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第1部 第4章 最悪とハジメテ
⑫
身体が冷えたらいけないと、くっついて眠ることはまだ理解できた。
それに、昨夜も似たようなものだったし――と。
でも、なんだろうか。後ろから抱きしめられているこの体勢は、さすがにちょっと違うような気がする。
(しかも、キリアンの息が首筋に当たる――!)
どこか生温かい息が僕の首筋に当たって、変な気分になってしまいそうだ。
僕は必死に首を横に振って、気持ちを落ち着ける。なのに、僕の腰に回されたキリアンの腕の感覚で、どうしてもこらえきれない。
「――ジェリー」
苦しそうに息を漏らした僕に、キリアンが心配そうに声をかけてくる。
「う、ううん、なんでもないよ――」
さすがに言えない。
純粋に心配してくれているキリアンに、なんか無性に変な気分になっちゃいそう――なんて、言えない。
キリアンが起きて僕の顔を覗き込んでくる。慌てて両手で自分の顔を隠す。
「おい、ジェリー」
「だ、ダメ、今は見ちゃダメ!」
絶対に変な表情をしてるだろうから――!
そんな僕の願いも虚しく、キリアンは僕の身体の向きを動かしてあおむけにさせた。
彼の手が僕の手をどける。僕は咄嗟に目をつむった。
「ジェリー、大丈夫か?」
心配そうな声が頭の上から降ってきた。本当に申し訳なくてたまらない。
「――き、りあん」
ゆっくりと瞼を上げた。視界に入ったキリアンの心配そうな表情に、心がチクチクと痛む。まるで針で刺されているかのようだ。
「ごめん、ね。その、ちょっと距離を取りたいっていうか――」
目を泳がせ、しどろもどろになりつつ僕は必死に自分の気持ちを伝える。
昨夜はそうじゃなかったのに。どうして、今になって……。
「だから、もうちょっと離れて寝ようよ。冷えたらいけないのはそうなんだけど、このままだと――」
――僕は、変な気持ちになってしまいそうだ。
口を開いて言おうとした。言えなかった。
驚いて目を見開く。キリアンが僕の唇に、自分の唇を重ねていた。
(――え?)
初めてのキスじゃない。二度目も三度目も四度目も経験している。なのに、僕の鼓動は相変わらずうるさい。
「んっ」
何度も何度も角度を変えて口づけられた。僕の手をつかむキリアンの手が動く。
自然な流れで僕の腕をひとまとめにして、頭上で固定した。
(な、にこれ……)
身をよじって逃げようとするのに、それさえ叶わない。
キリアンは自身の舌で僕の唇を割る。僕の口内に舌を差し込んで、蹂躙していく。
(ぁ、やっ――! 今、そんなことされたらっ……!)
――もっともっと、変な気持ちになっちゃうからぁ……!
という僕の心の底からの叫びは、キリアンに呑み込まれていく。
キリアンに舌先をじゅうって音を立てて吸い上げられて、僕の身体が大きく跳ねてしまった。
「ジェリー」
僕の名前を呼ぶキリアンの声が、艶めかしい。鼓動がうるさい。
「き、りあん。その、僕、あのね……その」
なんて言おう。
視線を彷徨わせて、僕が言葉を探していると。キリアンが僕の脚に下肢を押し付けてきたのがわかった。
ソコが硬くなっているのに、僕は気が付いてしまう。
「悪いな、あんまりにもジェリーが可愛いから」
僕を見つめるキリアンの目は獰猛な獣のようだった。
口でこそ「悪い」と言っているけど、心ではちっとも思っていないんだろう。その証拠に、僕の脚に下肢をぐりぐりとこすりつけてくる。
(こんなの、おかしいって――!)
思っているはずなのに。僕の口から零れたのは、色欲を孕んだような吐息だけ。
潤んだ目でキリアンを見上げてしまう。歪んだ視界の中、キリアンが僕を見下ろしている。
視線が僕を射貫いている。まるで、僕のことが欲しいって言っているみたいだった。
「き、りあんは」
「――あぁ」
「僕なんかで、興奮するの――?」
恐る恐る問いかけた。キリアンは口元を歪める。僕の耳元に唇を近づける。
「むしろ、ジェリーじゃないと興奮しない」
それに、昨夜も似たようなものだったし――と。
でも、なんだろうか。後ろから抱きしめられているこの体勢は、さすがにちょっと違うような気がする。
(しかも、キリアンの息が首筋に当たる――!)
どこか生温かい息が僕の首筋に当たって、変な気分になってしまいそうだ。
僕は必死に首を横に振って、気持ちを落ち着ける。なのに、僕の腰に回されたキリアンの腕の感覚で、どうしてもこらえきれない。
「――ジェリー」
苦しそうに息を漏らした僕に、キリアンが心配そうに声をかけてくる。
「う、ううん、なんでもないよ――」
さすがに言えない。
純粋に心配してくれているキリアンに、なんか無性に変な気分になっちゃいそう――なんて、言えない。
キリアンが起きて僕の顔を覗き込んでくる。慌てて両手で自分の顔を隠す。
「おい、ジェリー」
「だ、ダメ、今は見ちゃダメ!」
絶対に変な表情をしてるだろうから――!
そんな僕の願いも虚しく、キリアンは僕の身体の向きを動かしてあおむけにさせた。
彼の手が僕の手をどける。僕は咄嗟に目をつむった。
「ジェリー、大丈夫か?」
心配そうな声が頭の上から降ってきた。本当に申し訳なくてたまらない。
「――き、りあん」
ゆっくりと瞼を上げた。視界に入ったキリアンの心配そうな表情に、心がチクチクと痛む。まるで針で刺されているかのようだ。
「ごめん、ね。その、ちょっと距離を取りたいっていうか――」
目を泳がせ、しどろもどろになりつつ僕は必死に自分の気持ちを伝える。
昨夜はそうじゃなかったのに。どうして、今になって……。
「だから、もうちょっと離れて寝ようよ。冷えたらいけないのはそうなんだけど、このままだと――」
――僕は、変な気持ちになってしまいそうだ。
口を開いて言おうとした。言えなかった。
驚いて目を見開く。キリアンが僕の唇に、自分の唇を重ねていた。
(――え?)
初めてのキスじゃない。二度目も三度目も四度目も経験している。なのに、僕の鼓動は相変わらずうるさい。
「んっ」
何度も何度も角度を変えて口づけられた。僕の手をつかむキリアンの手が動く。
自然な流れで僕の腕をひとまとめにして、頭上で固定した。
(な、にこれ……)
身をよじって逃げようとするのに、それさえ叶わない。
キリアンは自身の舌で僕の唇を割る。僕の口内に舌を差し込んで、蹂躙していく。
(ぁ、やっ――! 今、そんなことされたらっ……!)
――もっともっと、変な気持ちになっちゃうからぁ……!
という僕の心の底からの叫びは、キリアンに呑み込まれていく。
キリアンに舌先をじゅうって音を立てて吸い上げられて、僕の身体が大きく跳ねてしまった。
「ジェリー」
僕の名前を呼ぶキリアンの声が、艶めかしい。鼓動がうるさい。
「き、りあん。その、僕、あのね……その」
なんて言おう。
視線を彷徨わせて、僕が言葉を探していると。キリアンが僕の脚に下肢を押し付けてきたのがわかった。
ソコが硬くなっているのに、僕は気が付いてしまう。
「悪いな、あんまりにもジェリーが可愛いから」
僕を見つめるキリアンの目は獰猛な獣のようだった。
口でこそ「悪い」と言っているけど、心ではちっとも思っていないんだろう。その証拠に、僕の脚に下肢をぐりぐりとこすりつけてくる。
(こんなの、おかしいって――!)
思っているはずなのに。僕の口から零れたのは、色欲を孕んだような吐息だけ。
潤んだ目でキリアンを見上げてしまう。歪んだ視界の中、キリアンが僕を見下ろしている。
視線が僕を射貫いている。まるで、僕のことが欲しいって言っているみたいだった。
「き、りあんは」
「――あぁ」
「僕なんかで、興奮するの――?」
恐る恐る問いかけた。キリアンは口元を歪める。僕の耳元に唇を近づける。
「むしろ、ジェリーじゃないと興奮しない」
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