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第2章
⑧【※】
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俺の鋭い視線を受けても、殿下は気にするそぶりも見せない。
それどころか、にこにこ笑って――自身の衣服に手をかける。
迷いなく衣服を脱ぎ、寝台の下に放り投げる。
「ね、見てください。あなたに教わった鍛錬は欠かしていないんですよ」
殿下がささやく。確かに視界に入る殿下の肉体は――あのころよりずっとたくましかった。
(あの弱々しい殿下が、こうなるのか……)
騎士といっても通用しそうな身体つきだ。俺の視線を受けて、殿下が満足そうにうなずく。
「あなたに報告できてよかった。……いつかあなたに見せるために、鍛えていたんですよ」
女なら頬を染めそうなほどにいい笑みだ。けど、俺は笑えない。
というか、この状況下で笑えるようなメンタルはしていない。
(……そして、殿下は俺で勃つと)
見たくはないが、自然と視線がソコに向いてしまう。
見るからに大きく、硬そうだ。あれが入るところなど、想像できない。想像したくない。
なのに、身体の奥底がうずいているような感覚だ。どれだけ達しても満足しない、飢餓感。頭の中がふわふわして、欲望に突き動かされそうになる感覚。細い糸でかろうじてつながっている理性がはち切れそうになる。
「たくさん見てくれて嬉しいんですけど――」
殿下がうつぶせに突っ伏した俺の腰をつかむ。強引に抱き起し、後孔に熱杭の先端を押し付けた。
咄嗟に暴れようとした。でも、身体に力が入らない。むしろ、期待するように熱い吐息がこぼれる。
「俺も限界なんで。あとでたくさん見てもらって大丈夫ですし、触ってくれても大丈夫ですよ」
先端がぐっと押し込まれる。隘路をこじ開けられるような感覚に、苦しみを覚えた。
唇を噛む。逃げることができないと分かった今――俺の選択肢はたった一つ。行為が終わるまで耐えることだ。
感じなかったら、殿下も早々に飽きて放り出すかもしれない。そんな小さな可能性にかけたいのに――奥まで押し込まれると、身体が大きく震える。
「っはぁ……!」
昂った身体には、たったこれだけの刺激でも大きかった。
身体がびくびくと跳ねる。内側が熱い。熱い、熱い――。
「気持ちいいですか? ナカ、すっごくうねってます」
殿下が俺の身体に背後から抱き着いた。奥を刺激するようにぐーっと押し込まれ、俺の身体はなすすべもなく跳ねる。
まるで打ち上げられた魚のようだった。
「あなたが感じてくれたら嬉しい。もっと、刺激ほしいでしょう――?」
悪魔のささやきだ。
残った理性を強引に焼き切ろうとしている。唇を噛んで、身体に痛みを与える。
こうしないと、今にも理性が溶けてしまう。どろどろになって、淫らに快楽を強請ってしまう。
「まだ素直になれません? 我慢強いんですね。そういうところも好きですけど――」
殿下のモノが抜けていく。ずるりと引き抜かれ、今度は強引に押し込まれた。
「――っ!」
「すごい、気持ちよさそう……」
身体を強く抱きしめられた。殿下のたくましい腕が、俺の腰を抱きかかえる。
「もっと欲しいでしょう? 気持ちよくなりたいでしょう?」
「……ち、がう」
「違わないです。あなたのナカは気持ちよさそうにうねっていますし、俺のモノを離さないじゃないですか」
殿下が俺の背中に顔をうずめる。背中に吐息が当たるだけで、感じる。身体が反応して、おかしくなる。
「快楽漬けにしちゃって俺の側においてもいいんですよ。あなたを俺の側におくためなら、なんだってします――」
「ぁ、がっ」
「閉じ込めて、俺だけしか見えないようにしたい。俺のこと好きって言ってくれなくても、側にいてほしい」
「ぅ」
「あなたは俺の側にいてくれるだけでいい。離れていた時間を埋めるみたいにいっぱい愛し合って、俺だけを見てて」
強引な抽送に、身体が翻弄される。もう少しで理性が粉々になる。
理性を失いたくないという気持ちと、理性を失って快楽に身をゆだねたいという気持ちがぶつかって、俺の中で激しく戦う。
「でん、かっ」
「はぁい。なんですか?」
俺の気持ちなど知りもしない殿下の声はどこまでも穏やかで、この場で異質だった。
「気持ちいいですか? 気持ちいいって言ってくれたら、もっと快楽あげますから」
今の殿下は悪魔だ。それか、恐ろしい魔物。話が通じない別の種族。
(気持ちよくない、気持ちいいはずがない。……はず)
身体が拾い集める快感と快楽。ほしい、欲しい、もっと欲しい――。
「気持ち、いい」
口が脳に反して言葉を紡いだ。
瞬間――抽送が激しくなる。
「素直になってくれて嬉しいです。もっと、もっと気持ちよくなりましょう。俺と一つに溶け合うくらいに」
これから先、俺はどうなるのだろうか。
一抹の不安に襲われつつ、俺はなけなしの理性を手放した。
それどころか、にこにこ笑って――自身の衣服に手をかける。
迷いなく衣服を脱ぎ、寝台の下に放り投げる。
「ね、見てください。あなたに教わった鍛錬は欠かしていないんですよ」
殿下がささやく。確かに視界に入る殿下の肉体は――あのころよりずっとたくましかった。
(あの弱々しい殿下が、こうなるのか……)
騎士といっても通用しそうな身体つきだ。俺の視線を受けて、殿下が満足そうにうなずく。
「あなたに報告できてよかった。……いつかあなたに見せるために、鍛えていたんですよ」
女なら頬を染めそうなほどにいい笑みだ。けど、俺は笑えない。
というか、この状況下で笑えるようなメンタルはしていない。
(……そして、殿下は俺で勃つと)
見たくはないが、自然と視線がソコに向いてしまう。
見るからに大きく、硬そうだ。あれが入るところなど、想像できない。想像したくない。
なのに、身体の奥底がうずいているような感覚だ。どれだけ達しても満足しない、飢餓感。頭の中がふわふわして、欲望に突き動かされそうになる感覚。細い糸でかろうじてつながっている理性がはち切れそうになる。
「たくさん見てくれて嬉しいんですけど――」
殿下がうつぶせに突っ伏した俺の腰をつかむ。強引に抱き起し、後孔に熱杭の先端を押し付けた。
咄嗟に暴れようとした。でも、身体に力が入らない。むしろ、期待するように熱い吐息がこぼれる。
「俺も限界なんで。あとでたくさん見てもらって大丈夫ですし、触ってくれても大丈夫ですよ」
先端がぐっと押し込まれる。隘路をこじ開けられるような感覚に、苦しみを覚えた。
唇を噛む。逃げることができないと分かった今――俺の選択肢はたった一つ。行為が終わるまで耐えることだ。
感じなかったら、殿下も早々に飽きて放り出すかもしれない。そんな小さな可能性にかけたいのに――奥まで押し込まれると、身体が大きく震える。
「っはぁ……!」
昂った身体には、たったこれだけの刺激でも大きかった。
身体がびくびくと跳ねる。内側が熱い。熱い、熱い――。
「気持ちいいですか? ナカ、すっごくうねってます」
殿下が俺の身体に背後から抱き着いた。奥を刺激するようにぐーっと押し込まれ、俺の身体はなすすべもなく跳ねる。
まるで打ち上げられた魚のようだった。
「あなたが感じてくれたら嬉しい。もっと、刺激ほしいでしょう――?」
悪魔のささやきだ。
残った理性を強引に焼き切ろうとしている。唇を噛んで、身体に痛みを与える。
こうしないと、今にも理性が溶けてしまう。どろどろになって、淫らに快楽を強請ってしまう。
「まだ素直になれません? 我慢強いんですね。そういうところも好きですけど――」
殿下のモノが抜けていく。ずるりと引き抜かれ、今度は強引に押し込まれた。
「――っ!」
「すごい、気持ちよさそう……」
身体を強く抱きしめられた。殿下のたくましい腕が、俺の腰を抱きかかえる。
「もっと欲しいでしょう? 気持ちよくなりたいでしょう?」
「……ち、がう」
「違わないです。あなたのナカは気持ちよさそうにうねっていますし、俺のモノを離さないじゃないですか」
殿下が俺の背中に顔をうずめる。背中に吐息が当たるだけで、感じる。身体が反応して、おかしくなる。
「快楽漬けにしちゃって俺の側においてもいいんですよ。あなたを俺の側におくためなら、なんだってします――」
「ぁ、がっ」
「閉じ込めて、俺だけしか見えないようにしたい。俺のこと好きって言ってくれなくても、側にいてほしい」
「ぅ」
「あなたは俺の側にいてくれるだけでいい。離れていた時間を埋めるみたいにいっぱい愛し合って、俺だけを見てて」
強引な抽送に、身体が翻弄される。もう少しで理性が粉々になる。
理性を失いたくないという気持ちと、理性を失って快楽に身をゆだねたいという気持ちがぶつかって、俺の中で激しく戦う。
「でん、かっ」
「はぁい。なんですか?」
俺の気持ちなど知りもしない殿下の声はどこまでも穏やかで、この場で異質だった。
「気持ちいいですか? 気持ちいいって言ってくれたら、もっと快楽あげますから」
今の殿下は悪魔だ。それか、恐ろしい魔物。話が通じない別の種族。
(気持ちよくない、気持ちいいはずがない。……はず)
身体が拾い集める快感と快楽。ほしい、欲しい、もっと欲しい――。
「気持ち、いい」
口が脳に反して言葉を紡いだ。
瞬間――抽送が激しくなる。
「素直になってくれて嬉しいです。もっと、もっと気持ちよくなりましょう。俺と一つに溶け合うくらいに」
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