似ているんだ。」
ゴウコツは再び眉間にしわを寄せた。
「……似ている?似ているだけか?それだけの理由で……」
「似ているなんてものじゃない。生き写しだ。僕は彼女と話がしたい……!」
勇馬は、真剣な眼差しでゴウコツを見つめた。
「姫様はこれから数時間かけて村回りをするのだぞ?」
「うん。」
「村回りが終わっても、話せるかどうかはわからないのだぞ?」
「わかってる……!」
勇馬の力のこもった返事に、ゴウコツはしばらく黙り込んでいた。
ゴウコツは、勇馬のリーネに対する執着は異常なようにも感じていた。
しかし、勇馬の真っすぐで真剣な眼差しを見て、こう答えた。
「わかった、お前を信じよう。……だが、俺もついていく。妙な動きをしたら殺す。わかったな?」
「わかった!ありがとう!」
「よし。」
ゴウコツは立ち上がった。
頭が天井にぶつかりそうになる。
「お前のように熱い男は嫌いじゃないぜ?」
ゴウコツはそう言って、ガハハと笑った。
ここからは、村の様子も少し見ることができる。
ーーしかし、先程からリーネの姿が見当たらない。
勇馬はリーネの居場所が気になり、きょろきょろと彼女の姿を探した。
すると、小さな女の子が勇馬の左隣に座った。
その少女は、リーネにお供をしていた3人のうちの1人だった。
「リーネ様なら、『祈りの森』だと思うよぉ♪」
少女はニコッと笑った。
勇馬は考えていたことを見透かされて少し顔を赤くしたが、すぐにその表情は一変した。
「”祈りの森”……?村の外……だよね?1人で行かせたら危ないよ……!」
そう言うと勇馬は青ざめた顔で立ち上がった。
しかし少女は、のん気に縁側に座りながらブラブラと両足を揺らしている。
「大丈夫大丈夫♪ちゃーんと『ゴウコツ』がついてるから!」
勇馬はそれが誰のことかわからなかったが、先程から姿を消しているあの大男だろうと推測した。
(でも……もしまたあの大鬼が現れたら……)
心配する勇馬をよそに、少女は楽しそうな表情で勇馬を見上げた。
「私は『ナキナ』!よろしくね、お兄ちゃん♪」
「えっ……う、うん……よろしく。」
勇馬は、突然の”お兄ちゃん”呼びに何だかこそばゆくなって頬を掻いた。
ナキナは相変わらずニコニコと楽しそうにしている。
勇馬はそんな悠長な様子のナキナを見て、『大丈夫』という彼女の言葉を信じることにした。
勇馬は再び縁側に腰かけ、この世界について知るためにナキナに質問をした。
「ところでナキナ。”祈りの森”って何?リーネもその森のことを言っていたんだ。」
勇馬は、初めにいた森でリーネが『この森ではなく、”祈りの森”かもしれない。』と言っていたことを思い出していた。
「んーー……」
ナキナは細い指を顎に当て、考えている素振りを見せる。
しかし数秒でその素振りを止め、満面の笑みで答えた。
「私も、よくわからないんだ~♪」
ナキナは声は元気が良く、ハキハキとしていた。
見ると彼女はこの話題に興味がなくなったのか、目の前を飛んでいる蝶々を捕まえようと両手を伸ばしている。
勇馬があっけにとられていると、背後からふふっと笑い声が聞こえた。
「まったく、ナキナちゃんは……。それで『三盾士』なんだから驚きだわ……。”祈りの森”は、リーネが毎日祈りを捧げている神聖な場所よ……?」
そう答えたのは、先ほど傷の手当てをしてくれた女性だった。
「んー。でも、何で神聖なのかよくわからないしぃ……」
「特別な場所なのよ……。あなただって、何度もアレを見てるでしょう……?」
女性はそう言いながら勇馬の元に近づいた。
「私、『セリカ』って言うの……。隣……座っても……?」
セリカの言葉に勇馬は慌てて左に詰めて、右隣にスペースを作った。
「ど、どうぞどうぞ!」
「ありがとう……」
するとセリカは、思っていた以上に体を寄せて勇馬の右隣に座った。
セリカの胸が勇馬の肘に押し当てられる。
勇馬は顔を真っ赤にして慌てて左に寄った。
「んっ……」
「!」
すると今度は、左隣にいたナキナに思いっきりくっついてしまった。
ナキナは窮屈そうな表情を浮かべ勇馬を見上げている。
勇馬は慌てて身を縮め、なるべく2人に触らないように努めた。
すると勇馬は、庭の隅で先程の切れ長の目の男がこちらを睨んでいることに気付いた。
ナキナもその男の存在に気付くと、片手を大きく降り始めた。
「あ!シエル~~!シエルもこっちおいでよ~♪このお兄ちゃんのこと気になってるんでしょ~~?」
どうやらあの男は『シエル』という名前らしかった。
「いらん。」
シエルは一言そう言うと、その場から離れて行ってしまった。
「あれぇ……?シエル、普段はあんなことないのにぃ……」
ナキナが悲しそうに呟く。
寂しそうなナキナの表情に、勇馬も何だか気分が沈むのを感じた。
(僕は避けられてるみたいだな……。角が生えていないからなのかな……)
勇馬は家の外に向かっていくシエルの角を目で追いながら、自分の頭に手をやった。
「あなた……お名前は……?」
突然話しかけられ、勇馬は驚いて右を振り向いた。
「ゆ、勇馬です……」
「そう……。ユーマくん……さっきは怖がらせて、ごめんね……?」
セリカが、妖艶かつイタズラな表情で勇馬を見つめる。
勇馬はふいに、先程のセリカの手つきと胸元を思い出し、恥ずかしくなって顔を背けた。
「いえ……失敗するかもしれないと聞いて、ちょっと怖かったですが……」
「ふ~ん……?」
セリカが勇馬の顔を覗き込む。
あまりにも近すぎるセリカの顔を直視することができず、勇馬は顔を赤くして俯きながら答えた。
すると、前方から聞き慣れた声が聞こえてきた。
「セリカの女神の矜持が失敗するはずがない。大方、こいつで遊んでいたのだろう?」
いつの間に戻ってきたのか、リーネが少し不機嫌な顔で目の前に立っていた。
「あらリーネ……バレちゃった……?だってこの子……可愛いんだもん……」
セリカは近づけていた顔を少しだけ離し、勇馬にウインクをして視線を送った。
勇馬は必至で目を背ける。
ーーーすると勇馬は、突然何か得体のしれない力によって座ったまま家の中に吸い寄せられた。
「うわああああ……!?痛っ!」
急に制止し、勇馬はひっくり返って床に仰向けになった。
「おい、お前。」
目の前に現れたのは、あの大男……『ゴウコツ』だった。
勇馬は天井すれすれの巨躯を目の当たりにして、改めてその大きさに驚きを隠せずにいた。
「ぼ……僕?」
「お前以外の誰がいるというんだ。」
「そう……ですよね……」
「ふふふふっ。」
見ると、縁側で女性達がクスクスと笑っている。
「ゴウコツにつかまったね♪」
「きっと長くなるわね。」
「私達はあっちでお茶でもしない?」
彼女たちはそう言うと再び談笑を始めた。
すると3人の話を気にする様子もなく、ゴウコツは未だにひっくり返ったままの勇馬に思いっきり顔を近づけた。
「お前、姫様のご慈悲で生き延びたことを忘れるなよ?」
「う、うん……」
大男の威圧感に、勇馬はたじろいだ。
「角がない異種族のお前を、姫様は助けるとおっしゃったんだ。その深い御心に感謝するんだ。」
「……。」
「姫様に何かしたら許さないからな……?」
「うん……」
「声が小さい!!!」
「ハイッ……!!!!」
「よし……。……で、お前これからどうするんだ?」
ゴウコツの問いに、勇馬はナキナやセリカと話しているリーネを見つめた。
勇馬は、とにかくリーネと話がしたいと、そればかりを考えていた。
ゴウコツはそんな勇馬の視線に気付き、眉間にしわを寄せた。
「……姫様は今から村回りをする。毎夜の習慣なんだ。」
「え……」
大鬼と戦った上に祈りの森にも行って、さらには村回りもするのかと勇馬は驚嘆したが、それを聞いたことでやりたいことはすぐに決まった。
「……じゃあ付いていくよ。彼女ともっと話がしたいし、彼女のことが知りたいんだ。」
ゴウコツはしばらく黙り込んで何かを考えた後、口を開いた。
「お前、名前は何と言う?」
「……勇馬。」
「ユーマか……。ユーマ、お前、なぜ姫様にそこまでこだわる?」
勇馬は少し間を空けてから答えた。
「彼女……リーネは……僕の大事な人に似ているんだ。」
ゴウコツは再び眉間にしわを寄せた。
「……似ている?似ているだけか?それだけの理由で……」
「似ているなんてものじゃない。生き写しだ。僕は彼女と話がしたい……!」
勇馬は、真剣な眼差しでゴウコツを見つめた。
「姫様はこれから数時間かけて村回りをするのだぞ?」
「うん。」
「村回りが終わっても、話せるかどうかはわからないのだぞ?」
「わかってる……!」
勇馬の力のこもった返事に、ゴウコツはしばらく黙り込んでいた。
ゴウコツは、勇馬のリーネに対する執着は異常なようにも感じていた。
しかし、勇馬の真っすぐで真剣な眼差しを見て、こう答えた。
「わかった、お前を信じよう。……だが、俺もついていく。妙な動きをしたら殺す。わかったな?」
「わかった!ありがとう!」
「よし。」
ゴウコツは立ち上がった。
頭が天井にぶつかりそうになる。
「お前のように熱い男は嫌いじゃないぜ?」
ゴウコツはそう言って、ガハハと笑った。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる