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2章〜光は明日を照らし、鬼は大地を踏みしめ、影は過去を喰らう〜
59話「湧き立つ希望、溢れる光、その後に7」
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暗い、昏い闇の中で彼女は目を覚ました。
——ここは?
上も下も分からない。足元の感覚もなく、フワフワとした無重力が体を包む。もがこうと体を動かす。
——いたい。
動かそうとする意思を否定するかのように痛みが彼女の全身を駆け巡った。
——⋯⋯。
彼女は動こうとすることを辞めた。痛みが止まるのならそれでいい。
痛みを振り払ってでも動こうとする理由がわからなかった。
——⋯⋯こわい?
闇の中、彼女の中に込み上げてきたのは恐怖だった。一寸先をも見渡させない闇が彼女の心を蝕んだ。
——こわい⋯⋯こわい⋯⋯コワイよ⋯⋯
彼女は必死になった。痛いのを堪えながら、避けながら必死に明かりを求めた。
そして、見えた光芒が映し出したのは——
「アヒャヒャヒャぁ!」
身丈を超えた大きな金棒を振りかぶった少女と、振り下ろされる少年の光景。
——⋯⋯ぇ?
少女の中で何かが切れた。
——⋯⋯だめ!
少女は動き出した。
痛みに抗う理由を思い出した。
恐怖を払う理由を思い出した。
光を求める理由を思い出した。
——ダメ、だめ、それだけは⋯⋯!
「ダめエエエえええええええぇぇ!!」
少女はいつの間にか走っていた。
その影を終えるものは誰一人と居なく。
少女はいつの間にか叫んでいた。
その声を聞き入れぬものは誰一人と居なく。
少女はいつの間にか変わっていた。
その姿を魅入らぬものは誰一人と居なく。
そして、少女は——
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
「アヒャヒャヒャぁ!」
レイジ の目の前には死が体現していた。
振りかぶられた金棒は生者を刈る凶器に。
向けられた笑顔は死者を迎え入れる手招きに。
レイジ はその死に抗うことができなかった。
予想以上の魔力欠乏による疲労。強者との剣の交え。反応が追いつかない理由としては十分だった。
「⋯⋯あぁ」
レイジ にできた最後の抵抗は目を瞑る、だった。
この闇の中で、その痛みを埋めよう。そんな些細な抵抗だった。
そして、金棒が振り下ろされる——
「⋯⋯?」
——前に壁に何かが激突する音が響き渡った。
「⋯⋯え?」
レイジ が目を開けばそこには一人の少女がいた。
腰まで真っ直ぐに伸びた赤い髪。
その所々には黒の斑点が浮かんでおり、妖しくも妖艶さがある。
背丈は レイジ の腰ほどで、その白い肌を一枚の擦り切れたローブが包んでいた。
手には振り抜かれた二本のククリナイフ。その様子は以前よりも更に毒々しさがましている。
「まさかお前⋯⋯レイス か?」
「うん⋯⋯ますたー⋯⋯ケガ、ない?」
振り返り愛おしそうに見つめる少女。瞳には今にも溢れそうなほどに涙が溜まっており、優しくレイジを見つめていた。
不覚にも、レイジはその美しさに声がどもった。
「あ、ああ大丈夫だ⋯⋯助かったよ」
「よかった⋯⋯ほんとう、に⋯⋯よかった」
そして、少女は涙を拭い壁側を向いた。
そこには瓦礫から這い上がる一体の赤鬼の少女の ロート の姿があった。
「ア⋯⋯ヒャ⋯⋯?」
ロート は自身に何が起きたか理解できなかった。
確実に仕留められる時に、確実に仕留めなくてはならない相手を殺した。そう思ったら次の瞬間は瓦礫の上。
理解はできなかった。しかし、原因は見つけた。
「ヒュゥ⋯⋯」
ロート は静かに目を細め、原因を睨みつけた。先ほどまでの獲物を狩るのとは違い対等な敵と認識したようだ。
「ますたー、あいつは⋯⋯私が⋯⋯殺る。だから⋯⋯」
「ああ、任せるよ」
「⋯⋯え?」
「俺はもう動けない。パンドラ も深手。 ハクレイ は行方不明だが、多分無事だ。どっかで休んでんだろ」
「⋯⋯」
「エイナ が危ないかもしれない。だから、早めに片付けてくれ」
「⋯⋯わかった」
少女はそう返事をした直後——
「⋯⋯アヒャ?」
ロート の金棒を握っていた右腕が肩から落ちた。
「——ア⋯⋯アヒャヒャヒャグアギャアギャギャアァァッッ!!??」
ロート は驚きと疑問に支配された。
いつ切られたのか?
なぜ切られたのか?
どうやって切ったのか?
誰が切ったのか?
わからない、理解できない、納得できない。
ただただ、その恐怖が次の瞬間への絶望が一瞬にして ロート に植え付けられた。
「アヒャ⋯⋯あひゃ、あひ⋯⋯あぁ⋯⋯」
痛みか、恐怖か。ロート の様子は次第に変化していった。
纏っていた雰囲気は年相応のものに変わり、
変化していた体は人間そのものに変わり、
映し出す眼は恐怖を与えるモノではなく、恐怖を感じる者に変わっていた。
「あぁ⋯⋯い、いや⋯⋯いだい、いたいぃ⋯⋯!」
「つぎで⋯⋯おわり」
「い、や⋯⋯ぁ」
宣告通り少女の不可視の攻撃が放たれた。
いつ切られるのか分からない。どこから切ってくるのか分からない。必ずやって来て、逃げることができない死への恐怖が体を蝕む。
ロートは固く目を瞑った。訳もわからない恐怖から逃げるために。
そして、大きな金属音が耳をすり抜ける。
「⋯⋯ッ」
いつまで経っても何も感じなかった。それが逆に恐ろしく、それでも不思議に思ったロートはゆっくりと目を開いた。
「⋯⋯え?」
前に立っていたのは大きな鎌を盾にした ブラウ だった。
「お、おねえ⋯⋯ちゃん」
「良かった⋯⋯間に合ったわ⋯⋯」
ブラウ は予測した。
次に狙われるのは首であるだろうと。直感にも等しいその賭けに ブラウ は賭け、勝った。
だが——
「お姉ちゃん!」
「⋯⋯!」
次は防げない。
ロート は嬉しさのあまり涙を流しているが、ブラウ には分かっていた。感動の再会をしている暇などはない。
だから——
「——え?」
ブラウ は ロート を大鎌の柄で殴り飛ばした。
「うっ⋯⋯!ケホッ!」
殴り飛ばした方向は ブラウ 達が入ってきた入り口。殴り飛ばされた ロート は咽ながらもそこまで痛みはなかった。
「な、何する——」
「逃げなさい⋯⋯」
「⋯⋯え?」
「逃げなさい、って言ってるのよッ!」
ブラウ の叫びにも似た大声が響いた。
「——ッ! マズイ! レイスッ!」
「うん⋯⋯!」
「行かせないッ!」
ロート に逃げられる。それはダンジョン内の情報が伝わることを示していた。
そのことに一早く気づいた レイジ は 少女に命令したがそれよりも ブラウ が行動を起こすのが早かった。
「ハアアアアアァ!!」
ブラウ の気合とともに現れたのは風の結界。
半球場のそれは入り口にいた ロート 以外を包む程の大きさを作った。
「⋯⋯」
少女は抉じ開けようとククリナイフを振るうが金属音が響くだけで壊れることはなかった。
「無駄よ⋯⋯これは、私の全力の結界⋯⋯」
「なら⋯⋯!」
そう言って少女は ブラウ の胸部をククリナイフで貫いた。
「ゴフッ⋯⋯!だから⋯⋯いったでしょ⋯⋯?全力だって⋯⋯もう、私には⋯⋯何も残っていない⋯⋯」
ブラウ は血を吐きながらそう言った。
周囲の結界は ブラウ の生命状況に関わりなく存在していた。まるで、ブラウの最後の意思のように残り続けている。
「お姉ちゃんッ!」
「⋯⋯ロート⋯⋯まだいたの⋯⋯?」
「だって⋯⋯約束⋯⋯アイス作るって⋯⋯!果物一杯って——」
「そんなの⋯⋯もう、むりよ⋯⋯」
「でも⋯⋯でも⋯⋯!」
「いきなさい⋯⋯」
「い、いやだ⋯⋯!⋯⋯いや!」
「行きなさいッ!」
「ヒッ⋯⋯」
ブラウ の叫び。その表情は優しい姉の面影はなく、弱者を喰らう鬼の様だった。
「⋯⋯う、うぅ⋯⋯うわああああああああぁあぁぁ!」
ロート は走った。
涙を流し、痛みに抗い、振り返りたい気持ちを押さえ込めながら。
「そう⋯⋯それでいい、のよ⋯⋯」
「⋯⋯」
「レイス!」
「だめ⋯⋯ますたー⋯⋯もう、死んでる」
「何?」
レイジ が見ると ブラウ の息は止まっていた。しかし、改めて周囲を見るが風の結界は健在だった。
「クソッ!」
「たぶん⋯⋯時間で、きえる」
「それまで足止めってことか⋯⋯クソッ!」
その後、風の結界が消えたのは レイジ が侵入者全員の反応がダンジョン内から消えたのを確認した後だった。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
ーーーーー
名前:神ノ蔵 レイジ
種族:霊人族
性別:男
Lv:34 → 59
HP:E → D
MP:E → D
技能:ダンジョンマスター(3→5)、霊体化(1)、憑依(1)
称号:霊族のダンジョンマスター、勇者殺し(New)
DMP:257,952,000 → 98,933,000
ーーーーー
ーーーーー
名前:エイナ
種族:霊種
性別:女
Lv:38 → 44
HP:E→ D
MP:D → C
技能:影魔法(6)
称号:影の主
ーーーーー
ーーーーー
名前:ーーー
種族: 霊種
性別:女
Lv:45 → 60
HP:C → B
MP:C→B
技能:神速(3 → 5)、剣術(4)(New)
称号:変異種、闇の主 → 闇の支配者、神風(New)
ーーーーー
ーーーーー
名前:パンドラ
種族:概念種
性別:女
Lv:43 → 55
HP:D→ C
MP:C →B
技能:闇魔法(5→6)、厄災(-)、美貌(-)、剣術(5)(New)
称号:闇の主、厄災の概念、美貌の概念
ーーーーー
ーーーーー
名前:ハクレイ
種族:妖種
性別:女
Lv:1 → 33
HP:G→ D
MP:E → D
技能:束縛封印(-)、地縛(-)、鞭術(4)
称号:迷える者、封印されし者
ーーーーー
ーーーーー
名前:ーーー
種族:妖刀
性別:男
Lv:1 → 38
HP:G → D
MP:E→ D
技能:思念操作(-)、忘我の呪い(-)
称号:宿る魂
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——ここは?
上も下も分からない。足元の感覚もなく、フワフワとした無重力が体を包む。もがこうと体を動かす。
——いたい。
動かそうとする意思を否定するかのように痛みが彼女の全身を駆け巡った。
——⋯⋯。
彼女は動こうとすることを辞めた。痛みが止まるのならそれでいい。
痛みを振り払ってでも動こうとする理由がわからなかった。
——⋯⋯こわい?
闇の中、彼女の中に込み上げてきたのは恐怖だった。一寸先をも見渡させない闇が彼女の心を蝕んだ。
——こわい⋯⋯こわい⋯⋯コワイよ⋯⋯
彼女は必死になった。痛いのを堪えながら、避けながら必死に明かりを求めた。
そして、見えた光芒が映し出したのは——
「アヒャヒャヒャぁ!」
身丈を超えた大きな金棒を振りかぶった少女と、振り下ろされる少年の光景。
——⋯⋯ぇ?
少女の中で何かが切れた。
——⋯⋯だめ!
少女は動き出した。
痛みに抗う理由を思い出した。
恐怖を払う理由を思い出した。
光を求める理由を思い出した。
——ダメ、だめ、それだけは⋯⋯!
「ダめエエエえええええええぇぇ!!」
少女はいつの間にか走っていた。
その影を終えるものは誰一人と居なく。
少女はいつの間にか叫んでいた。
その声を聞き入れぬものは誰一人と居なく。
少女はいつの間にか変わっていた。
その姿を魅入らぬものは誰一人と居なく。
そして、少女は——
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「アヒャヒャヒャぁ!」
レイジ の目の前には死が体現していた。
振りかぶられた金棒は生者を刈る凶器に。
向けられた笑顔は死者を迎え入れる手招きに。
レイジ はその死に抗うことができなかった。
予想以上の魔力欠乏による疲労。強者との剣の交え。反応が追いつかない理由としては十分だった。
「⋯⋯あぁ」
レイジ にできた最後の抵抗は目を瞑る、だった。
この闇の中で、その痛みを埋めよう。そんな些細な抵抗だった。
そして、金棒が振り下ろされる——
「⋯⋯?」
——前に壁に何かが激突する音が響き渡った。
「⋯⋯え?」
レイジ が目を開けばそこには一人の少女がいた。
腰まで真っ直ぐに伸びた赤い髪。
その所々には黒の斑点が浮かんでおり、妖しくも妖艶さがある。
背丈は レイジ の腰ほどで、その白い肌を一枚の擦り切れたローブが包んでいた。
手には振り抜かれた二本のククリナイフ。その様子は以前よりも更に毒々しさがましている。
「まさかお前⋯⋯レイス か?」
「うん⋯⋯ますたー⋯⋯ケガ、ない?」
振り返り愛おしそうに見つめる少女。瞳には今にも溢れそうなほどに涙が溜まっており、優しくレイジを見つめていた。
不覚にも、レイジはその美しさに声がどもった。
「あ、ああ大丈夫だ⋯⋯助かったよ」
「よかった⋯⋯ほんとう、に⋯⋯よかった」
そして、少女は涙を拭い壁側を向いた。
そこには瓦礫から這い上がる一体の赤鬼の少女の ロート の姿があった。
「ア⋯⋯ヒャ⋯⋯?」
ロート は自身に何が起きたか理解できなかった。
確実に仕留められる時に、確実に仕留めなくてはならない相手を殺した。そう思ったら次の瞬間は瓦礫の上。
理解はできなかった。しかし、原因は見つけた。
「ヒュゥ⋯⋯」
ロート は静かに目を細め、原因を睨みつけた。先ほどまでの獲物を狩るのとは違い対等な敵と認識したようだ。
「ますたー、あいつは⋯⋯私が⋯⋯殺る。だから⋯⋯」
「ああ、任せるよ」
「⋯⋯え?」
「俺はもう動けない。パンドラ も深手。 ハクレイ は行方不明だが、多分無事だ。どっかで休んでんだろ」
「⋯⋯」
「エイナ が危ないかもしれない。だから、早めに片付けてくれ」
「⋯⋯わかった」
少女はそう返事をした直後——
「⋯⋯アヒャ?」
ロート の金棒を握っていた右腕が肩から落ちた。
「——ア⋯⋯アヒャヒャヒャグアギャアギャギャアァァッッ!!??」
ロート は驚きと疑問に支配された。
いつ切られたのか?
なぜ切られたのか?
どうやって切ったのか?
誰が切ったのか?
わからない、理解できない、納得できない。
ただただ、その恐怖が次の瞬間への絶望が一瞬にして ロート に植え付けられた。
「アヒャ⋯⋯あひゃ、あひ⋯⋯あぁ⋯⋯」
痛みか、恐怖か。ロート の様子は次第に変化していった。
纏っていた雰囲気は年相応のものに変わり、
変化していた体は人間そのものに変わり、
映し出す眼は恐怖を与えるモノではなく、恐怖を感じる者に変わっていた。
「あぁ⋯⋯い、いや⋯⋯いだい、いたいぃ⋯⋯!」
「つぎで⋯⋯おわり」
「い、や⋯⋯ぁ」
宣告通り少女の不可視の攻撃が放たれた。
いつ切られるのか分からない。どこから切ってくるのか分からない。必ずやって来て、逃げることができない死への恐怖が体を蝕む。
ロートは固く目を瞑った。訳もわからない恐怖から逃げるために。
そして、大きな金属音が耳をすり抜ける。
「⋯⋯ッ」
いつまで経っても何も感じなかった。それが逆に恐ろしく、それでも不思議に思ったロートはゆっくりと目を開いた。
「⋯⋯え?」
前に立っていたのは大きな鎌を盾にした ブラウ だった。
「お、おねえ⋯⋯ちゃん」
「良かった⋯⋯間に合ったわ⋯⋯」
ブラウ は予測した。
次に狙われるのは首であるだろうと。直感にも等しいその賭けに ブラウ は賭け、勝った。
だが——
「お姉ちゃん!」
「⋯⋯!」
次は防げない。
ロート は嬉しさのあまり涙を流しているが、ブラウ には分かっていた。感動の再会をしている暇などはない。
だから——
「——え?」
ブラウ は ロート を大鎌の柄で殴り飛ばした。
「うっ⋯⋯!ケホッ!」
殴り飛ばした方向は ブラウ 達が入ってきた入り口。殴り飛ばされた ロート は咽ながらもそこまで痛みはなかった。
「な、何する——」
「逃げなさい⋯⋯」
「⋯⋯え?」
「逃げなさい、って言ってるのよッ!」
ブラウ の叫びにも似た大声が響いた。
「——ッ! マズイ! レイスッ!」
「うん⋯⋯!」
「行かせないッ!」
ロート に逃げられる。それはダンジョン内の情報が伝わることを示していた。
そのことに一早く気づいた レイジ は 少女に命令したがそれよりも ブラウ が行動を起こすのが早かった。
「ハアアアアアァ!!」
ブラウ の気合とともに現れたのは風の結界。
半球場のそれは入り口にいた ロート 以外を包む程の大きさを作った。
「⋯⋯」
少女は抉じ開けようとククリナイフを振るうが金属音が響くだけで壊れることはなかった。
「無駄よ⋯⋯これは、私の全力の結界⋯⋯」
「なら⋯⋯!」
そう言って少女は ブラウ の胸部をククリナイフで貫いた。
「ゴフッ⋯⋯!だから⋯⋯いったでしょ⋯⋯?全力だって⋯⋯もう、私には⋯⋯何も残っていない⋯⋯」
ブラウ は血を吐きながらそう言った。
周囲の結界は ブラウ の生命状況に関わりなく存在していた。まるで、ブラウの最後の意思のように残り続けている。
「お姉ちゃんッ!」
「⋯⋯ロート⋯⋯まだいたの⋯⋯?」
「だって⋯⋯約束⋯⋯アイス作るって⋯⋯!果物一杯って——」
「そんなの⋯⋯もう、むりよ⋯⋯」
「でも⋯⋯でも⋯⋯!」
「いきなさい⋯⋯」
「い、いやだ⋯⋯!⋯⋯いや!」
「行きなさいッ!」
「ヒッ⋯⋯」
ブラウ の叫び。その表情は優しい姉の面影はなく、弱者を喰らう鬼の様だった。
「⋯⋯う、うぅ⋯⋯うわああああああああぁあぁぁ!」
ロート は走った。
涙を流し、痛みに抗い、振り返りたい気持ちを押さえ込めながら。
「そう⋯⋯それでいい、のよ⋯⋯」
「⋯⋯」
「レイス!」
「だめ⋯⋯ますたー⋯⋯もう、死んでる」
「何?」
レイジ が見ると ブラウ の息は止まっていた。しかし、改めて周囲を見るが風の結界は健在だった。
「クソッ!」
「たぶん⋯⋯時間で、きえる」
「それまで足止めってことか⋯⋯クソッ!」
その後、風の結界が消えたのは レイジ が侵入者全員の反応がダンジョン内から消えたのを確認した後だった。
◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾️◆◾
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名前:神ノ蔵 レイジ
種族:霊人族
性別:男
Lv:34 → 59
HP:E → D
MP:E → D
技能:ダンジョンマスター(3→5)、霊体化(1)、憑依(1)
称号:霊族のダンジョンマスター、勇者殺し(New)
DMP:257,952,000 → 98,933,000
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名前:エイナ
種族:霊種
性別:女
Lv:38 → 44
HP:E→ D
MP:D → C
技能:影魔法(6)
称号:影の主
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種族: 霊種
性別:女
Lv:45 → 60
HP:C → B
MP:C→B
技能:神速(3 → 5)、剣術(4)(New)
称号:変異種、闇の主 → 闇の支配者、神風(New)
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名前:パンドラ
種族:概念種
性別:女
Lv:43 → 55
HP:D→ C
MP:C →B
技能:闇魔法(5→6)、厄災(-)、美貌(-)、剣術(5)(New)
称号:闇の主、厄災の概念、美貌の概念
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名前:ハクレイ
種族:妖種
性別:女
Lv:1 → 33
HP:G→ D
MP:E → D
技能:束縛封印(-)、地縛(-)、鞭術(4)
称号:迷える者、封印されし者
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種族:妖刀
性別:男
Lv:1 → 38
HP:G → D
MP:E→ D
技能:思念操作(-)、忘我の呪い(-)
称号:宿る魂
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この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
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