【R18】俺のセフレはどうやら王国で人気の高い騎士団長らしい。

すめらぎかなめ

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第4章

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 身だしなみを整えたり、ちょっとだけ荷物の整理をしたり。

 そんな風に過ごしていると、部屋の扉がノックされて間を置かずに開いた。

「もう終わったのか?」

 扉の側にいるルーの元に駆け寄ると、ルーはうなずく。けど、なんだろう。様子が変だった。

「なにかよくないことでもあった?」

 眉間にしわを寄せて問いかけると、ルーはガシガシと頭を掻く。しばらくして、大きなため息。

「どっちかって言うと、よくないことだな。でも、これも仕事だから」

 ルーがソファーにドカッと腰を下ろす。背もたれに背を預けて、天井を見ている。

 俺の胸は、なぜかざわついた。

「……これから忙しくなるのか?」

 わずかな間を空けて、隣に腰かける。

 俺の神妙な面持ちを見たルーは笑った。そして、二人の間の隙間を埋めるように近づいてくる。

「忙しくなる可能性は高い。最悪泊まりこみ、よくて深夜の帰宅になるだろうな」

 告げられた内容に心が痛む。

 一緒に過ごせないことがつらいわけじゃない。いや、それも確かにつらいことではあるのだけど……。

「無理、しすぎるなよ」

 こいつは真面目だし、責任感が強い。仕事関連は特にそうだ。

 だから、心配だった。……ルーが無理をしすぎて、身体を壊してしまうのではないかと。

「お前が倒れたら、騎士団は大変なことになるだろ? それに、アベラールさんたちも気が気じゃないし」

 使用人たちは、ルーを慕っている。そして、大切に思っている。

「ルーはたくさんの人たちに慕われているんだから。もっと、自分を大切にしろよ」

 素直な気持ちを口にすると、ルーが瞬きを繰り返す。その後、なぜか不満そうな表情を浮かべた。

「……ユーグはどうなんだよ」

 拗ねたような声に、目を見開く。顔を背けたルーの耳は赤くなっていた。

「お前は俺が身体を壊したら心配してくれるのか?」

 小さな小さな声は、聞き逃してしまいそうだった。しかし、俺の耳にはきちんと届いていた。

 ルーの頬を両手で挟んで、視線を合わせる。

「そんなの言うまでもないだろ。俺はルーのことが大切だから。お前が身体を壊したら、辛いに決まってる」

 まさか、自分がこんなことを言うようになるなんて。人とはここまで変わるものなのか。

「俺、たぶんお前が思う以上に、ルーのこと好きだから」

 大切な人なんて作りたくない――って、思っていたのに。

 気づいたら、俺はこの男に惹かれて、夢中になっていた。

「――って、こんなの突然言われても困るよな。忘れてくれ」

 ルーがなにも言わないため、気まずくなった。今度は俺が顔を背けてしまう。

 だけど、すぐに顔の向きを戻される。犯人はもちろんルーだ。

「困るわけないって。好きって言ってくれて、これでも喜んでる」
「その割には、表情がいつも通りだけど」

 むっと言い返す。ルーはいつも通りの涼しい表情だ。先ほどは耳を赤くしていたくせに、今は平常に戻っている。

「当たり前だろ。ユーグにはいつでもきりっとした俺を見てほしいんだよ」
「……だらしないところも、いっぱい知ってるよ」

 ルーの正体を知らないとき。俺はこいつのだらしないところとか、面倒なところとかいっぱい見てきた。

 取り繕う必要なんてない。そんなの今更でしかない。

「今更だってわかってるよ。でもさ、お前にはかっこいい俺だけ見てほしい」

 この男は本当にずるい。こういうことを言われて、ときめかないほうが無理だ。

「俺のことをずっと好きでいてほしいんだ」

 まっすぐな言葉は、聞いていて心地いい。本当なら、ここで「俺も」って返したほうがいいのだろう。

 だけど、俺はまだそうは返せない。どうしても、まだ照れてしまう。

 いつか、きちんと返せますように。俺は心で誓った。
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