次男は村を出る

恩陀ドラック

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団欒

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 仕事で村へ行くピウニと一緒に、トゥーエは里帰りをしていた。ダルネと二人で夕飯の片付けをしながら話をする。


「父さんと寝てるって聞いたときはびっくりしたけど、相性いいみたいだね」


 なにしろあのがさつなフォーダーだ。自分勝手なセックスをして、ダルネは不満を溜めるんじゃないかと心配していた。ダルネも同じ理由で最初は気が進まなかった。父のことは大好きだけど、体も声も大きくてちょっとおっかなくもある。仕事も忙しそうだし、自慰で発散していた。ある日自室でこっそりしこっているところをフォーダーに見つかってしまった。


「俺が相手をしてやると言っただろう。なんだ、おまえはセックスよりオナニーの方が好きなのか?」

「そんなことはないけど……ほんとにやるの?  父さんの大きいからなんかこわい」


 父の男根は何回か見たことがある。柔らかい状態でもなかなかの大きさだった。あれを雑に突っ込まれたら痛そうで嫌だ。


「いきなり入れようとは思ってないさ。今日は舐めるだけでいい。先におまえをいかせてやる」


 断る隙を与えずにフォーダーは深く口付け、その勢いでダルネを押し倒す。くちゅくちゅと舌を絡ませて息子の唾液を吸い取った。喉に、耳に、再び唇にフォーダーの口付けが移動する。予想外の心地良さにダルネも夢中になった。やがて下半身に熱が集まり腰がくねり始める。


「んっ!  ん、ん、んっ、んん~」


 久し振りに人から与えてもらった快感は、キスで口をふさがれて言葉にできない。竿を扱かれ、玉を揉まれ、亀頭を撫でまわされ、手にかかった精液を舐め取るところを見せつけられ、ダルネはこくりと生唾を呑んだ。


「舐めてくれ」


 立ち上がって、露わにした下半身を息子の目の前に突きつける。発情した顔で見詰められ、ぴくぴくと脈打つそれはさらに固さを増した。ダルネは亀頭を咥えて竿を手で扱いた。


「上手だ。毎日トゥーエと遊んでただけあるな」

「トゥーエ兄はあんまり舐めたりさせてくれなかったよ。だからこれはちんちんが好きな俺の才能!」


 笑顔でぺろりと先っちょを舐めて、また口いっぱいに頬張った。吸引しながら首を前後させたり、横から吸い付いてみたり、色んなやり方でちんちんを楽しむ。


「口に出してもいいか?」

「後ろがいい」


 舐めていたらお尻に欲しくなってきてしまった。自分でいじるつもりできれいにしてある。フォーダーは仰向けで脚を広げるダルネの肛門を舐めた。しばらくそれであんあん喘がせてから、そうっと中指を侵入させる。ぐるぐると手首の角度を変えてダルネのいい所を探した。


「あっ、父さん、そこ、あんっ、すご、気持ちぃ……」


 指が二本に増やされた。それだけでかつてないほど拡張されている。ずりずりと弱点をこすられ、同時にちんちんを扱かれ、ダルネは絶頂へと近づいていった。


「父さんだめ、出ちゃう、は、ぁんん~っ」


 また手の中で達してしまった。フォーダーは苦笑した。怖いから嫌だと言っていたのに、今はちんちんが貰えなくて少し拗ねた表情をしている。かわいすぎる末っ子の口元を亀頭でぴたぴたと叩いてフェラチオの催促をした。


「今度は出すからな。俺の味を憶えろ」



 

「結局その日は入れてもらえなくて、手と口で金玉空っぽにされちゃった」


 父がそんなに丁寧なセックスをする男だったとは。こうして詳しく聞かされても、トゥーエはなかなか信じられなかった。


「トゥーエ兄こそ大丈夫?  たまには入れたくならない?」

「ピウニさんは入れさせてくれるよ」

「そうなの!?」


 村の同性交では普通は年上が挿入する。逆はあまり良しとされない。だからトゥーエの言葉にダルネは驚いた。しかし田舎で生活していた子供の頃はピウニも掘られる側だった。尻を使うのに抵抗感はない。そんな過去がなくても、トゥーエのためなら何だってしてあげたいピウニだ。今は都会に出て田舎のしきたりからも解放されている。ずっと入れる側だったトゥーエを気遣って、十数年振りに掘られる覚悟をきめた。

 しかしピウニに挿入するつもりでセックスを始めても、途中から自分に入れてほしくなってしまう。ピウニに後ろの快感を教えられてからというもの、すっかり虜だ。ダルネが挿入にこだわっていたのも解る。結局それを察したピウニに挿入されて、涙が出るくらい気持ち良くされる。次こそはと思っても、やっぱり入れてほしくなってしまって……


「トゥーエ、入れてほしいんだろう?  後ろを向いて、かわいいお尻を私に見せて」

「や、だ……俺が入れるんだもん……」

「本当に?」

「やだ……」

「なにが嫌なの?」

「入れてくれなきゃいや!  ピウニさんのちんちんがほしい!」


 涙目で訴えられて、ピウニの肉欲が爆発的に膨張する。にやついて締まりのないスケベ顔を隠していたら、トゥーエからのおねだりが激しくなった。


「ピウニさんので気持ち良くして?  ねえお願い。ピウニさんのちんちんでいきたいの。お尻がうずうずしちゃうのっ」


 もはや攻撃だった。ピウニのひびだらけの理性は、かわいいトゥーエをもっと見ていたいという欲望に支えられてかろうじて形を保っている。はあはあと息を荒らげながら、しかし丁寧に根元まで埋めた。腰は動かさないで、熱い身体をぎゅっと抱きしめて密着させる。


「全部入ったよトゥーエ……」

「うん……俺今ピウニさんで感じてるの……嬉しいよぉ」


 ちょっと意地悪して焦らすつもりが、思いもよらない素直でかわいいお返事で返り討ちにされてしまった。なんの技巧もなく一心不乱に腰を振る。トゥーエが達しても止まらない。


「好きだトゥーエ、愛してるトゥーエ、かわいすぎるよトゥーエ!!」


 ピウニは一旦男根を抜いて会陰に精液をかけた。そして間を置かずに挿しなおし、今度はトゥーエが一番弱いところを狙って腰を振る。


「ああん、おかしくなっちゃう、ばかになっちゃうよお、ああーっ」


 メスイキして震えるトゥーエを、ピウニは気絶寸前まで可愛がって離さなかった。



「だからまだ俺がピウニさんに入れたことはないんだ」

「へぇ~、そうだったんだ。ピウニさんもそんなに興奮するんだね」


 いつも物腰柔らかなピウニの別の一面を知って、ダルネは感心した。あれだけ人のことを馬鹿にしていた兄が、ここまで立派なけつまんこに成長したのも意外だ。前よりトゥーエと心の距離が近くなった気がして嬉しい。


「トゥーエ兄ちんちん立ってる」

「ダルネだって」


 下着を下ろして股間を見せ合った。久し振りに見る兄弟の発情した姿に、二人は懐かしくて笑った。




「それで二人でシャワーを浴びたのか」

「あっ、うん、ああっ」

「二人で抜き合ったりしてないだろうね?」

「してっ……してないっ、あんっ」


 居間で酒を酌み交わしていたら全裸でちんちんを立たせた兄弟が乗り込んできたのだから、ピウニとフォーダーは驚いた。今はそれぞれ愛しい少年を膝に乗せて、自分以外の男とシャワーを浴びたことを咎めているところだ。大人二人は少年たちの言い分を疑っていないし、そういう流れでここに来たのならむしろ微笑ましいと思っているが、やっぱりちょっと嫉妬してしまう大人気の無さを誤魔化すためにお仕置きの体を取っていた。

 フォーダーと向かい合って座るダルネは乳首を吸われてのけ反っている。後ろから抱え込まれているトゥーエはピウニの声と舌で耳を攻められて悶えている。気になっていた兄弟の性事情を目の当たりにするチャンスなのに、とてもそれどころではなかった。


「ねえ、もう入れてもいいでしょ?  早く父さんのちんちん欲しい」


 ダルネが甘い声を出して腰を擦りつけた。中の具合の良さを思い出して、フォーダーも我慢ができなくなる。


「俺のちんちんが好きか?」

「大好きっ」


 キスしてくるダルネを抱きしめてちんちんを挿すフォーダー。仲良し親子にほっこりしていたら、急に膝が軽くなってピウニは焦った。立ち上がったトゥーエはくるりと向き直り、何も言わないでピウニのちんちんを咥えた。たっぷり唾液を絡ませてじゅくじゅくと扱くと、また背中を向けて尻の穴に男根をあてがう。


「今日の俺は悪い子なんだから」


 そう言ってちんちんの上に腰を下ろすのを、ピウニは夢でも見るように眺めた。なにが悪い子なのかよくわからない。細かいことを考える頭は残っていなかった。


「最高だよトゥーエ、君はなんて素敵なんだ!」


 隣に父親がいることも忘れて少年に腰を打ち付ける。初めてのときとずいぶん様相が変わったとフォーダーは思ったが、指摘する気にはならなかった。息子への愛情が駄々洩れだし、トゥーエも喜んでいる。幸せそうでなによりだ。おかげで自分はダルネに集中できる。

 フォーダー家の夜は和やかに更けていった。






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