25 / 50
第25話 デスナイト
しおりを挟む
「おい、嘘だろ……あれが黒魔術……」
「はい、これが私の本領です」
ノエルが得意げに言った。
「すごいです! あんなもの初めて見ました!」
イケメンのくせに出番がなかったアルフォンスはなぜか大喜びしている。一方のクロエは信じられないという表情で固まっているようだった。俺はクロエに向き直り話しかける。
「クロエ、怪我はないな?」
「え? あ、うん、大丈夫」
クロエは我に返った様子で答える。それから、まだどこか夢心地といった様子で続けた。
「ねぇ、あのバカ乳一体何者なの? あんな大きな怪物を一瞬で倒すなんて聞いたことないんだけど」
「あいつは……というか、黒魔導師はちょっと変わってるんだ。何かを代償にして、凄まじい威力を発揮する魔法が使えるとか……」
俺は適当にはぐらかす。俺も正直黒魔導師については知らないことだらけだ。ノエルに直接聞いてくれと思う。
ノエルはというと俺たちの会話などそっちのけで、持参したパンを貪っていた。聞くと、黒魔術の発動にはかなり体力を消耗するらしい。だから、こうして食事をとることで魔力を回復させるというのだ。だが、必死の形相でパンにかじりつく姿は、まるで餓えた獣のようにしか見えない。俺はそんな彼女から目を背けたくなった。
その後もダンジョンを進み、俺たちは何体もモンスターと遭遇したが、俺とクロエが分担して倒し、順調に進んでいた。そして、ついにボスモンスターである『ジャイアント・デスナイト』がいる最下層にたどり着く。俺は魔剣を構えた。いよいよデスナイトとの戦いだ。
「よし、いくぞ」
「リッくん、気をつけてね」
クロエにそう言われると不思議な気持ちになる。なんだかこそばゆいというか、照れくさくなる。俺は頭を掻いてごまかし、クロエを置いて先に歩き出した。
階段を降り切る直前、突然横から気配を感じた。俺は即座に反応して、横に跳ぶ。すると俺が立っていた場所に突如現れた鎧をまとった巨人──『ジャイアント・デスナイト』が、振り上げた大剣を振り下ろした。俺はデスナイトの動きをかわしながら思う。
(まさか待ち伏せとは──やはりこいつ、学習しているのか?)
以前、クリストフたちと共にデスナイトと戦った時よりも、敵の動きが速く複雑になっている気がする。あの時は俺のポーションが尽きて撤退を余儀なくされたのだが、今のクリストフたちには優秀な回復術師がいるし、きっとデスナイトなんて敵じゃないだろうな。
と考えながら、俺はパーティーメンバーに指示を出した。
「ノエルとアルフォンスはデスナイトの動きを止めてくれ! 俺とクロエでひたすら殴るから」
「はい、了解しました」
「わかりました」
2人は素直に答えた。
「リジェネレーションがある俺が敵のマークを引くから、クロエはできるだけデスナイトの背後に位置取るようにしてくれ」
「う、うん……」
クロエは自信なさげに返事をした。
「それじゃいくぞ! 3・2・1……GO!!」
掛け声とともに走り出す。まず、クロエがデスナイトの背後から攻撃を始めた。そして、ノエルが魔法を唱える。俺もそれに合わせて魔剣を振るった。クロエの一撃はデスナイトを切り裂くには至らなかったが、急所を狙った短剣の一撃は、その巨体に確実にダメージを与えている。
「『アビス・アンカー』!」
一方で、ノエルが放った黒い触手のようなものがデスナイトの手足にまとわりつき、動きを封じていく。
「そこだぁぁぁっ!!」
俺はデスナイトの頭部に向かって魔剣を横なぎに振るう。
ガギィィッ!! 激しい金属音が響き渡る。そして── ブシャァッッ!! デスナイトの頭半分ほどまでを切り裂き、血しぶきが上がる。だがデスナイトはまだ倒せない。奴にはサイクロプス同様、再生能力が備わっているためすぐに元通りになってしまう。しかしそれでも着実にダメージを与えていた。このまま戦い続ければ勝てるかもしれない。このボスはここで仕留めておかなければ、いずれもっと強くなるに違いないのだから。
「グオォォォッ!!!」
デスナイトが怒り狂って吠える。
「ノエル、さっきのサイクロプスみたいにこいつを食えるか?」
ノエルは黙って首を振る。やはり、さっきの捕食はあまり格上の相手には通用しない黒魔術だったらしい。ノエルはデスナイトを押さえつけるだけでもかなり必死のようだった。アルフォンスも魔法を使って支援してくれるが、薬草師に過ぎない彼の魔法ではいかんせん火力不足だ。デスナイトの身体は固いうえに再生するため、こちらの攻撃がほとんど効かないのでは、倒すのは無理に近い。実際、これほど攻撃を加えているのに、デスナイトの頭上に浮かんでいるHPバーはほとんど減っていなかった。
(くそっ、考えろ……なにか方法があるはずだ!)
必死に打開策を探るも何も思い浮かばない……そうこうしているうちにデスナイトは再び動き始めた。ノエルの拘束魔法を引きちぎろうとするデスナイトの動きを、魔剣で足を斬りつけることでなんとか鈍らせる。だが、これではジリ貧だ。するとその時──
「リッくん危なーいっ!!」
クロエの叫び声を聞いて俺はハッとした。目の前でデスナイトの大剣が俺に迫っている。回復力が上がっている!?
「ぐあっ!?」
俺は咄嵯に後ろに跳んで回避しようとしたが、わずかに間に合わなかったようだ。肩口に鋭い痛みが走る。
「リックさん、大丈夫ですか?」
ノエルが心配そうに声をかけてくる。どうやらデスナイトが拘束から逃れようと暴れた結果、俺への攻撃も再開してしまったようだ。俺はデスナイトから離れながら言う。
「ああ、まだ動ける」
実際問題、痛いは痛いのだが、アドレナリンが出まくっているせいなのかそれほど気にならなかった。それに、HPはリジェネレーションで回復できる。
だが── ヒュンッ!! ドスッ!!
……と、何か風を切るような音とともに脇腹に熱い感触があったかと思うと視界が揺れた。俺はその場に膝をつく。そして遅れて激痛がやってきた。俺は自分の腹部を見ると、そこには大ぶりの剣が刺さっていた。
「はい、これが私の本領です」
ノエルが得意げに言った。
「すごいです! あんなもの初めて見ました!」
イケメンのくせに出番がなかったアルフォンスはなぜか大喜びしている。一方のクロエは信じられないという表情で固まっているようだった。俺はクロエに向き直り話しかける。
「クロエ、怪我はないな?」
「え? あ、うん、大丈夫」
クロエは我に返った様子で答える。それから、まだどこか夢心地といった様子で続けた。
「ねぇ、あのバカ乳一体何者なの? あんな大きな怪物を一瞬で倒すなんて聞いたことないんだけど」
「あいつは……というか、黒魔導師はちょっと変わってるんだ。何かを代償にして、凄まじい威力を発揮する魔法が使えるとか……」
俺は適当にはぐらかす。俺も正直黒魔導師については知らないことだらけだ。ノエルに直接聞いてくれと思う。
ノエルはというと俺たちの会話などそっちのけで、持参したパンを貪っていた。聞くと、黒魔術の発動にはかなり体力を消耗するらしい。だから、こうして食事をとることで魔力を回復させるというのだ。だが、必死の形相でパンにかじりつく姿は、まるで餓えた獣のようにしか見えない。俺はそんな彼女から目を背けたくなった。
その後もダンジョンを進み、俺たちは何体もモンスターと遭遇したが、俺とクロエが分担して倒し、順調に進んでいた。そして、ついにボスモンスターである『ジャイアント・デスナイト』がいる最下層にたどり着く。俺は魔剣を構えた。いよいよデスナイトとの戦いだ。
「よし、いくぞ」
「リッくん、気をつけてね」
クロエにそう言われると不思議な気持ちになる。なんだかこそばゆいというか、照れくさくなる。俺は頭を掻いてごまかし、クロエを置いて先に歩き出した。
階段を降り切る直前、突然横から気配を感じた。俺は即座に反応して、横に跳ぶ。すると俺が立っていた場所に突如現れた鎧をまとった巨人──『ジャイアント・デスナイト』が、振り上げた大剣を振り下ろした。俺はデスナイトの動きをかわしながら思う。
(まさか待ち伏せとは──やはりこいつ、学習しているのか?)
以前、クリストフたちと共にデスナイトと戦った時よりも、敵の動きが速く複雑になっている気がする。あの時は俺のポーションが尽きて撤退を余儀なくされたのだが、今のクリストフたちには優秀な回復術師がいるし、きっとデスナイトなんて敵じゃないだろうな。
と考えながら、俺はパーティーメンバーに指示を出した。
「ノエルとアルフォンスはデスナイトの動きを止めてくれ! 俺とクロエでひたすら殴るから」
「はい、了解しました」
「わかりました」
2人は素直に答えた。
「リジェネレーションがある俺が敵のマークを引くから、クロエはできるだけデスナイトの背後に位置取るようにしてくれ」
「う、うん……」
クロエは自信なさげに返事をした。
「それじゃいくぞ! 3・2・1……GO!!」
掛け声とともに走り出す。まず、クロエがデスナイトの背後から攻撃を始めた。そして、ノエルが魔法を唱える。俺もそれに合わせて魔剣を振るった。クロエの一撃はデスナイトを切り裂くには至らなかったが、急所を狙った短剣の一撃は、その巨体に確実にダメージを与えている。
「『アビス・アンカー』!」
一方で、ノエルが放った黒い触手のようなものがデスナイトの手足にまとわりつき、動きを封じていく。
「そこだぁぁぁっ!!」
俺はデスナイトの頭部に向かって魔剣を横なぎに振るう。
ガギィィッ!! 激しい金属音が響き渡る。そして── ブシャァッッ!! デスナイトの頭半分ほどまでを切り裂き、血しぶきが上がる。だがデスナイトはまだ倒せない。奴にはサイクロプス同様、再生能力が備わっているためすぐに元通りになってしまう。しかしそれでも着実にダメージを与えていた。このまま戦い続ければ勝てるかもしれない。このボスはここで仕留めておかなければ、いずれもっと強くなるに違いないのだから。
「グオォォォッ!!!」
デスナイトが怒り狂って吠える。
「ノエル、さっきのサイクロプスみたいにこいつを食えるか?」
ノエルは黙って首を振る。やはり、さっきの捕食はあまり格上の相手には通用しない黒魔術だったらしい。ノエルはデスナイトを押さえつけるだけでもかなり必死のようだった。アルフォンスも魔法を使って支援してくれるが、薬草師に過ぎない彼の魔法ではいかんせん火力不足だ。デスナイトの身体は固いうえに再生するため、こちらの攻撃がほとんど効かないのでは、倒すのは無理に近い。実際、これほど攻撃を加えているのに、デスナイトの頭上に浮かんでいるHPバーはほとんど減っていなかった。
(くそっ、考えろ……なにか方法があるはずだ!)
必死に打開策を探るも何も思い浮かばない……そうこうしているうちにデスナイトは再び動き始めた。ノエルの拘束魔法を引きちぎろうとするデスナイトの動きを、魔剣で足を斬りつけることでなんとか鈍らせる。だが、これではジリ貧だ。するとその時──
「リッくん危なーいっ!!」
クロエの叫び声を聞いて俺はハッとした。目の前でデスナイトの大剣が俺に迫っている。回復力が上がっている!?
「ぐあっ!?」
俺は咄嵯に後ろに跳んで回避しようとしたが、わずかに間に合わなかったようだ。肩口に鋭い痛みが走る。
「リックさん、大丈夫ですか?」
ノエルが心配そうに声をかけてくる。どうやらデスナイトが拘束から逃れようと暴れた結果、俺への攻撃も再開してしまったようだ。俺はデスナイトから離れながら言う。
「ああ、まだ動ける」
実際問題、痛いは痛いのだが、アドレナリンが出まくっているせいなのかそれほど気にならなかった。それに、HPはリジェネレーションで回復できる。
だが── ヒュンッ!! ドスッ!!
……と、何か風を切るような音とともに脇腹に熱い感触があったかと思うと視界が揺れた。俺はその場に膝をつく。そして遅れて激痛がやってきた。俺は自分の腹部を見ると、そこには大ぶりの剣が刺さっていた。
19
あなたにおすすめの小説
散々利用されてから勇者パーティーを追い出された…が、元勇者パーティーは僕の本当の能力を知らない。
アノマロカリス
ファンタジー
僕こと…ディスト・ランゼウスは、経験値を倍増させてパーティーの成長を急成長させるスキルを持っていた。
それにあやかった剣士ディランは、僕と共にパーティーを集めて成長して行き…数々の魔王軍の配下を討伐して行き、なんと勇者の称号を得る事になった。
するとディランは、勇者の称号を得てからというもの…態度が横柄になり、更にはパーティーメンバー達も調子付いて行った。
それからと言うもの、調子付いた勇者ディランとパーティーメンバー達は、レベルの上がらないサポート役の僕を邪険にし始めていき…
遂には、役立たずは不要と言って僕を追い出したのだった。
……とまぁ、ここまでは良くある話。
僕が抜けた勇者ディランとパーティーメンバー達は、その後も活躍し続けていき…
遂には、大魔王ドゥルガディスが収める魔大陸を攻略すると言う話になっていた。
「おやおや…もう魔大陸に上陸すると言う話になったのか、ならば…そろそろ僕の本来のスキルを発動するとしますか!」
それから数日後に、ディランとパーティーメンバー達が魔大陸に侵攻し始めたという話を聞いた。
なので、それと同時に…僕の本来のスキルを発動すると…?
2月11日にHOTランキング男性向けで1位になりました。
皆様お陰です、有り難う御座います。
社畜の異世界再出発
U65
ファンタジー
社畜、気づけば異世界の赤ちゃんでした――!?
ブラック企業に心身を削られ、人生リタイアした社畜が目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界。
前世では死ぬほど働いた。今度は、笑って生きたい。
けれどこの世界、穏やかに生きるには……ちょっと強くなる必要があるらしい。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
異世界ラグナロク 〜妹を探したいだけの神災級の俺、上位スキル使用禁止でも気づいたら世界を蹂躙してたっぽい〜
Tri-TON
ファンタジー
核戦争で死んだ俺は、神災級と呼ばれるチートな力を持ったまま異世界へ転生した。
目的はひとつ――行方不明になった“妹”を探すことだ。
だがそこは、大量の転生者が前世の知識と魔素を融合させた“魔素学”によって、
神・魔物・人間の均衡が崩れた危うい世界だった。
そんな中で、魔王と女神が勝手に俺の精神世界で居候し、
挙句の果てに俺は魔物たちに崇拝されるという意味不明な状況に巻き込まれていく。
そして、謎の魔獣の襲来、七つの大罪を名乗る異世界人勇者たちとの因縁、
さらには俺の前世すら巻き込む神々の陰謀まで飛び出して――。
妹を探すだけのはずが、どうやら“世界の命運”まで背負わされるらしい。
笑い、シリアス、涙、そして家族愛。
騒がしくも温かい仲間たちと紡ぐ新たな伝説が、今始まる――。
※小説家になろう様でも掲載しております。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
落ちこぼれの貴族、現地の人達を味方に付けて頑張ります!
ユーリ
ファンタジー
気がつくと、見知らぬ部屋のベッドの上で、状況が理解できず混乱していた僕は、鏡の前に立って、あることを思い出した。
ここはリュカとして生きてきた異世界で、僕は“落ちこぼれ貴族の息子”だった。しかも最悪なことに、さっき行われた絶対失敗出来ない召喚の儀で、僕だけが失敗した。
そのせいで、貴族としての評価は確実に地に落ちる。けれど、両親は超が付くほど過保護だから、家から追い出される心配は……たぶん無い。
問題は一つ。
兄様との関係が、どうしようもなく悪い。
僕は両親に甘やかされ、勉強もサボり放題。その積み重ねのせいで、兄様との距離は遠く、話しかけるだけで気まずい空気に。
このまま兄様が家督を継いだら、屋敷から追い出されるかもしれない!
追い出されないように兄様との関係を改善し、いざ追い出されても生きていけるように勉強して強くなる!……のはずが、勉強をサボっていたせいで、一般常識すら分からないところからのスタートだった。
それでも、兄様との距離を縮めようと努力しているのに、なかなか縮まらない! むしろ避けられてる気さえする!!
それでもめげずに、今日も兄様との関係修復、頑張ります!
5/9から小説になろうでも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる