【完結】【R18】元騎士団長(32)、弟子として育てていた第三王子(20)をヤンデレにしてしまう

すめらぎかなめ

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第3章

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 幾度となく殿下を受け入れた身体は、抵抗することを忘れて殿下を受け入れる。

 散々快楽を覚えさせられたからか、このころは不快感よりも快楽のほうが強い。

 自分の身体の変化を嫌というほどに自覚させられるから、この行為は嫌いだ。



 行為を終え、夕食を摂って。もう一度俺を抱いた殿下は、寝台に横たわる。

 俺の背中に顔をこすりつける姿は、まるで猫みたいだった。……猫のほうがずっと可愛らしい気もするが。

「このままずーっと、ここにいたいなぁ」

 殿下が俺の身体に腕を回す。力いっぱい抱きしめ、身体を密着させてくる。

「あなたとずっと一緒にいたら、俺は幸せです。それ以外なにもいらない――」

 背中の皮膚を吸い上げ、舌を這わせる。それだけで身体がうずくのだから、俺はもう手遅れだった。

「……そうですか」

 俺の返答はそっけないものだ。心でため息をつき、自分の身体の変化を思い出す。

(本当に、嫌になる)

 嬉しそうに殿下を受け入れるこの身体も、殿下を拒めない自分の心も。全部全部嫌になっている。

 自嘲気味に笑う。背中を向けた俺の顔は見えていないはずなのに、殿下が反応するように腕に力を込めた。

「――俺に聞きたいこととか、ないですか?」

 しばらくして、殿下が意外な言葉を口にした。

「ゆっくり話をすることもできなかったので、少しでもラードルフさんの負担が減るなら――って」
「……話をしたくらいで減るような負担ではないですよ」

 毎日のように身体を暴かれ、閉じ込められているのだ。

 疑問を一つや二つ解決したところで、負担が減るわけがない。

「……ごめんなさい」

 小さな謝罪だった。

 最近の殿下は、たまに弱気になる。

 俺のことを強引に自分のものにし、閉じ込めているのだから強気でいたらいいというのに。

(それとも、心まで欲しくなったというのが関係しているのか)

 なんて、俺が思ったところでなにもできないことだ。

「けど、俺。……また、昔みたいに話したいんです」
「昔みたいなんて、無理ですよ」

 殿下の言いたいことはわかっていた。

(出来たら、俺もあのころみたいに話したかったですよ)

 剣術指導の休憩時間。王城の中庭で、大きな木にもたれかかって二人でたくさん話をした。

 元々話すことが得意ではない俺だったが、殿下はこんな俺の話が好きだと言っていた。

『ラードルフさんの話、すごく面白いよ。俺の知らない世界を教えてくれるもん』

 あのころの殿下は無邪気な眼差しで俺を見つめ、慕っていた。

 ……俺も、あの眼差しが嫌いではなかった。

「わかっています。ただ、俺、本当にあなたとのお話が好きだったから……」

 殿下はずるい。

 こういわれたら、俺が断れないことを知っている。

 寝返りを打って、殿下のほうに身体を向けた。殿下の表情は暗い。無理やり笑っているみたいだ。

「……なに、話します?」

 気づいたら口が勝手に言葉をつむいでいた。

 驚いたように目を瞬かせる殿下を見て、気まずくなる。頭をガシガシと掻いて、大きくため息をついた。

「そういう風に言われたら、俺が弱いの知っていますよね。……わざとですか?」
「……そういうわけじゃ」

 視線をさまよわせる殿下の頬に、指を押し付けた。

 俺と違って傷一つない肌は、なめらかで触れ心地がいい。

「俺がいくつか質問するので、答えてください」

 続けた言葉に殿下がうなずく。

「本当に殿下はどうして俺が好きなんですか」

 抱くとき、殿下はいつも俺を「好き」だという。こちらは十以上も年上の男だというのに。

「それは」
「表面上ではなく、心の底を教えてください。本音を語ってください」

 強い口調は不敬かもしれない。それでも、俺には知る権利がある。

 身体を作り替えられ、自由を奪われているのだ。これくらい教えてもらわないと、つり合いが取れない。
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