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第1章
⑧【※】
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ゼノ先輩の瞳が驚愕の色を映した。でも、彼の瞳にはどこか俺を責めているような色が宿っている。
……気のせい?
「ゼノ、せんぱい――っ」
一気に指が根元まで挿った。
「ぁあっ、や、だめ――」
荒々しく指を抽送されて、身体が震える。
先ほどまで気遣ってくれていたのが嘘みたいに、乱暴な動きだ。
かと思うと、今度は突然指が止まる。根元まで埋まった太い指を、切なそうに後孔が締め付けた。
「アルリクは、誰かに抱かれたことがあるのか?」
「……え?」
頭が理解することを一瞬放棄した。
どうして俺の性事情をゼノ先輩が気にするんだろうか。
というか、なんでそんなこと聞くの?
「お前の身体が誰かに暴かれたあとなのかと思うと、腹立たしい」
俺の背中にゼノ先輩がのしかかる。肩を噛まれた。痛みを発するほどに強い力だ。
「答えろ。……お前は、誰かに抱かれたことがあるのか?」
問いかけに胸がぎゅうっと苦しくなる。
これって世にいう嫉妬では? 俺、今、ゼノ先輩に嫉妬してもらってる……?
(けど、この誤解を解くためには……その)
俺は正真正銘誰にも抱かれたことがない。いわば処女だ。
でも、これを明かすということは、自分で後孔を弄っていたと暴露しなくちゃダメで――。
「男の嫉妬は醜いと理解している。……が、俺はお前を抱いたほかの男を許せそうにない」
噛んだ場所を舌先でつつかれた。
優しく舐めて、つついてくる。舌の温かさと唾液のぬめりが俺の身体をさらに昂らせている。
「――なぁ」
耳元でささやかれて、白状しようと決意した。
「誰にも、抱かれてない、です」
とぎれとぎれに伝えると、ゼノ先輩が息を飲んだ。
今の俺は耳まで真っ赤だろう。羞恥に心を支配されている。
「俺、ゼノ先輩とこういうことしたくて……自分で、弄ってたんです」
うぅ、なんでこんなこと白状しているんだろうか。
「ゼノ先輩のこと好きになって、それで、その。……いつか抱いてもらうんだって、夢見てて」
もうやだ。それに、これじゃあゼノ先輩に抱かれる妄想してたってバレるじゃんか。墓穴を掘ってしまった。
「や、忘れてください――!」
なにも言わないゼノ先輩が怖くて、俺は顔をシーツにうずめた。
「――そうか」
しばらくして、ゼノ先輩が口を開く。聞こえた声はひどく優しい。
「いいことを聞いた」
「忘れてっ!」
「いや、ずっと覚えている」
この人はなんて意地悪なんだろうか。普段は優しいのに、セックスのときだけ意地悪なんて――ズルい。本当に反則だ。
「そんなに俺とシタかったのに、我慢させて悪かったな」
ゼノ先輩の大きな手のひらが、俺の頭に乗った。何度かポンポンと優しく叩かれて、涙が込み上げてきた。
「ぜのせん――」
「我慢させてしまった分、いっぱい甘やかしてやるから」
振り向こうとして、唇を奪われた。
唾液を交換するみたいな、深いキス。夢中になっていると、後孔に埋まっていた指がもう一度動き始めた。
「ぁ、あっ、やっ!」
「いい子だな。きちんと感じることができて」
俺の視線とゼノ先輩の視線が絡み合う。じっと見つめられていると、身体の中が燃えているみたいだ。消えることを知らない情欲が、まるで血のように俺の全身を流れている。
「……いっぱい、キスして」
「仰せのままに」
ゼノ先輩は俺のおねだりに応えてくれて、たくさんキスをしてくれた。
触れるだけのもの、舌を絡め合うもの。舌先を吸われると、ぴりりとした快楽が身体中を這いまわる。
「――ぁあっ!」
身体に走った強い快楽に、声が漏れた。
「そこ、そこきもちいいの……!」
「そうか」
ゼノ先輩の指が俺の気持ちいい部分をひたすら刺激した。
容赦なく攻められてしまうと、あっけなくイってしまいそうになる。
「身体が震えてるな。……イキそうか?」
耳元でささやかれて、俺は言葉の代わりに首を縦に振った。
ダメ、もうダメ――イッちゃうって。
「いつでもイっていいぞ」
ゼノ先輩が俺の耳の孔に息を吹きかけた。
背筋にゾクゾクとしたものが這いまわって――俺はびくんと身体を跳ねさせていた。
「やぁっ! イク――」
気づいたら、達していた。シーツの上に白濁が飛び散ったのと同時に――俺の身体から力がすとんと抜ける。
……気のせい?
「ゼノ、せんぱい――っ」
一気に指が根元まで挿った。
「ぁあっ、や、だめ――」
荒々しく指を抽送されて、身体が震える。
先ほどまで気遣ってくれていたのが嘘みたいに、乱暴な動きだ。
かと思うと、今度は突然指が止まる。根元まで埋まった太い指を、切なそうに後孔が締め付けた。
「アルリクは、誰かに抱かれたことがあるのか?」
「……え?」
頭が理解することを一瞬放棄した。
どうして俺の性事情をゼノ先輩が気にするんだろうか。
というか、なんでそんなこと聞くの?
「お前の身体が誰かに暴かれたあとなのかと思うと、腹立たしい」
俺の背中にゼノ先輩がのしかかる。肩を噛まれた。痛みを発するほどに強い力だ。
「答えろ。……お前は、誰かに抱かれたことがあるのか?」
問いかけに胸がぎゅうっと苦しくなる。
これって世にいう嫉妬では? 俺、今、ゼノ先輩に嫉妬してもらってる……?
(けど、この誤解を解くためには……その)
俺は正真正銘誰にも抱かれたことがない。いわば処女だ。
でも、これを明かすということは、自分で後孔を弄っていたと暴露しなくちゃダメで――。
「男の嫉妬は醜いと理解している。……が、俺はお前を抱いたほかの男を許せそうにない」
噛んだ場所を舌先でつつかれた。
優しく舐めて、つついてくる。舌の温かさと唾液のぬめりが俺の身体をさらに昂らせている。
「――なぁ」
耳元でささやかれて、白状しようと決意した。
「誰にも、抱かれてない、です」
とぎれとぎれに伝えると、ゼノ先輩が息を飲んだ。
今の俺は耳まで真っ赤だろう。羞恥に心を支配されている。
「俺、ゼノ先輩とこういうことしたくて……自分で、弄ってたんです」
うぅ、なんでこんなこと白状しているんだろうか。
「ゼノ先輩のこと好きになって、それで、その。……いつか抱いてもらうんだって、夢見てて」
もうやだ。それに、これじゃあゼノ先輩に抱かれる妄想してたってバレるじゃんか。墓穴を掘ってしまった。
「や、忘れてください――!」
なにも言わないゼノ先輩が怖くて、俺は顔をシーツにうずめた。
「――そうか」
しばらくして、ゼノ先輩が口を開く。聞こえた声はひどく優しい。
「いいことを聞いた」
「忘れてっ!」
「いや、ずっと覚えている」
この人はなんて意地悪なんだろうか。普段は優しいのに、セックスのときだけ意地悪なんて――ズルい。本当に反則だ。
「そんなに俺とシタかったのに、我慢させて悪かったな」
ゼノ先輩の大きな手のひらが、俺の頭に乗った。何度かポンポンと優しく叩かれて、涙が込み上げてきた。
「ぜのせん――」
「我慢させてしまった分、いっぱい甘やかしてやるから」
振り向こうとして、唇を奪われた。
唾液を交換するみたいな、深いキス。夢中になっていると、後孔に埋まっていた指がもう一度動き始めた。
「ぁ、あっ、やっ!」
「いい子だな。きちんと感じることができて」
俺の視線とゼノ先輩の視線が絡み合う。じっと見つめられていると、身体の中が燃えているみたいだ。消えることを知らない情欲が、まるで血のように俺の全身を流れている。
「……いっぱい、キスして」
「仰せのままに」
ゼノ先輩は俺のおねだりに応えてくれて、たくさんキスをしてくれた。
触れるだけのもの、舌を絡め合うもの。舌先を吸われると、ぴりりとした快楽が身体中を這いまわる。
「――ぁあっ!」
身体に走った強い快楽に、声が漏れた。
「そこ、そこきもちいいの……!」
「そうか」
ゼノ先輩の指が俺の気持ちいい部分をひたすら刺激した。
容赦なく攻められてしまうと、あっけなくイってしまいそうになる。
「身体が震えてるな。……イキそうか?」
耳元でささやかれて、俺は言葉の代わりに首を縦に振った。
ダメ、もうダメ――イッちゃうって。
「いつでもイっていいぞ」
ゼノ先輩が俺の耳の孔に息を吹きかけた。
背筋にゾクゾクとしたものが這いまわって――俺はびくんと身体を跳ねさせていた。
「やぁっ! イク――」
気づいたら、達していた。シーツの上に白濁が飛び散ったのと同時に――俺の身体から力がすとんと抜ける。
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