【完結】【R18】モブに転生した俺は、推しのトラウマにはなりません!

すめらぎかなめ

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本編

(なんでっ――!)

 ルドヴィックの考えがわからない。

「ノアム、口開けて」

 俺を見下ろす冷たい瞳と、淡々とした声。

 こんなルドヴィックを知らなくて、怖くなる。

 逆らえず、唇を開いた。

「そ、いい子」

 ルドヴィックが俺の茶髪を撫でて――唇を重ねる。

 そして、開いた唇に強引に舌をねじ込んだ。驚きから俺の身体が跳ねた。

 口元からくちゅくちゅと水音がする。ルドヴィックの舌は俺の口腔内を余すところなく刺激する。

 思考がぼんやりとしてくる。頭がふわふわする。このまま、ルドヴィックに身を任せたら――。

(だめだろ。リュリュのために――!)

 控えめな力でルドヴィックの胸を押した。

 でも、力じゃ敵わない。ここ数年ですっかりたくましくなったルドヴィックは、俺の抵抗をものともしなかった。

「ノアム、抵抗しないで。これ以上抵抗するなら縛るよ」

 顔の上から降ってくる声に、身体が震えた。

 付き合いが長いからこそ、わかる。ルドヴィックは本気だと。

 恐る恐るルドヴィックの顔を見上げる。上目遣いになると、ルドヴィックが息をのんだ。

「可愛い。いっぱい気持ちよくしてあげるから」

 唇にキスを落として、ルドヴィックが俺の衣服に手をかける。

 はっとしてルドヴィックの手首をつかんだ。

「なに?」

 にっこり笑って問いかけられ、俺は黙った。

 これ以上抵抗したら縛るって、こいつ――。

「ルドヴィック」
「なあに」
「……なんで、こんなことするの」

 自分でも驚くほどに声が弱い。

 恐怖から身体が震える。ルドヴィックのことは好きだけど――気持ちのない行為は嫌だった。

「俺、ルドヴィックのこと不快にさせたか? それとも、俺が気に食わないの?」

 声まで震えている。

 俺、シナリオ通りにルドヴィックのトラウマになるべきだった?

「――そうだね。すごく、不快」

 ルドヴィックは俺の手をつかんで、頭の上でひとまとめにした。俺の顔を覗き込む青の双眸が、ゆっくり細められていく。

「ノアムが俺から離れようとしているのが不快かな」
「けど、それは」
「それに、ノアムが俺以外のやつに想いを寄せているのも不快だよ」

 ルドヴィックの指先が髪の毛を梳いた。かと思うと、一房だけ手に取って、唇を落とす。

 王子さまがお姫さまにするようなキスに、目を奪われた。

「俺が一番ノアムのことを知ってる。……俺が一番、ノアムを愛してる」

 つぶやきの意味を理解するより早く、ルドヴィックの手が俺のシャツをまくった。

 俺の素肌に視線を落とし、ルドヴィックは笑った。

「きれい。ここに俺の痕を付けたら、ほかのやつには見せられないよね」

 指先で肌をくすぐられる。

 ルドヴィックの指は俺の腹を撫でて、胸元を撫でる。鎖骨部分を撫でたかと思うと――わき腹に触れた。

「ここ、傷残ってるんだね」
「――あっ」

 そこにあるのは、『あの事件』の傷だ。

 といっても、痛々しいものじゃない。縫った痕がうっすら残っているだけだ。

「可哀そう。痛かったよね。苦しかったよね」

 ルドヴィックがわき腹に唇を寄せる。そのまま、傷痕に唇を落とした。

 いつくしむようなキスに、目を見開く。

「でも、大丈夫。俺が一生かけて償うから」

 こいつは本当になにを言っているんだろうか?

 理解を求める俺をよそに、ルドヴィックの手のひらが俺の胸元に触れる。

 女みたいにふくらみがあるわけじゃない胸に、ルドヴィックの手のひらが滑った。

 円を描くように撫でられたかと思うと、中心の突起に指が触れた。

「うっ」
「気持ちいい?」

 軽く反応した俺に、ルドヴィックが問いかけてくる。

 突起をもてあそぶようにルドヴィックの指が動く。

 気持ちいいはずないのに、声が漏れてしまう。甘ったるい声は、自分のものだと信じたくない。

「すぐに良くしてあげるから。きちんと気持ちよくなってくれないと、やる意味がないからね」

 ルドヴィックが俺の胸に顔を近づける。嫌な予感が胸の中に渦巻いた。

「や、めっ――!」

 乳首の先端に温かいものが触れる。

「これ、気持ちいい?」

 ルドヴィックが舌先で乳首の先端をつつく。ダメ、ダメだって。これは、ダメだって――。
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