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8 仕事に精が出ます
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「エレンくん! こっちも注文お願い!」
「はーい、今すぐ!」
「エレン! 次はオレのところにも!」
「分かりました!」
「おいお前ら! この間まで、座ったまんま大声でアレくれソレくれって叫んでただろうが!」
マルタ食堂のお昼時は忙しい。しかもみんなたくさん食べるから作るガルロさんは大変だ。ここで働くようになって、はや一ヶ月程になる。学校が夏季休暇に入ってからはほぼ毎日来ていた。お客さんに注文を聞いて、紙に書いてガルロさんに紙を渡す。ガルロさんが作った料理を俺がテーブルに置いていく。その繰り返しだ。働き始めに「ご注文はお決まりですか?」と俺が聞きに行ったら、テーブルにいた数人がビックリしてガルロさんを見たかと思うと「攫ってきたのか!?」と言ってガルロさんに頭を殴られていた。みんな優しく、不慣れな俺を急かさず待ってくれる。俺が自分で書いた方がメニューと名前を覚えやすいだろうということでそうしている。俺がいない時は相変わらず大声で叫ぶ方式なんだろうか。
「エレンくんも随分馴染んだね。真面目だし良い子だし。カッコ良いからこんな所で働かなくても良さげな職場あるのに」
「ネラ、お前出禁にするぞ」
「俺がガルロさんの料理が好きで、無理をお願いして働かせてもらってるんです。ここ以外で働く気はなくて」
「エレンくんほんと良い子だなぁ、可愛い」
「うちの従業員に手ぇ出したら殺す」
みなさん、俺より年上だからか良くしてもらっている。でも身長も顔も性格も特に可愛くは無いと思う。ガルロさんとお客さんたちのおかげでメニューも、お客さんの名前と顔も大分覚えた。仕事も楽しくて学校とは別人のように笑顔が増えた。
ガチャ
「いらっしゃいませー! あ、レオンさんこんにちは!」
「こんにちは。ピーク時間より遅く来たのに今日も盛況だね。場所あるかな」
「えと、カウンター席でも良いですか?」
「大丈夫ですよ」
レオンさんは冒険者だ。俺より頭一つ分は高くていつも見上げる形になる。レオンさんは今は冒険者ギルドで依頼を受けず、各国を回っているそうだ。銀髪と紫の目が綺麗で似合っている。レオンさんが注文した料理をガルロさんから渡され、テーブルに置いた。
「エレン、もうそろそろ客足引く頃だから自分で賄い作ってみるか?」
「はい!」
今日は『夏菜とハリロ卵のスープ』と『ジャト肉といりこ豆の雑炊』にしてみよう。教えてもらった通りに具材を準備して作ってみる。ガルロさんもレオンさんも見守っている。テーブル席のお客さんからの目線も感じる。
「出来ました!」
「うん、工程も味付けも問題無いように見える」
ガルロさんがスプーンでスープをひと匙すくって口に入れた。
「んぐ!!!?」
ガルロさんが口を抑えて悶絶している。今日もダメか……。一ヶ月もこの状態が続くと、流石に堪えてきた。最初にガルロさんに「何か作ってみろ」と言われ作って出すと、ガルロさんがひと口食べた後少しだけ気を失ってた。またキールたちのように朝まで起きなかったらどうしようかと思ったが、元冒険者で体が丈夫だからかすぐに復帰した。そのことを聞いたお客さんから、試しに俺の料理を食べてみたいと言われ、同じように昏倒していった。え、本当に毒?俺のご飯本当に毒なの?でも勿論毒物は入ってないし……。
悲しみを漂わせながら、自分で作ったスープと雑炊を食べてみる。うん美味しい。ガルロさんの料理や他の食べ物も美味しいと思うし、ガルロさん先導の元作ってるから手順も問題ないし、味覚確認のために色んな調味料を舐めて確認したけど、苦味・甘味・辛味・酸味……どれも正常だった。なんでだろう……。
「ガルロさん」
しばらく様子を見ていたレオンさんが話に入ってきた。
「エレンくんの作る料理は、手順も、食材も、調味料も全く問題ないんでしたよね?」
「あぁ、そうだ。量も火にくべる時間も大丈夫だ」
うんうん、だからこそ分からないんだ。
「もしかしたら、呪い、または呪いに近い類かもしれません」
「はーい、今すぐ!」
「エレン! 次はオレのところにも!」
「分かりました!」
「おいお前ら! この間まで、座ったまんま大声でアレくれソレくれって叫んでただろうが!」
マルタ食堂のお昼時は忙しい。しかもみんなたくさん食べるから作るガルロさんは大変だ。ここで働くようになって、はや一ヶ月程になる。学校が夏季休暇に入ってからはほぼ毎日来ていた。お客さんに注文を聞いて、紙に書いてガルロさんに紙を渡す。ガルロさんが作った料理を俺がテーブルに置いていく。その繰り返しだ。働き始めに「ご注文はお決まりですか?」と俺が聞きに行ったら、テーブルにいた数人がビックリしてガルロさんを見たかと思うと「攫ってきたのか!?」と言ってガルロさんに頭を殴られていた。みんな優しく、不慣れな俺を急かさず待ってくれる。俺が自分で書いた方がメニューと名前を覚えやすいだろうということでそうしている。俺がいない時は相変わらず大声で叫ぶ方式なんだろうか。
「エレンくんも随分馴染んだね。真面目だし良い子だし。カッコ良いからこんな所で働かなくても良さげな職場あるのに」
「ネラ、お前出禁にするぞ」
「俺がガルロさんの料理が好きで、無理をお願いして働かせてもらってるんです。ここ以外で働く気はなくて」
「エレンくんほんと良い子だなぁ、可愛い」
「うちの従業員に手ぇ出したら殺す」
みなさん、俺より年上だからか良くしてもらっている。でも身長も顔も性格も特に可愛くは無いと思う。ガルロさんとお客さんたちのおかげでメニューも、お客さんの名前と顔も大分覚えた。仕事も楽しくて学校とは別人のように笑顔が増えた。
ガチャ
「いらっしゃいませー! あ、レオンさんこんにちは!」
「こんにちは。ピーク時間より遅く来たのに今日も盛況だね。場所あるかな」
「えと、カウンター席でも良いですか?」
「大丈夫ですよ」
レオンさんは冒険者だ。俺より頭一つ分は高くていつも見上げる形になる。レオンさんは今は冒険者ギルドで依頼を受けず、各国を回っているそうだ。銀髪と紫の目が綺麗で似合っている。レオンさんが注文した料理をガルロさんから渡され、テーブルに置いた。
「エレン、もうそろそろ客足引く頃だから自分で賄い作ってみるか?」
「はい!」
今日は『夏菜とハリロ卵のスープ』と『ジャト肉といりこ豆の雑炊』にしてみよう。教えてもらった通りに具材を準備して作ってみる。ガルロさんもレオンさんも見守っている。テーブル席のお客さんからの目線も感じる。
「出来ました!」
「うん、工程も味付けも問題無いように見える」
ガルロさんがスプーンでスープをひと匙すくって口に入れた。
「んぐ!!!?」
ガルロさんが口を抑えて悶絶している。今日もダメか……。一ヶ月もこの状態が続くと、流石に堪えてきた。最初にガルロさんに「何か作ってみろ」と言われ作って出すと、ガルロさんがひと口食べた後少しだけ気を失ってた。またキールたちのように朝まで起きなかったらどうしようかと思ったが、元冒険者で体が丈夫だからかすぐに復帰した。そのことを聞いたお客さんから、試しに俺の料理を食べてみたいと言われ、同じように昏倒していった。え、本当に毒?俺のご飯本当に毒なの?でも勿論毒物は入ってないし……。
悲しみを漂わせながら、自分で作ったスープと雑炊を食べてみる。うん美味しい。ガルロさんの料理や他の食べ物も美味しいと思うし、ガルロさん先導の元作ってるから手順も問題ないし、味覚確認のために色んな調味料を舐めて確認したけど、苦味・甘味・辛味・酸味……どれも正常だった。なんでだろう……。
「ガルロさん」
しばらく様子を見ていたレオンさんが話に入ってきた。
「エレンくんの作る料理は、手順も、食材も、調味料も全く問題ないんでしたよね?」
「あぁ、そうだ。量も火にくべる時間も大丈夫だ」
うんうん、だからこそ分からないんだ。
「もしかしたら、呪い、または呪いに近い類かもしれません」
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