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第2章
⑥【※】
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肩を揺らして、荒くなった呼吸を整える。
対する殿下はニコニコと笑っていた。この状況で笑える殿下のメンタルはオリハルコンででも出来ているんじゃないだろうか。
強く殿下を睨みつけた。今回ばかりはこちらが被害者だ。不敬罪もへったくれもないだろう。
「俺のこと憎たらしいですか? でも、こうしないとあなたは俺の元には堕ちてきてくれないから――」
力が入らない俺の身体を軽々とうつぶせにして、殿下は近くのテーブルの上にある小瓶を取った。
ふたを開ける音が聞こえて、視線だけでそちらを見る。殿下は小瓶の中の粘着質な液体を自身の手のひらに垂らしている。
「痛くないようにしなくちゃダメですからね」
殿下の言葉に、俺は今から自分の身になにが起こるのかを理解した。
いや、元からわかっていた。ただ、理解したくないと本能が訴え、目を背けていただけなのだ。
重たい身体を引きずってでも逃げようとするが、あっさりと殿下に掴まる。そりゃそうだ。こんなのろまな動きでは、逃げられるはずもない。
「大丈夫です。きちんとよくなりますから――」
残った小瓶の中身が臀部にぶちまけられた。冷たい感触に身体を震わせていると、殿下の手が尻たぶを掴む。
「俺に身を任せてくれたら、ひどくはしませんから」
すでにひどいことはされている。つまりは、これ以上ひどいことをされるということなのか。
「殿下っ! そこは――」
戸惑いを含んだ声で殿下を呼び、視線だけで振り返ると、彼はニコリと目を細めた。女性ならきっと頬を染めるであろう美しい笑みだ。あいにく、見ているのは三十を過ぎた男だけなのだが。
「そういうのも学んでいるので、大丈夫です」
さっきからこの人は「大丈夫」と繰り返すが、なにが大丈夫なんだろうか。
殿下が自身の指にぬめりを絡ませて、俺の後孔に指を押し込んだ。
本来受け入れる場所ではないソコは、殿下の指を押し出そうとする。でも、強引に奥へとねじ込まれた。
「やっぱり、狭いんですね」
水音を立てながら、殿下が指を抜き挿しする。この水音は先ほど絡ませた液体だろうか。
頭の中でまだ冷静な部分が分析する。が、冷静な部分がどんどんかき消されていく。
身体の芯が熱を持ち始め、殿下の指を受け入れる孔が引くついたのがわかった。
「っはぁ」
口から漏れた吐息はひどく艶めかしかった。
まさか、俺がこんな声を上げる日が来るなんて、想像もしていなかった。
「あ、よくなってきましたか?」
後孔に埋まった指が二本に増えた。狭い孔を押し広げるように指がゆっくり動いていく。
「多分、そろそろ効き始めるころですから」
なにが効くのかなんて聞きたくない。
俺の気持ちなんて知らない殿下は、俺の腰を掴むと強引に上げる。臀部だけを突き出すような体勢は、羞恥心を煽った。
「気持ちいいんですよね。こっちもまた反応してきましたし」
殿下の視線が俺の陰茎に注がれている。確かに先ほど硬さを失ったはずのソレはまた緩く勃ち上がりつつあった。
……俺が後孔を弄られて感じているというなによりの証拠だ。
「ぁ、な、んでっ!」
後ろなんて自分で触ったこともないし、誰かに触られたこともない。
それなのに、身体は反応して、快楽を覚えている。殿下の指を切なそうに締め付けている。
「この潤滑油には媚薬の成分が含まれているんです。はじめての痛みをある程度和らげるためのものですよ」
先ほどの『効き始める』とは、媚薬のことだったのか……。
「だから、たくさん乱れてくださいね。俺の身体で、動きで、いっぱい感じて」
指の抜き差しが早くなる。腸壁を撫でられているだけなのに、身体が熱くてたまらない。
(うぁっ、熱い……)
じんわりとした心地いい熱さじゃない。責め立てるような、熱さだ。身体の芯が沸騰したようにぐつぐつと煮えている。残った理性を溶かそうとしている。快楽に身を委ねろと、悪魔が囁いた。
対する殿下はニコニコと笑っていた。この状況で笑える殿下のメンタルはオリハルコンででも出来ているんじゃないだろうか。
強く殿下を睨みつけた。今回ばかりはこちらが被害者だ。不敬罪もへったくれもないだろう。
「俺のこと憎たらしいですか? でも、こうしないとあなたは俺の元には堕ちてきてくれないから――」
力が入らない俺の身体を軽々とうつぶせにして、殿下は近くのテーブルの上にある小瓶を取った。
ふたを開ける音が聞こえて、視線だけでそちらを見る。殿下は小瓶の中の粘着質な液体を自身の手のひらに垂らしている。
「痛くないようにしなくちゃダメですからね」
殿下の言葉に、俺は今から自分の身になにが起こるのかを理解した。
いや、元からわかっていた。ただ、理解したくないと本能が訴え、目を背けていただけなのだ。
重たい身体を引きずってでも逃げようとするが、あっさりと殿下に掴まる。そりゃそうだ。こんなのろまな動きでは、逃げられるはずもない。
「大丈夫です。きちんとよくなりますから――」
残った小瓶の中身が臀部にぶちまけられた。冷たい感触に身体を震わせていると、殿下の手が尻たぶを掴む。
「俺に身を任せてくれたら、ひどくはしませんから」
すでにひどいことはされている。つまりは、これ以上ひどいことをされるということなのか。
「殿下っ! そこは――」
戸惑いを含んだ声で殿下を呼び、視線だけで振り返ると、彼はニコリと目を細めた。女性ならきっと頬を染めるであろう美しい笑みだ。あいにく、見ているのは三十を過ぎた男だけなのだが。
「そういうのも学んでいるので、大丈夫です」
さっきからこの人は「大丈夫」と繰り返すが、なにが大丈夫なんだろうか。
殿下が自身の指にぬめりを絡ませて、俺の後孔に指を押し込んだ。
本来受け入れる場所ではないソコは、殿下の指を押し出そうとする。でも、強引に奥へとねじ込まれた。
「やっぱり、狭いんですね」
水音を立てながら、殿下が指を抜き挿しする。この水音は先ほど絡ませた液体だろうか。
頭の中でまだ冷静な部分が分析する。が、冷静な部分がどんどんかき消されていく。
身体の芯が熱を持ち始め、殿下の指を受け入れる孔が引くついたのがわかった。
「っはぁ」
口から漏れた吐息はひどく艶めかしかった。
まさか、俺がこんな声を上げる日が来るなんて、想像もしていなかった。
「あ、よくなってきましたか?」
後孔に埋まった指が二本に増えた。狭い孔を押し広げるように指がゆっくり動いていく。
「多分、そろそろ効き始めるころですから」
なにが効くのかなんて聞きたくない。
俺の気持ちなんて知らない殿下は、俺の腰を掴むと強引に上げる。臀部だけを突き出すような体勢は、羞恥心を煽った。
「気持ちいいんですよね。こっちもまた反応してきましたし」
殿下の視線が俺の陰茎に注がれている。確かに先ほど硬さを失ったはずのソレはまた緩く勃ち上がりつつあった。
……俺が後孔を弄られて感じているというなによりの証拠だ。
「ぁ、な、んでっ!」
後ろなんて自分で触ったこともないし、誰かに触られたこともない。
それなのに、身体は反応して、快楽を覚えている。殿下の指を切なそうに締め付けている。
「この潤滑油には媚薬の成分が含まれているんです。はじめての痛みをある程度和らげるためのものですよ」
先ほどの『効き始める』とは、媚薬のことだったのか……。
「だから、たくさん乱れてくださいね。俺の身体で、動きで、いっぱい感じて」
指の抜き差しが早くなる。腸壁を撫でられているだけなのに、身体が熱くてたまらない。
(うぁっ、熱い……)
じんわりとした心地いい熱さじゃない。責め立てるような、熱さだ。身体の芯が沸騰したようにぐつぐつと煮えている。残った理性を溶かそうとしている。快楽に身を委ねろと、悪魔が囁いた。
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