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7 黒の理由
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学校は長期休暇に入った。両親は領地に行かずに王都にいるそうだ。まぁ領地には領主代理がいるし、緊急事態がない限り大丈夫だ。それにうちの場合収入のほとんどは貿易業から得てるし。
両親には勉強としてしばらくの間平民街で仕事をしてみたいと話してある。お父様は心配していたが、お母様はやりたいならやってみなさいと肯定的だった。
お母様はずっと俺の髪と目が黒色であることを気にかけている。そのせいで黒い悪魔と言われていることも。
お母様は失って300年が経つ『リティーダ共和国』の血筋なのだそうだ。黒髪・黒目が特徴的でそこの国の人々はみな同じ色をしていた。だが、突如ガルダニア帝国によって攻撃され、多くのリティーダ人が亡くなった。生き残った人々は散り散りになった。多くのリティーダ人が自国出身以外の人と結婚し、子どもが出来た。だが、黒髪・黒目で産まれてくる赤ん坊はほとんど居なかった。そんな中生まれたのが俺、エルティアだ。特徴があまりに強く現れているため、先祖返りだと言われている。
黒の色が強ければ強いほど、魔法のような特別な力が使えるという。その不思議な力は、リティーダ共和国が攻撃され亡国となった原因でもある。戦火でほとんどの書籍や文化が失われ、詳細は分かっていない。因みに俺も使える。攻撃魔法も治癒魔法も使えない。俺が出来るのは『温めること』『冷やすこと』。以上二点しか出来ない。ピクニックとか野営に便利かも。
アキスト王国はリティーダ共和国の血が強く出た俺を警戒しているようだが、他国に知られて連れ去られても困るということで、俺の情報は外に漏れていないらしい。王族と王家に連なるメンブルク公爵家以外の貴族のほとんどは恐ろしい黒い色を宿した悪童としか思っていない。まぁ俺も好きに行動出来なくなるよりは、ただ遠くから監視されてるだけの方がマシだ。将来お兄様と一緒に仕事出来ないのは嫌だし。
実際に他の人が使えない不思議な力を持っていることは確かなので、下手に人と関わって知られて面倒なことになるよりは良いか、と伯爵家の貿易事業目当てに話しかけてくる学生らを無視したり口悪く追い払ってたりしてたら『黒い悪魔の噂は事実である』とされてしまった。
家族やお父様の仕事関係で知り合う人たちは全く気にしていないのか普通だし、お兄様の側近であるシャムなんかは俺に対する扱いが雑に感じるほどだ。お前はもっと敬っても良いんじゃないか?と聞いたところ、自分を雇っているのは伯爵様で、お仕えしているのはオルフェスお兄様だから、俺のことは口の悪い可愛い弟にしか思わないと言い放った。あまりに清々しくて呆気に取られた。
今現在学校で数年間ほどしか関わらない人たちより、卒業してから出会い、付き合っていく人たちの方が人生では長いんだからまぁどうでも良いか。
俺がキールとリアム、二人と仲が良かったことを知っているお母様は気に病んでいるようだったので、俺が平民街で家族以外の人と仲良くなったことを喜んでいるのだと思う。
という訳で、俺は今日も堂々と平民街へと出かけた。もちろん変装はしている。ガルロさんに言われて深めの帽子も被った。学校が休みの日にランチの配膳や食堂の掃除をしている。ダンさんを始め、マルタ食堂の常連さんとも仲良くなった。ほとんどが冒険者の人で、知らない世界の話を聞くのが楽しかった。みんながただのエレンとして俺と仲良くしてくれ、俺もただのエレンとしてみんなと過ごせることが楽しかった。そもそも、平民街では『黒い悪魔』エルティア・クロスフェード自体知られていないようだった。他国に知られないように、王家が貴族に箝口令を敷いたのだろうか。
新しい人間関係を築くことはとても楽しく、充実していた。
料理の腕が一向に上がらない以外は。
両親には勉強としてしばらくの間平民街で仕事をしてみたいと話してある。お父様は心配していたが、お母様はやりたいならやってみなさいと肯定的だった。
お母様はずっと俺の髪と目が黒色であることを気にかけている。そのせいで黒い悪魔と言われていることも。
お母様は失って300年が経つ『リティーダ共和国』の血筋なのだそうだ。黒髪・黒目が特徴的でそこの国の人々はみな同じ色をしていた。だが、突如ガルダニア帝国によって攻撃され、多くのリティーダ人が亡くなった。生き残った人々は散り散りになった。多くのリティーダ人が自国出身以外の人と結婚し、子どもが出来た。だが、黒髪・黒目で産まれてくる赤ん坊はほとんど居なかった。そんな中生まれたのが俺、エルティアだ。特徴があまりに強く現れているため、先祖返りだと言われている。
黒の色が強ければ強いほど、魔法のような特別な力が使えるという。その不思議な力は、リティーダ共和国が攻撃され亡国となった原因でもある。戦火でほとんどの書籍や文化が失われ、詳細は分かっていない。因みに俺も使える。攻撃魔法も治癒魔法も使えない。俺が出来るのは『温めること』『冷やすこと』。以上二点しか出来ない。ピクニックとか野営に便利かも。
アキスト王国はリティーダ共和国の血が強く出た俺を警戒しているようだが、他国に知られて連れ去られても困るということで、俺の情報は外に漏れていないらしい。王族と王家に連なるメンブルク公爵家以外の貴族のほとんどは恐ろしい黒い色を宿した悪童としか思っていない。まぁ俺も好きに行動出来なくなるよりは、ただ遠くから監視されてるだけの方がマシだ。将来お兄様と一緒に仕事出来ないのは嫌だし。
実際に他の人が使えない不思議な力を持っていることは確かなので、下手に人と関わって知られて面倒なことになるよりは良いか、と伯爵家の貿易事業目当てに話しかけてくる学生らを無視したり口悪く追い払ってたりしてたら『黒い悪魔の噂は事実である』とされてしまった。
家族やお父様の仕事関係で知り合う人たちは全く気にしていないのか普通だし、お兄様の側近であるシャムなんかは俺に対する扱いが雑に感じるほどだ。お前はもっと敬っても良いんじゃないか?と聞いたところ、自分を雇っているのは伯爵様で、お仕えしているのはオルフェスお兄様だから、俺のことは口の悪い可愛い弟にしか思わないと言い放った。あまりに清々しくて呆気に取られた。
今現在学校で数年間ほどしか関わらない人たちより、卒業してから出会い、付き合っていく人たちの方が人生では長いんだからまぁどうでも良いか。
俺がキールとリアム、二人と仲が良かったことを知っているお母様は気に病んでいるようだったので、俺が平民街で家族以外の人と仲良くなったことを喜んでいるのだと思う。
という訳で、俺は今日も堂々と平民街へと出かけた。もちろん変装はしている。ガルロさんに言われて深めの帽子も被った。学校が休みの日にランチの配膳や食堂の掃除をしている。ダンさんを始め、マルタ食堂の常連さんとも仲良くなった。ほとんどが冒険者の人で、知らない世界の話を聞くのが楽しかった。みんながただのエレンとして俺と仲良くしてくれ、俺もただのエレンとしてみんなと過ごせることが楽しかった。そもそも、平民街では『黒い悪魔』エルティア・クロスフェード自体知られていないようだった。他国に知られないように、王家が貴族に箝口令を敷いたのだろうか。
新しい人間関係を築くことはとても楽しく、充実していた。
料理の腕が一向に上がらない以外は。
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