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第37話 明日からまた頑張ろう
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王都に帰還した俺たち。魔力を大量消費したらしいノエルは道端に倒れ込み「早く私を料理店に……」とか言い始めたので、とりあえず全員で酒場にやってきた。
すると、案の定ノエルは餓死寸前のワーウルフのように運ばれてきた肉にかぶりつき、あっという間に平らげていく。相変わらず食いっぷりが気持ちいい子である。ちなみに今回はフローラが奢ってくれた。なんだか申し訳ない。
食事を終えた俺たちは早速、今回の一件について話を始めた。もちろん魔剣リンドヴルムとの契約についても話すことになるだろう。
「とりあえず目下やることは、ルナちゃんの救出と聖フランシス教団の動向を追うことかな……。ドラゴンに関しては王宮に任せるしかないよね」
クロエの言葉に、全員が首を縦に振る。
「そうね。でもあのドラゴンは本当に厄介よ。邪龍と呼ばれるだけあってかなり強力な魔法を使えるわ。もし、アタシたちでどうにかしようと思うならかなりの戦力増強が必要になる」
フローラは深刻な表情で言うと、俺の方を見て続けた。
「ところでリック。アンタ何か変わった?」
「……何って? なんですか?」
「雰囲気が変わったのよ。なんと言うか、前より落ち着いているような……そんな感じね」
さすがに鋭い。確かに、リンドヴルムと契約してから俺は心なしか身体が軽く感じるし、力が溢れ出るような気さえする。これが魔剣と契約した者の恩恵なのだろうか?
「これは話そうかどうか悩んでたんだが……実は俺、ドラゴン──アムルタートとの戦いの中で、リンドヴルムと契約したんだ」
俺がそう言うと、クロエたちは皆一様に驚愕の眼差しを向けてきた。
「契約って……どういうこと?」
ノエルが不思議そうな顔で聞いてくる。
「うん、まあ契約と言ってもほとんど成り行きだったんだけどね。結果的にアムルタートの攻撃を羽根返せて、クロエが『ライフドレイン』を使えたわけだけど……」
俺が説明を終えると、今度はアルフォンスが口を開いた。
「あの時の一撃……やはりリンドヴルムの力なのか? だとしたらすごいじゃないか!」
「まあ……でも結局逃げられたけどな」
「でもすごかったよ! 私も見てましたけど。なんかこうぶわーっとしたのに包まれてドーン!みたいな」
ノエルは興奮気味に両手を大きく広げてジェスチャー付きで俺の『リンドヴルム』による『攻撃』を説明してくれている。
「いやそれ分からんて」
思わず苦笑しながらツッコミを入れると、
「でも、あの場の全員が見ていたのは確かだよね? あの時は必死でツッコまなかったけど。……なるほどねぇ」
クロエはニヤニヤしてこちらを見てくる。なんだよその顔は。
「で、契約の代償は? あれほどの力を行使できるんだから、それなりの代償を支払ったんでしょ?」
クロエは真剣な面持ちで俺に問いかけてくる。どう答えたものか、一瞬悩んだが隠してもしょうがないだろう。
「俺が払っているのは、体力だよ」
「「えっ!?」」
クロエたちの声が重なる。やっぱりそうなるか……。
「リンドヴルムの力を行使するのと引き換えに、俺は常にこいつに体力を吸われている。持っていない時も、近くに置いておけと。……手放したら俺は死ぬらしい」
俺は、正直に告げる。
「それはまずいんじゃない? ……あ、でもリッくんの『リジェネレーション』があれば平気なのか」
ノエルが不安げに呟く。確かに彼女の言う通り、俺は『リンドヴルム』に体力を吸われ続けてはいるものの、それを上回るスピードで『リジェネレーション』で回復しているため、特に支障は無いのだ。
「でも、リンドヴルムの力を大量に解放すればその分だけ体力が持っていかれている気がするから、最大解放したらどうなるか分からないけどな」
俺がそう答えると、クロエは納得したように小さくうなずいた。
「そうか……。で、その力はどの程度持続するんだ?」
アルフォンスの問いに俺は腕を組んで少し考え込んだ。
「おそらく、俺が体力を吸わせている限りはずっと使えるだろうな……」
「なにそれ、チートじゃない!」
クロエは呆れたような表情で言う。
「でも実際その魔剣、かなりヤバい代物よね……。数百年前に討伐されたドラゴンの力を宿し、聖と魔の相反する属性をもっている剣なんて、アタシも欲しいくらいよ」
「うん。下手すれば世界を滅ぼせるくらいの力が宿ってるかも」
フローラとノエルは同時に溜息をつく。そんなにヤバい代物なのか? 確かに凄まじい力だったが、あのリンドヴルムを名乗っていた女の子から特に害意は感じなかったんだが……。
「様子を見ながら使った方がいいわよ。ピンチだからってぶっぱなしまくるのはナシ。加減ができないうちはね」
フローラの言葉に、他の三人も首肯している。確かにそうだよな。この魔剣を制御できないうちは、うかつなことはできないか……。
その後、俺たちは今後の方針を話し合うことにした。俺としては聖フランシス教団について調べてルナを救出に向かいたいところだが、とりあえずクロエたちの意見を聞くことにする。
「そうね……。私はさっさとクリスティーナ大司教を倒して教団をぶっ潰したいところだけど」
おいクロエ。怖いことさらりと言うなよ。でも確かに教団にはルナも囚われてるだろうしなぁ。一刻も早く助けに行きたいのだろう。俺もその気持ちはよく分かる。
「僕も聖フランシス教団自体には良い印象はないかな。そもそも教団のやろうとしていること自体よく分からないんだよな」
アルフォンスは顎に手を当てて言った。まあ確かにアルフォンスが疑問に思うのはもっともだ。あの教団の目的がいまいち見えてこないもんな。回復術師を育て上げて王家と癒着して、最終的に彼女たちは何を目指しているのか、探る必要があるだろう。
「私は……とにかくお腹いっぱいご飯が食べられればそれでいいかなー」
ノエルは完全に食欲が勝っているようだ。本当にブレない子である。そんな彼女に思わず苦笑してしまう。
「じゃあとりあえず、ギルドハウスに戻って体制を整えてから、改めて情報を集めよう」
「「了解!」」
こうして方針が決まったところで、酒場を後にする俺ら。すると、クロエが俺の腕をつかんできた。なんだ?
「……ありがとね。私のこと守ってくれて」
小声でそう言って微笑む彼女。俺が照れ隠しのために目を逸らすと、
「あーっ! リッくんがクロエを口説いてる!!」
とノエルが茶化してきたので、俺は必死で否定してその場を立ち去った。まったく、とんでもない誤解を招くからそういうのやめてくれよな……。
ギルドハウスに戻った俺たちは疲れをとるために各自休むことになった。といっても、俺は自分の部屋に戻り、ベッドの上で仰向けになりながら今日あったことを思い出していた。
聖フランシス教団の大司教クリスティーナとの出会い、そしてリンドヴルムとの契約。色々あって大変だったけど、収穫もあったと思う。攫われたルナのことは気になるが、きっと大丈夫だ。彼女はあの程度の連中に屈するようなやつじゃない。俺はそう信じている。俺は俺なりにできることをする。ただそれだけだ。
「よし、明日からまた頑張ろう」
俺は気合を入れ直して、眠りについた。
王都に帰還した俺たち。魔力を大量消費したらしいノエルは道端に倒れ込み「早く私を料理店に……」とか言い始めたので、とりあえず全員で酒場にやってきた。
すると、案の定ノエルは餓死寸前のワーウルフのように運ばれてきた肉にかぶりつき、あっという間に平らげていく。相変わらず食いっぷりが気持ちいい子である。ちなみに今回はフローラが奢ってくれた。なんだか申し訳ない。
食事を終えた俺たちは早速、今回の一件について話を始めた。もちろん魔剣リンドヴルムとの契約についても話すことになるだろう。
「とりあえず目下やることは、ルナちゃんの救出と聖フランシス教団の動向を追うことかな……。ドラゴンに関しては王宮に任せるしかないよね」
クロエの言葉に、全員が首を縦に振る。
「そうね。でもあのドラゴンは本当に厄介よ。邪龍と呼ばれるだけあってかなり強力な魔法を使えるわ。もし、アタシたちでどうにかしようと思うならかなりの戦力増強が必要になる」
フローラは深刻な表情で言うと、俺の方を見て続けた。
「ところでリック。アンタ何か変わった?」
「……何って? なんですか?」
「雰囲気が変わったのよ。なんと言うか、前より落ち着いているような……そんな感じね」
さすがに鋭い。確かに、リンドヴルムと契約してから俺は心なしか身体が軽く感じるし、力が溢れ出るような気さえする。これが魔剣と契約した者の恩恵なのだろうか?
「これは話そうかどうか悩んでたんだが……実は俺、ドラゴン──アムルタートとの戦いの中で、リンドヴルムと契約したんだ」
俺がそう言うと、クロエたちは皆一様に驚愕の眼差しを向けてきた。
「契約って……どういうこと?」
ノエルが不思議そうな顔で聞いてくる。
「うん、まあ契約と言ってもほとんど成り行きだったんだけどね。結果的にアムルタートの攻撃を羽根返せて、クロエが『ライフドレイン』を使えたわけだけど……」
俺が説明を終えると、今度はアルフォンスが口を開いた。
「あの時の一撃……やはりリンドヴルムの力なのか? だとしたらすごいじゃないか!」
「まあ……でも結局逃げられたけどな」
「でもすごかったよ! 私も見てましたけど。なんかこうぶわーっとしたのに包まれてドーン!みたいな」
ノエルは興奮気味に両手を大きく広げてジェスチャー付きで俺の『リンドヴルム』による『攻撃』を説明してくれている。
「いやそれ分からんて」
思わず苦笑しながらツッコミを入れると、
「でも、あの場の全員が見ていたのは確かだよね? あの時は必死でツッコまなかったけど。……なるほどねぇ」
クロエはニヤニヤしてこちらを見てくる。なんだよその顔は。
「で、契約の代償は? あれほどの力を行使できるんだから、それなりの代償を支払ったんでしょ?」
クロエは真剣な面持ちで俺に問いかけてくる。どう答えたものか、一瞬悩んだが隠してもしょうがないだろう。
「俺が払っているのは、体力だよ」
「「えっ!?」」
クロエたちの声が重なる。やっぱりそうなるか……。
「リンドヴルムの力を行使するのと引き換えに、俺は常にこいつに体力を吸われている。持っていない時も、近くに置いておけと。……手放したら俺は死ぬらしい」
俺は、正直に告げる。
「それはまずいんじゃない? ……あ、でもリッくんの『リジェネレーション』があれば平気なのか」
ノエルが不安げに呟く。確かに彼女の言う通り、俺は『リンドヴルム』に体力を吸われ続けてはいるものの、それを上回るスピードで『リジェネレーション』で回復しているため、特に支障は無いのだ。
「でも、リンドヴルムの力を大量に解放すればその分だけ体力が持っていかれている気がするから、最大解放したらどうなるか分からないけどな」
俺がそう答えると、クロエは納得したように小さくうなずいた。
「そうか……。で、その力はどの程度持続するんだ?」
アルフォンスの問いに俺は腕を組んで少し考え込んだ。
「おそらく、俺が体力を吸わせている限りはずっと使えるだろうな……」
「なにそれ、チートじゃない!」
クロエは呆れたような表情で言う。
「でも実際その魔剣、かなりヤバい代物よね……。数百年前に討伐されたドラゴンの力を宿し、聖と魔の相反する属性をもっている剣なんて、アタシも欲しいくらいよ」
「うん。下手すれば世界を滅ぼせるくらいの力が宿ってるかも」
フローラとノエルは同時に溜息をつく。そんなにヤバい代物なのか? 確かに凄まじい力だったが、あのリンドヴルムを名乗っていた女の子から特に害意は感じなかったんだが……。
「様子を見ながら使った方がいいわよ。ピンチだからってぶっぱなしまくるのはナシ。加減ができないうちはね」
フローラの言葉に、他の三人も首肯している。確かにそうだよな。この魔剣を制御できないうちは、うかつなことはできないか……。
その後、俺たちは今後の方針を話し合うことにした。俺としては聖フランシス教団について調べてルナを救出に向かいたいところだが、とりあえずクロエたちの意見を聞くことにする。
「そうね……。私はさっさとクリスティーナ大司教を倒して教団をぶっ潰したいところだけど」
おいクロエ。怖いことさらりと言うなよ。でも確かに教団にはルナも囚われてるだろうしなぁ。一刻も早く助けに行きたいのだろう。俺もその気持ちはよく分かる。
「僕も聖フランシス教団自体には良い印象はないかな。そもそも教団のやろうとしていること自体よく分からないんだよな」
アルフォンスは顎に手を当てて言った。まあ確かにアルフォンスが疑問に思うのはもっともだ。あの教団の目的がいまいち見えてこないもんな。回復術師を育て上げて王家と癒着して、最終的に彼女たちは何を目指しているのか、探る必要があるだろう。
「私は……とにかくお腹いっぱいご飯が食べられればそれでいいかなー」
ノエルは完全に食欲が勝っているようだ。本当にブレない子である。そんな彼女に思わず苦笑してしまう。
「じゃあとりあえず、ギルドハウスに戻って体制を整えてから、改めて情報を集めよう」
「「了解!」」
こうして方針が決まったところで、酒場を後にする俺ら。すると、クロエが俺の腕をつかんできた。なんだ?
「……ありがとね。私のこと守ってくれて」
小声でそう言って微笑む彼女。俺が照れ隠しのために目を逸らすと、
「あーっ! リッくんがクロエを口説いてる!!」
とノエルが茶化してきたので、俺は必死で否定してその場を立ち去った。まったく、とんでもない誤解を招くからそういうのやめてくれよな……。
ギルドハウスに戻った俺たちは疲れをとるために各自休むことになった。といっても、俺は自分の部屋に戻り、ベッドの上で仰向けになりながら今日あったことを思い出していた。
聖フランシス教団の大司教クリスティーナとの出会い、そしてリンドヴルムとの契約。色々あって大変だったけど、収穫もあったと思う。攫われたルナのことは気になるが、きっと大丈夫だ。彼女はあの程度の連中に屈するようなやつじゃない。俺はそう信じている。俺は俺なりにできることをする。ただそれだけだ。
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