ダンジョンマスターは魔王ではありません!?

静電気妖怪

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1章〜異世界の地に立つ者達〜

23話「残された者達へ祝福を1」

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 暫くするとゼーレは落ち着き、普段の飄々とした感じを取り戻してきた。

「⋯⋯ひっぐっ⋯⋯ありがとう、お兄ちゃん」
「おう、気にするな」

 レイジの言葉にゼーレは一人呟いた。

「そんなんだから、皆んなお兄ちゃんを守りたくなるんだよ。そして⋯⋯ね」
「ん?なんか言ったか?」
「なーんにも!」

 ゼーレの、ゼーレだけの呟きは誰の耳にも届かなかった。

「そうだ!戦ってお腹空いたんじゃない?ご飯にしようよ!」
「あー、そう言えば何も食べてなかったな」

 パンドラ、マルコシアスと連戦をした。
 どちらも⋯⋯特にマルコシアスには余裕が持てなかったために空腹を忘れていた様だ。

「折角だから全員で食べようぜ」
「賛成ー!」

 いわば祝勝会。両手をあげて喝采できるわけではないが、少しでも盛大にしたい。
 レイジは一種の手向けだと思って気分を高めていたがーー

「⋯⋯ごめ、ん⋯⋯なさ、い。わ、たし⋯⋯たべ、られ⋯⋯ない」
「(コクリ)」
「「⋯⋯」」

 ーー食事不要勢を前に些か出鼻を挫かれることになった。

 ◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾

「で、お兄ちゃん何食べるの?やっぱ勝利を祝ってカツ?」
「いや、カツって戦いの前だろ。勝利を祝うなら寿司だろ」
「お寿司!?」

 ゼーレが寿司の単語を聞いて目を輝かせ始めた。
 しかし、そこにソーっと手を挙げる者がいた。

「申し訳ありません、『おすし』とは何ですか?」
「寿司っていうのはな、簡単に言うと酢飯に生魚を乗っけた物だな」
「『すめし』?『なまざかな』?」

 簡単に説明してもパンドラには疑問しか浮かばないのだった。

「酢飯も生魚も知らないのか?」
「ダンジョンには加工したものはないからね」
「そうなのか?」
「ダンジョンに住む魔物の食事は他の魔物くらいだからね。あ、あと人間かな」
「それって、生肉しか食ってないじゃないか。それでよく⋯⋯」

 そう言って、レイジはパンドラのスタイルを見てしまった。

 出るところは出て、引くところは引いているその女性的な体つきを。
 当然、服の再生なんてご都合主義はないため先の戦いで破れている。お陰で至る所から白く柔らかい素肌が眩しくて仕方がない。

「お、お兄ちゃん!どこ見てるの!」
「あ、わ、悪い!つい⋯⋯」
「ああ、ああぁ!貴方様が私を欲情の目で見てくださって!いつでも見てくださっていいですよ!」
「⋯⋯ます、たー」
「(ジー)」

 本音を言えばもっと見たいが、パンドラの狂気的な愛も他の面々のゴミを見る様な目にも耐えられない。
 レイジは半ば死ぬ気になってすり替える話題を捻り出す。

「そ、そうだ!飯もそうだが先にファントムの傷を直そう!そのままだと大変だろうからな!」

 そう言ってレイジはDMPの確認を急いだ。
 そこにはーー

「ーーは?」

 ーーーーー
 名前:神ノ蔵 レイジ
 種族:霊人族
 性別:男
 Lv:1 → 34
 HP:G → D
 MP:E → C
 技能:ダンジョンマスター<1→3>、霊体化<1>、憑依<1>
 称号:霊物のダンジョンマスター
 DMP:2,000 → 257,952,000
 ーーーーー

 ーーーーー
 ダンジョンマスター<1 → 3>
 等級:S

 ダンジョン管理<->
 魔物生成<->
 ダンジョン内移動<->
 能力模倣<1 → 3>
 ーーーーー

「え?何これ?」
「どうしたのお兄ちゃん?」

 ステータス画面が見えないゼーレは聞くしかできなかった。

「⋯⋯DMPがインフレした」
「⋯⋯え?」

 その後直ぐさま全員のステータスが確認された。

 ーーーーー
 名前:ーーー
 種族:ファントム
 性別:女
 Lv:1 → 38
 HP:G→ E
 MP:E → D
 技能:影魔法<3 → 6>
 称号:影の住人 → 影の主
 ーーーーー

 ーーーーー
 名前:ーーー
 種族:レイス
 性別:女
 Lv:1 → 45
 HP:E → C
 MP:F → D
 技能:神速<1 → 3>
 称号:変異種、闇の住人 → 闇の主
 ーーーーー

 ーーーーー
 名前:パンドラ
 種族:概念種
 性別:女
 Lv:43
 HP:D
 MP:C
 技能:闇魔法<5>、厄災<->、美貌<->
 称号:闇の主、厄災の概念、美貌の概念
 ーーーーー

 全員のステータスが確認された。
 そして、全員が口を開いたままとなった。

「⋯⋯レベル上がりすぎだろ」

 ここへきて、あの翁の置き土産に更に感謝することになったレイジ一行であった。
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