【R18】強面若頭とお見合い結婚したら、愛され妻になりました!

すめらぎかなめ

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第2章 新婚生活は割と平和? なんだか胸がむずむずします。

第3話

 あれから買い出しを済ませて、私と燎さんはマンションに戻ってきた。

 冷蔵庫に食材を入れつつ、今日の夕ご飯として買ってきたお惣菜をお皿に並べる。

(本当だったら、私は今日からお料理をするつもりだったんだけれど……)

 さすがに今日は疲れているだろうと、燎さんがお惣菜を買うと言ってくれたのだ。正直なところ、明日の準備もあるのでこれに関してはありがたくて。私はすぐに頷いた。

 ……明日も無理だろうから、明後日から頑張ろう。

「そういえば、すみれ。……俺と離れていた間に、なにか買ったのか?」

 ふと、燎さんがそう問いかけてこられる。……彼はパソコンをネットにつないでいる最中であり、視線はこちらに向いていない。

「え、えぇ、まぁ……。その」
「そうか。答えなくてもいいぞ。俺にはバレたくないことだってあるだろう」

 私が煮え切らない態度を取る所為か、燎さんはそれだけ告げてパソコンを閉じた。どうやら、ネットにはつながったらしい。

「そもそも、明日から夫になるとはいえ、別に全部知りたいわけじゃない。ある程度一線を引いて関わってくれて構わない。男の俺には知られたくないこともあるだろう」

 彼は淡々とそう言葉を口にして、立ち上がった。そのまま私がお惣菜が並んだお皿を手に取って、ダイニングテーブルに運んでくれる。

(っていうか、さっきのって……絶対に、下着のこと、だよね……?)

 燎さんと離れている間に買ったものといえば、それしか思い浮かばない。……本気で、深入りされなくてよかったと思う。こんなところで下着を買ったことが露見すれば、作戦が台無しだ。

(そうよ。不意打ちで誘惑しないと、なにも成功しないわ)

 うんうんと首を縦に振って、私はそう心の中で呟いた。瞬間、ポットが音を鳴らす。どうやら、お湯が沸いたらしい。

 なので、私はインスタントのお味噌汁を作る。お惣菜も基本的に和風のものを選んだので、今日は和食だ。

「……どうぞ」

 お味噌汁の入った器を手渡して、ご飯をよそう。それからダイニングテーブルまで運んで、私は席に着く。燎さんは、お茶を出してくれていた。

「……なんていうか、本当に明日から夫婦なんだな」
「……そう、ですね」

 ……なんだろうか、この微妙な空気は。

「結婚がとんとん拍子に決まりすぎて、あまり実感がわかないんだ。……悪いな」
「……いえ」

 それに関しては、私も同意見なので否定することはない。私は、苦笑を浮かべて燎さんを見つめる。

「私も、その……あんまり、実感わかなくて」
「……そうか」

 私の言葉に、燎さんはそれだけの返事をくれた。そして、誤魔化すように「食べるか」と声をかけてくださる。私は、静かに頷いた。

「そういえば、すみれ」
「はい?」

 お味噌汁を口に運んだとき、ふと燎さんが思い出したように声をかけてこられる。私の返事は驚いていて、ちょっと上ずっていた。

「寝室は一つなんだが、今日は別で寝たほうがいいだろうか?」
「え、えぇっと」
「さすがに明日から別……というのは、ちょっとなんだが。今日くらいは一人で寝るほうが落ち着くかと思ってな」

 その気遣いは、素直にありがたい。……だけど、一緒に寝たい。いや、一緒に寝なくちゃならない。

 だって、そうじゃないと私の誘惑するという予定が達成できないから。

(かといって、ここで素直に一緒に寝てって言える……?)

 いやいやいや、言えるわけがない。いろいろな意味でぐいぐい行き過ぎているような気がする。

「……どうだろうか? 明日は早いし、俺が横にいないほうがぐっすりと休めるだろう?」

 それは、ある意味正しいんだけれど……。

「……一緒が、いいです」
「……は?」
「私、燎さんと一緒に寝たいです!」

 頭の中が真っ白になって、もう自分がなにを言っているのかわからなくなった。顔が熱いのは、きっと気のせいじゃない。

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