極悪令息と呼ばれていることとメシマズは直接関係ありません

ちゃちゃ

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48 参考書という名のエロ本

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 談話室に到着し、案内されたソファーに座った。座ったと同時に家令と侍女がお茶をテーブルに置き、部屋からしずしずと出ていった。
 
「それにしてもシェリーくん可愛かったなぁ。俺も弟欲しかったなぁ」
「シュシュはこの世で唯一の天使だ。あの子を守る為ならなんでもやるつもりだ。その為に私は立派な当主になるつもりだ。生涯シュシュをかこ……守ると誓っている」
「穏やかじゃない単語が聞こえた気がするけど無視しよ」
 
 リアムもフリードも極端なんだよ。
 とりあえず目的の一つであるグループ課題を進めることにした。『首都アキュレの更なる活性化への課題』ということで、皆がポンポンと提案が飛び交う。
 ・他国や他領地から人気のお店を誘致する
 ・新しく開店する場合、2年間所得税を免除する
 ・国民は既存のお店にはアキュレ発行のクーポン券を使用出来、お店側はそのクーポン券を現金化出来る
 ・貴族街と平民街、それぞれの特性を活かし、差別化をはかり人の流動性を高める
 
 などの案が出た。
 ・具体的にどんなお店を呼びたいか
 ・クーポン券は一枚何リラにするか
 実現する為にはアキュレ側にも有益性が無いと難しいことから
 ・クーポン券の裏に載る広告を募集し、利益を税収とする
 といった内容も追加された。
 
「よし、そこそこまとまったね。あとは私が発表する文言を考えておくから任せてくれ」
「そこまでお願いして大丈夫なのか?」
「もちろん、今日家に来てくれたお礼だと思ってくれ」
 
 本当に来ただけなのに良いのだろうか。とりあえず一息つこうとお茶を飲んだ。
 
「さて、じゃあエルが聞きたかった男性同士の付き合い方と寝所での愛し方について教えるね」
「っん??!! ぐっ……ゴホゴホ」
「は? え……?」
 
 急に何を言うんだ……! お茶を飲ん出る時に見計らって言っただろ……。
 
「なんで二人の前で言うの……」
「いやー、エルとキールくん二人ともその知識は必要かなって。リアムくんは詳しいだろうし、分からないことがあれば聞けるじゃない?」
「オレは教えるならキールに直接……「あー! と、そしたらとりあえず今日はこの指南書というか手引書があるから、自主学習ということで渡すね」
 
 キールと俺にそれほど厚くはない本が渡される。
 
「ちゃんと自室で読んでおいてね。金曜までに。読み終わったら次を渡すから」
「次とか……あるの……」
 
 まさかのステップアップ方式。まさか友人から男同士の恋愛参考書を渡されることになるとは……。これどう見ても恋愛小説とかじゃないよな。
 
「キールも……好きな人が男性なの?」
「え!? いや、まだその……分からないけど、興味はあるかな……」
「そうなんだ……」
「ん……? キールって……」
「俺の好きな人……というかお付き合いしている人が男性なんだ。だけど何もかも初めてだから付き合い方とかよく分からなくてフリードに相談したの」
 
 詳しい話を聞くこともないし、周りに友人もいなかったから色恋関係の噂話聞いたことも無いしな。
 
「エル……恋人がいるの?」
「うん、出来たんだ」
 
 会話中にキールから急にぽろりと涙がこぼれる。
 
「ど、どうしたの? 大丈夫?」
 
 リアムがそっとキールの背に手をやり軽く抱きしめる。頭を撫でられ、少し落ち着いたのか再び俺に向き直った。
 
「エルに、心を許せる人が出来たんだね」
「うん、そうだね。許せるし、預けられる存在かな」
「そっか……。ずっとエルに酷い態度を取っていた僕が言うのはなんだけど、エルにそんな人が出来て嬉しい。本当は……僕がエルにとってそんな人になりたかった」
「俺はキールにも心を許しているし、友人にまたなってくれて嬉しいよ。ありがとう」
「うん……これからもよろしくね……」
 
 再び静かに涙を流すキールをリアムが抱きしめた。キールもぎゅっとリアムに抱きついた。俺に恋人が出来たことに対する歓喜の涙にしては、悲しそうだなと感じた。
 
「それにしても、よく許したね」
「ん? 俺のお母様は快諾だったし、お父様もなんとか納得してたけど」
「じゃなくてね」
 
 ん? 他にレオとのお付き合いを納得させなきゃいけない人いるかな?
 
「エルのお兄さん、オルフェス様って重度のブラコンって聞いてるけど、お相手の人、大丈夫なの?」
 
 あ……お兄様はずっと仕事で外国に行ってたから忘れてたけど、そろそろ帰ってくるんだった……!
 
「私だから分かるけど、自分がいない間に大事な弟が人のものになってたと知ったら狂いながら相手を刺すかもしれない」
「いや……ほんと……」
 
 フリードが勝手にシェリーくんで想像して怒ってる。怖いって……。しかも俺の場合今はまだ口約束だが結婚を約束している……。
 
「ちゃんと説明して納得出来るように準備しといたほうが良いよ。相手の方を思うならね……」
「あー、うん……分かった……」
 
 友人から参考書と忠言をもらい、口数が少ないまま公爵家の馬車で自宅まで帰ったのだった。
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