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21 少し近付く
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話を終え、サーリャさんと共に一階に降りた。レオンさんとアンソニーさんの話し声が聞こえる。
「──から、遠慮するなよ」
「どこか宿屋を探すから大丈夫だよ」
「どうかしたの?」
「ああ今日レオンたちがわざわざ宿屋に泊まるっていうから、ここに泊まれって言ってたんだ。子どもたちも独り立ちしてここにいないし、部屋も余ってるからな。客室なら広いベッドもあるし」
「そうね、そうしなさい。まだエレンともお話したいわ。レオンとも久しぶりだし」
「……分かりました。エレンくん、今日はここで休んでも大丈夫かな? 明日朝ここを出発することになるけど」
「はい! 俺は大丈夫です。アンソニーさん、サーリャさん、ありがとうございます」
「こちらこそ嬉しいわ。じゃあ私は客室の準備をしてくるわ」
「なら、俺も手伝います!」
「エレンくんは本当に良い子ね。大丈夫よ、空気の入れ替えとベッドメイクぐらいだから。アルテナの街は初めてかしら? 良かったらレオンと二人で出かけてらっしゃい。最近美味しいカフェレストランも出来たの。お昼もろくに食べてないでしょうから、軽くお茶でもしてきたら?」
「そうしよう。エレンくん、案内するよ」
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて行ってきます」
「ええ、ゆっくりしてらっしゃい。夕ご飯は一緒に食べましょうね」
「はい! 行ってきます」
レオンさんに手を引かれ、雑貨屋さんから出た。帰りにここでガルロさんや家族にお土産を買いたいな。来た道をそのまま戻りメインの広場に来た。
「雑貨屋とは別方向に進めば、食事処や商店が立ち並ぶ繁華街があるんだ。色々ふらつきながらカフェに入って軽く食べようか」
「はい! 楽しみです」
歩きながらお店を見て周り、新しめのカフェに入った。サーリャさんが話していたお店だろうか。白色で統一された、清潔感のあるカフェだ。テーブルに案内され、何を頼もうかとメニューを眺めていると、レオンから声を掛けられる。
「アルコール以外にしろよ」
「お昼から飲まないよ! というかもうお酒は避けられない時以外は飲まない」
「うん、何がなんでも避けろ。フルーツジュースとパンケーキがおすすめらしい。パンケーキは大きそうだから半分分けにしようか」
「はい。じゃあ俺はバナナジュースにします」
「オレはエスプレッソにしよう。パンケーキは甘い系と食事系があるけど、どっちが良い?」
「レオンさんが良ければ甘いのが食べたいです」
「じゃあ三種のベリーと木の実のパンケーキにしよう」
注文し、料理が届くのを待つ。そういえば、誰かとこうやって外で食事したことないな……。小さい頃は家族とあったかもしれないけど、そもそもエルティアとして街に行くことが無くなったし、旅行も初めてだし……。そのことに気付くと、嬉しさと気恥しさでソワソワしてくる。そうしてる内に、ドリンクと料理がテーブルに届けられた。たくさんのベリーと木の実、そしてクリームが乗ったパンケーキに目を輝かせる。ふ、と前から笑い声が漏れた音がした。
「エレンくんが嬉しそうでオレも嬉しいよ。さ、食べようか」
「う……はい……」
ワクワク感が漏れていたのが恥ずかしい。子どもじゃないのにはしゃぎ過ぎだろうか。
「美味しい……」
初めて食べる甘いパンケーキに頬が緩んだ。首都であるアキュレに無いのが不思議だ。お腹が空いていたのでパクパクと食べ進める。レオンが食べて居ないことに気付き、一口大に切ったパンケーキをレオンの口元に持っていく。
「美味しいですよ、食べてみてください」
「食べさせてもらえるなんて人生で初めてだな」
「僕も人に食べさせるのは初めてです。レオンさんが食べそうに無かったから」
「エレンくんが好きなだけ食べて、余ったら貰おうと思ってたんだよ。じゃあまず一口貰うね」
レオンさんが俺のフォークから直接パンケーキを食べる。クリームとベリーと木の実の配分は完璧だ。
「うん美味しいね」
「でしょう? レオンさんも一階に食べてください。これ以上食べると俺が夜食べられなくなります」
「じゃあ頂こうかな」
二人で話しながら食べ進める。
「俺……外で誰かとこうやってご飯食べたり、数日泊まりで外出したりするの初めてで。本当に楽しかったです。この歳で初めてのことばかりで、自分でも気付かなかったくらい心が浮ついていたみたいで……」
「エレンくんをときめかせることが出来て、光栄だな」
「またそんなふざけたこと言って……最初の頃はしっかりした大人の人だと思ったのに」
「エレンくんも段々容赦なくなってきたじゃないか。こっちが素だよ」
「サーリャさんに思ったことは後悔なく言葉にしろって言われたから、レオンさんには遠慮しなくて良いかなって」
「ちょっと猫被ったエレンくんも可愛いけど、ズケズケ言うエレンくんも好きだよ」
「もう……! ……あの、一つお願いがあって」
「なんだい?」
「俺のこと、エレンって呼び捨てで呼んでもらえませんか? その、今俺にとって一番親しい人ってレオンさんで、俺の方が年下だし、呼び捨てが良いなって」
くん呼びに戻って寂しく感じたのだ。本当はエル、またはティアと呼んで欲しいが、まだ全てを話すべきかは迷っている。
「エレン、じゃあオレのこともレオンと呼べ、敬語も無くて良い。一週間近く一緒に過ごすんだ、一番近しい仲なんだしな」
「ふふ……あはは……! はい、いや、うん。分かった。ありがとうレオン。ここまで一緒に来てくれて。これからどうするか考えてみる。またレオンに助けて欲しいってお願いするかもしれない」
「もちろん構わない。エレンのためならいつでも構わない。第一優先で動くよ」
ずっと探している人がいるのに……? と一瞬頭によぎったが、それには気付かないフリをしてレオンとの食事を楽しんだ。
「──から、遠慮するなよ」
「どこか宿屋を探すから大丈夫だよ」
「どうかしたの?」
「ああ今日レオンたちがわざわざ宿屋に泊まるっていうから、ここに泊まれって言ってたんだ。子どもたちも独り立ちしてここにいないし、部屋も余ってるからな。客室なら広いベッドもあるし」
「そうね、そうしなさい。まだエレンともお話したいわ。レオンとも久しぶりだし」
「……分かりました。エレンくん、今日はここで休んでも大丈夫かな? 明日朝ここを出発することになるけど」
「はい! 俺は大丈夫です。アンソニーさん、サーリャさん、ありがとうございます」
「こちらこそ嬉しいわ。じゃあ私は客室の準備をしてくるわ」
「なら、俺も手伝います!」
「エレンくんは本当に良い子ね。大丈夫よ、空気の入れ替えとベッドメイクぐらいだから。アルテナの街は初めてかしら? 良かったらレオンと二人で出かけてらっしゃい。最近美味しいカフェレストランも出来たの。お昼もろくに食べてないでしょうから、軽くお茶でもしてきたら?」
「そうしよう。エレンくん、案内するよ」
「ありがとうございます。じゃあお言葉に甘えて行ってきます」
「ええ、ゆっくりしてらっしゃい。夕ご飯は一緒に食べましょうね」
「はい! 行ってきます」
レオンさんに手を引かれ、雑貨屋さんから出た。帰りにここでガルロさんや家族にお土産を買いたいな。来た道をそのまま戻りメインの広場に来た。
「雑貨屋とは別方向に進めば、食事処や商店が立ち並ぶ繁華街があるんだ。色々ふらつきながらカフェに入って軽く食べようか」
「はい! 楽しみです」
歩きながらお店を見て周り、新しめのカフェに入った。サーリャさんが話していたお店だろうか。白色で統一された、清潔感のあるカフェだ。テーブルに案内され、何を頼もうかとメニューを眺めていると、レオンから声を掛けられる。
「アルコール以外にしろよ」
「お昼から飲まないよ! というかもうお酒は避けられない時以外は飲まない」
「うん、何がなんでも避けろ。フルーツジュースとパンケーキがおすすめらしい。パンケーキは大きそうだから半分分けにしようか」
「はい。じゃあ俺はバナナジュースにします」
「オレはエスプレッソにしよう。パンケーキは甘い系と食事系があるけど、どっちが良い?」
「レオンさんが良ければ甘いのが食べたいです」
「じゃあ三種のベリーと木の実のパンケーキにしよう」
注文し、料理が届くのを待つ。そういえば、誰かとこうやって外で食事したことないな……。小さい頃は家族とあったかもしれないけど、そもそもエルティアとして街に行くことが無くなったし、旅行も初めてだし……。そのことに気付くと、嬉しさと気恥しさでソワソワしてくる。そうしてる内に、ドリンクと料理がテーブルに届けられた。たくさんのベリーと木の実、そしてクリームが乗ったパンケーキに目を輝かせる。ふ、と前から笑い声が漏れた音がした。
「エレンくんが嬉しそうでオレも嬉しいよ。さ、食べようか」
「う……はい……」
ワクワク感が漏れていたのが恥ずかしい。子どもじゃないのにはしゃぎ過ぎだろうか。
「美味しい……」
初めて食べる甘いパンケーキに頬が緩んだ。首都であるアキュレに無いのが不思議だ。お腹が空いていたのでパクパクと食べ進める。レオンが食べて居ないことに気付き、一口大に切ったパンケーキをレオンの口元に持っていく。
「美味しいですよ、食べてみてください」
「食べさせてもらえるなんて人生で初めてだな」
「僕も人に食べさせるのは初めてです。レオンさんが食べそうに無かったから」
「エレンくんが好きなだけ食べて、余ったら貰おうと思ってたんだよ。じゃあまず一口貰うね」
レオンさんが俺のフォークから直接パンケーキを食べる。クリームとベリーと木の実の配分は完璧だ。
「うん美味しいね」
「でしょう? レオンさんも一階に食べてください。これ以上食べると俺が夜食べられなくなります」
「じゃあ頂こうかな」
二人で話しながら食べ進める。
「俺……外で誰かとこうやってご飯食べたり、数日泊まりで外出したりするの初めてで。本当に楽しかったです。この歳で初めてのことばかりで、自分でも気付かなかったくらい心が浮ついていたみたいで……」
「エレンくんをときめかせることが出来て、光栄だな」
「またそんなふざけたこと言って……最初の頃はしっかりした大人の人だと思ったのに」
「エレンくんも段々容赦なくなってきたじゃないか。こっちが素だよ」
「サーリャさんに思ったことは後悔なく言葉にしろって言われたから、レオンさんには遠慮しなくて良いかなって」
「ちょっと猫被ったエレンくんも可愛いけど、ズケズケ言うエレンくんも好きだよ」
「もう……! ……あの、一つお願いがあって」
「なんだい?」
「俺のこと、エレンって呼び捨てで呼んでもらえませんか? その、今俺にとって一番親しい人ってレオンさんで、俺の方が年下だし、呼び捨てが良いなって」
くん呼びに戻って寂しく感じたのだ。本当はエル、またはティアと呼んで欲しいが、まだ全てを話すべきかは迷っている。
「エレン、じゃあオレのこともレオンと呼べ、敬語も無くて良い。一週間近く一緒に過ごすんだ、一番近しい仲なんだしな」
「ふふ……あはは……! はい、いや、うん。分かった。ありがとうレオン。ここまで一緒に来てくれて。これからどうするか考えてみる。またレオンに助けて欲しいってお願いするかもしれない」
「もちろん構わない。エレンのためならいつでも構わない。第一優先で動くよ」
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