【R18】気弱魔法使いはこのたび激重勇者に捕獲されました~最強の勇者さんは僕を愛してやみません~

すめらぎかなめ

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第1部 第4章 最悪とハジメテ

⑬【※】

 キリアンの言葉はまっすぐで、僕は顔にカーっと熱が溜まるのを実感してしまう。

「き、キリアン――」
「俺はもう、ジェリーなしじゃ生きていけない」

 僕の腕をひとまとめにするキリアンの手に、力がこもった。

 ――僕は、どうしたいんだろうか。

(キリアンとそういうこと――えっち、したいの?)

 けど、でも――。

 悩む僕をよそに、キリアンが唇を重ねてくる。

 音を立ててキスをされたかと思うと、その唇が徐々に下へと向かっていく。

 僕の首筋に口づけて、少しだけ見える鎖骨の辺りに噛みつかれたのがわかった。

「なぁ、ジェリー」

 僕を呼ぶキリアンの声が、切なげだった。

 まるで捨てられた子供のような声に、胸がぎゅうっと締め付けられる。

 一度だけ、たった一度だけなら――いいんじゃないか。

 頭の中で誰かがそうささやいた。

(そうだよ。僕が今後誰かと性交渉をするなんて、ないんだから――)

 だったら、ここでキリアンに身体を委ねたら、一生の思い出として残るんじゃないだろうか。

 そう思って、僕はキリアンの唇が重なったときに自ら舌を差し出した。

「んっ、ふぅっ」

 口づけはどんどん深くなった。

 どちらともなく舌を絡め合う。僕の身体もどんどん熱くなっていく。

 いつの間にか腕は解放されていたけど、僕は動かす気にもならなかった。

「――キリアン」

 唇が離れて、キリアンのことを呼ぶ。彼が息を呑んだ。

「あの、ね」
「――あぁ」
「優しくしてしてくれるなら、僕のことを抱いてもいいよ……」

 今にも震えそうな声で言うと、キリアンが目を見開く。

 けど、すぐに「あぁ」と言った。

「絶対に優しくする。ジェリーを傷つけたりはしない」

 誓いのような言葉。真剣な声音でキリアンが宣言した。

 静かに頷いて、僕は自らのシャツに手をかけた。

 ローブは寝苦しいからとすでに脱いでいる。もちろん、キリアンも上着は着ていない。

 なんだか、お互い薄着でいるのを実感して今更恥ずかしいなって。

(昨夜もそうだったんだけど)

 なのに、やっぱりなにかが違うような気がする――。

 なんて考える僕の手にキリアンの手が重なった。彼を見つめると、彼が首を横に振る。

「俺が脱がせる」

 キリアンがはっきりと言う。

「だ、だけどね」
「こういうのは俺がしたい」

 そこまで言われちゃうと、断ることも出来ない。

 僕がシャツのボタンから手を離すと、代わりとばかりにキリアンの手がボタンに触れた。

 キリアンの太い指が僕のシャツのボタンを外していく。一つずつ外されるたびに、僕の鼓動が早くなる。

「こんなところでヤるなんて、ムードがないからな。せめてほかくらいは」

 キリアンが僕のシャツの前をはだけさせる。男性にしては薄い胸をキリアンがじっと見つめる。

「可愛いな」

 大きな手のひらが僕の胸に触れて、撫でまわすように動いた。

 気持ちいいはずがない――のに。どうしてだろうか、身体が熱くなる。

「ぁ、あっ、き、りあん――」

 撫でられた箇所が熱い。下肢に熱がどんどんたまっていく。

 自分の身体の反応に戸惑っていると、キリアンが胸の突起に触れた。普段は飾りにしかならない突起に触れられると、僕の身体がびくんと跳ねる。

「ここ、気持ちいいか?」

 僕の目を見たキリアンが問いかけてきた。

 恥ずかしくて、視線を逸らしたいのに――僕は視線を逸らせない。キリアンの目に魅入られてしまったみたいだ。

「うぁっ」

 少しぷっくりとし始めた乳首を爪でつつかれて、声が漏れた。

 洞窟の外ではしとしとと雨が降っている。そんな中で情交に及ぶ僕たちは、この森の中で最も浮いている存在だろう。

(でも、なんでもいい。――愛して、僕を欲して)

 キリアンの目が僕を欲してくれている。

 たったそれだけで、嬉しくて、満たされていく。僕の胸の中に喜びの感情がじわぁっと広がっていく。
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